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小川 隆吉 院長の独自取材記事

小川クリニック

(豊島区/東長崎駅)

最終更新日:2023/08/24

小川隆吉院長 小川クリニック main

目白通り沿いにある「小川クリニック」は、西武池袋線の東長崎駅、都営大江戸線・落合南長崎駅や新江古田駅からも徒歩圏内の産婦人科クリニック。日本医科大学産婦人科医局を経て、都立築地産院で産婦人科医長を務めた小川隆吉院長が、休院状態だった同院を先代から引き継ぎ1995年に開業。小川院長の専門は不妊治療で、この分野のスペシャリストととして著書や子育て雑誌などの執筆も数多く手がけている。女性と命を見守るクリニックとして地域からの信頼が厚く、2世代にわたって通う患者も多いという。2022年からは新たな体制で女性のライフステージごとに必要な医療に注力するクリニックへと舵を切った同院。思春期から老年期まで、すべての女性の悩みに寄り添う小川院長に、婦人科医療に向き合う姿勢や今後の展望について話を聞いた。

(取材日2022年1月5日)

女性の一生に寄り添うフェムケア・フェムキュアに注力

開院から25年以上と伺っています。

小川隆吉院長 小川クリニック1

かつて、父がここで産婦人科診療所を開設していましたが、10年間ほど休院状態でした。私は日本医科大学を卒業後、医局を経て、1995年まで都立築地産院の産婦人科医長として勤務。日本医科大学の講師も兼任しており、多忙な日々であったため患者さんとじっくり向き合う時間が少なくなっていました。医師として、やはり治療の手応えを身近で感じたいという思いから、この診療所をリスタートする決意をしました。長年、不妊治療を専門に診ていましたが、開院当初から不妊治療だけでなく、妊娠中のケア、出産、更年期まで、さらに内科との連携でトータルな産婦人科医療に取り組んできました。ここ最近もお産の数は多かったのですが、2022年の1月からお産と内科を一時中止。新しい体制で産婦人科医療に取り組むこととなり、院内の改装やホームページの刷新を予定しています。

どのようなことに注力されていくのですか?

フェムケア、フェムキュアに力を入れていきたいと考えています。簡単に言うと、女性の性に関する治療はキュア、見守りはケアということになります。思春期から老年期まで一生を通じて、女性の悩みを解決しましょうということですね。例えば、思春期であれば月経困難症。器質性の子宮筋腫や子宮内膜症が原因で生理痛が強い人は不妊症にも関係してきます。子どもが欲しい人の治療、逆に欲しくない人にはピルの処方といった緊急避妊もあります。子どもができたら、妊娠中のキュアとケア、お産が終われば子宮筋腫などが増えてきますし、その後は更年期障害や骨粗しょう症、性交の問題や尿漏れといった悩みなどにつながっていきます。女性特有の病気や症状に漫然とではなく、一つ一つ細かく対応していこうと考えています。

女性のライフステージごとに必要な医療の提供をめざされているのですね。

小川隆吉院長 小川クリニック2

WHOではプレコンセプションケアといって、受胎前の健康に向き合うことの大切さをうたっています。妊娠前に検査を受けるなどして、病気が見つかったら早く治療しましょうということですね。そこで取り入れているのがいわゆるブライダルチェック。当院では25年以上前から導入しています。しかし私は、プレコンセプションケアという妊娠することを前提にした検査というのは、少しおかしいのではないかと考えています。女性が全員妊娠したいというわけではないですし、女性としてこれから生活していく上で、妊娠に関係なく病気は早く見つけたほうがいいですよね。産みたくないという人には、産まない権利があるわけです。フェムキュア、フェムケアは生活の質を上げることをめざす医療ですが、基本となる部分は長年実践してきていると自負しています。

産婦人科医療は命の根っこに関わる分野

先生のご専門である不妊治療について教えてください。

小川隆吉院長 小川クリニック3

当クリニックの不妊治療の基本方針は「なるべく自然の状態に近い形での妊娠」です。患者さんの体調や年齢、生活環境をお伺いして一人ひとりに合った治療を組み立てます。必要に応じて漢方も取り入れつつ、タイミング法、排卵誘発剤、人工授精と徐々に進めますが、どうしても結果が出ない場合は、患者さんの年齢などを考慮して、体外受精を行う病院を紹介することも考えます。しかし、必要のない体外受精はやめていただきたいですね。一般不妊治療で事足りる方まで、安易に選択する傾向は疑問視しています。体外受精でのリスクも指摘されていますから、くれぐれも慎重に決断してほしいと思います。体外受精に踏み切る前に、まずはお近くの産婦人科に相談してください。医師から正しい知識を得ることは、とても大切です。もし機会があれば、私の著書も参考にしてください。出産や妊娠について医学的にわかりやすく解説しています。

先生を頼って来られる患者さんも多いのでは?

当院には体外受精でも妊娠できないであろうと診断された人や、前回苦労して妊娠したという方も多くいらっしゃいます。当院の人工授精では、元気な精子を選別する手法を導入しており、精度の高い治療を追求しています。お産は一旦中止しますが、不妊治療によって命を授かるサポートをし、出産まで赤ちゃんを見守り続けることは変わりません。命の根っこに関わる医療ですから、そういう意味ではやりがいがありますね。

検査にも力を入れていると伺っています。

小川隆吉院長 小川クリニック4

子宮筋腫や子宮内膜症の早期発見につなげる婦人科検診をはじめ、子宮頸がん検診、妊娠前のブライダルチェック、妊娠後の妊婦健診など、女性のライフステージごとに必要とされる検査を行っています。最近、これらの検査を導入している医療機関が増えていますが、当院では妊娠中に胎児の病気を見つけることに役立てる胎児スクリーニング検査も10年以上前に導入しており、通院中の妊婦を対象に20週過ぎと30週過ぎの検査を実施しています。何らかの問題が見つかった場合、分娩後すぐの手術になるため小児心臓外科を併設した専門の病院を紹介しています。

患者が安心して笑顔で帰宅できる診療を提供したい

医師をめざしたのは、やはりお父さまの影響ですか?

小川隆吉院長 小川クリニック5

それもありますが、医師になりたくない時期もありました。やりたいことが他にもあって、絵を描くことにも挑戦していましたが、才能がないとわかったので諦めました(笑)。医師になろうと決意したのは、高校3年生の時です。高校・大学時代は社会情勢の変化が大きく多感な青春を過ごしましたが、振り返ると面白い時代でしたね。総合的に患者さんを診ることができる科を希望し、小児科も内科も泌尿器科領域も診ることができる産婦人科を選びました。今となっては医師になって良かったと思いますね。

今後の展望を教えてください。

当院が開院した頃に出産された方が更年期障害の年代になっていて、長期間にわたって、それぞれのライフステージで受診されています。そのため、閉経前後からの加齢による膣のかゆみや性交痛、膣萎縮や尿漏れ、筋力の衰えによって膀胱や子宮が下がってくるなど、女性特有の不快な症状の相談は非常に多いです。対応していきたい分野のひとつですから、レーザー治療の研究動向にも注目しています。また、診療体制の変化に伴う院内改装でパウダールームを設け、ハーブティーなどを提供できたらと考えています。婦人科は女性の一生を見守る診療科です。思春期の頃から一人の婦人科医師をかかりつけとして持つことは、患者さんにとっても安心感があるのではないでしょうか。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

小川隆吉院長 小川クリニック6

やはり納得して帰っていただくこと。病気に関しては患者さんの悩みをすべて解決してあげたいと思います。そのために、見落としがないよう全身全霊をかけて診察しています。不妊症で悩まれ、さまざまな医療機関を回り、最終的に当院を頼って受診される方もいらっしゃいますので、患者さんの期待には全力で応えていきたいですね。また、私は患者さんと医師は対等の立場だと考えています。どちらが上でも下でもない、患者さんとお医者さんです。そのような考え方から、診察室は机を挟んだ対面式にしていて、患者さんは医師が書いていることをすべて見ることができます。個室なので待合室にも声が聞こえません。開院当初は珍しかったのですが、当院ではずっとこのスタイルで診療しています。当院の理念である「病院の門をくぐるときは不安でいっぱいでも、帰るときは安心して笑顔が出るような医療」は、今も、そしてこれからも続けていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

避妊を目的としたピル処方(1ヵ月28錠)/3080円、ブライダルチェック/3万3000円

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