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河野 克典 院長の独自取材記事

伊皿子坂医院

(港区/泉岳寺駅)

最終更新日:2020/04/01

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「伊皿子坂医院」は泉岳寺駅から徒歩3分ほど。院長の河野克典先生は内科、小児科のほか、大学病院で専門としていた脳神経外科や循環器科の経験も生かし、子どものアレルギーから高齢者の生活習慣病まで幅広く診療している。「病気の行き着くところには心の問題がある」と考える河野先生は、患者の話にじっくり耳を傾け、心がポジティブになるサポートを大切にしているという。そのやさしい笑顔に安心感を抱く患者は多いだろう。今回の取材では、診療において大事にしていることや印象に残っているエピソード、河野院長自身のストレスマネンジメントなどについて話を聞いた。
(取材日2018年9月21日)

心のコントロールが健康維持の鍵

どのような患者さんが来院していますか?

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診療科としては内科、循環器内科、小児科、アレルギー科となっていて、子どもから働く世代、高齢の方まで幅広く来院されます。ご家族で通院される方もいらっしゃいますよ。ご相談の内容は本当に幅広いのですが、風邪や気管支炎、生活習慣病などがきっかけで相談にみえる方が多いですね。ただ、そこから白血病やがんといった大きな病気が見つかることもあるんです。当院では、患者さんの相談の窓口としてさまざまな症状を見極め、必要があれば専門の病院をご紹介することも大事な役割と考えています。そういう意味では、この地域には優秀な病院が多いですから、患者さんの紹介がスムーズにできてありがたいですし、私自身も勉強会などを通じて学ばせてもらっています。

河野先生は患者さんの「心」を重視しているそうですね。

これまで多くの患者さんを診てきて、生活習慣が病気に大きな影響を与えていると感じました。ただし、生活習慣を変えるのは簡単なことではありません。なぜなら前提として、心のコントロールが必要になるからです。例えばストレスがコントロールできていないと眠れなくなったり、過食に走ったり、アルコールやたばこの本数が増えたりすることにつながるのです。そしてもう一つ、モチベーションも関わってきます。例えば、いい仕事を長く続けたいと思っている人は、健康に関心を持ちます。家族のために健康でありたいという人もいらっしゃいますね。このように、人生の目的があればいいのですが、そうでない場合は楽なほうに流されてしまうので、何かを変えることは難しいのです。病気の行き着くところには心の問題がある、それを忘れずに診療しています。

病気になった時、どんな心がけが大事ですか?

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病気になった時は、物事の捉え方がとても大事になってきます。病気になるとネガティブになって、言葉もきつくなりがちで、人を言葉で傷つけてしまうこともあります。そうなると、ますます環境が悪くなっていくのです。ですが、長年診療していて気づいたのは、いろいろなことに「ありがたい」という気持ちになると、状況がポジティブに変わっていくということです。風邪をひいたなら、「風邪程度で良かった」と感謝したり、事故で骨折をしたなら「骨折で済んで良かった」という発想に変わってくることで、治癒を促すと感じています。ですので、患者さんにはよく、「日常生活の中で感謝を発見しましょう」とお伝えしています。病気を通して何かを学ぶ姿勢があれば、自然な形で生活習慣が整っていくものです。

患者の治癒力を引き出すサポートを行う

診療において大事にしていることを教えてください。

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病気を治すのは、最終的には自分の力です。例えば手術をしても、傷が癒えるには患者さんの治癒力が大事になってくるわけです。そこで私がまず大事にしているのは、患者さんに感謝の気持ちや希望を持ってもらえるようなサポートをすること。そしてもう一つ、わかりやすく話すこと。医師にとっては当然の知識でも、患者さんにとってはそうではありませんから、患者さんが理解できるように話すというスタンスは大事にしています。薬が必要な時は薬についてもきちんと説明して、安心して治療を受けていただけるようにしています。そして3つめは、患者さんの話をしっかり聞くことです。会話の中に、患者さんの病気を知るヒントが隠されているかもしれないですし、患者さんのバックグラウンドを理解した上でアドバイスができればと考えています。

お子さんの患者さんも多いそうですね。

はい。でも実は一緒にいるお母さんのほうが心配になることもあります。子育てや仕事、PTAなどで忙しくて大変なのに、無条件の愛を子どもに与えようとする姿に、いつも感動しています。私は勤務医時代に脳外科で、事故や脳腫瘍などで亡くなる子どもをたくさん見ており、命の尊さを目の当たりにしてきました。だから、お母さんたちの愛情を見るとジワっとくるものがあるのです。一方で、お母さんちょっと大変そうだな、疲れているのかなと感じることもあります。お母さんをしていると、自分のことは後回しになって無理をしてしまうことが多いのではないでしょうか? 心のストレスは体調の不調にもつながります。お母さんが元気でいることが、お子さんの元気にもつながりますから、無理をせず、ご自身のことも気軽に相談してほしいです。

印象に残っているエピソードを教えてください。

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糖尿病やコレステロール値が高い生活習慣病の方も、治療を進めるうち、薬を飲まなくてもよくなる方がいらっしゃいます。大抵の人が苦労する生活習慣の改善も淡々とこなしていて、思考のマネジメント能力がすごいなと思いますね。そういう方はやはり、仕事など人生のモチベーションが高い方でした。「どのようにしたらいいですか?」と自分にできることをすべてやろうとするので、こちらとしても頭が下がりましたね。生活習慣が変われば使う薬も変わってきますし、自助努力も大切です。また、生活習慣病の別の患者さんからは、「先生がそこまで一生懸命なら、自分もやるよ」と言われたことがあり、印象に残っています。患者さんは私の意識を感じとっているのだと気づかされ、常に精一杯やれているだろうか、と自問しましたね。

患者に元気を与えられる医師でありたい

ご自身のストレスケアの方法を教えてください。

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考えすぎないことでしょうか。例えば、このクリニックも私一人でやっているとは思っていなくて、看護師や受付のスタッフ全員で患者さんを癒やすと考えています。一人で抱え込まないようにしているのです。あとは、静かな音楽をかけて、海を泳いでいるようなイメージをして、物事に捉われないようにしています。これは、元気な高齢の患者さんから聞いた話がヒントになっていますが、その方に元気の秘訣を聞くと「私はばかですから」とおっしゃるのです。好奇心がとても強い方なのですが、ネガティブなことには反応しないとか、嫌なことを言われても気にしないということだそうです。むしろ賢いですよね。それから、歩くことも好きです。帰宅する際に歩いて遠回りしたり、近くの大学構内を散歩したりします。精神的に疲れている時は体を動かすようにしています。

これから力を入れていきたいことは?

これからは医療もAIの時代に入ってきますので、人工知能ができないことを医師がやっていくことが大事だと思っています。感情を含めトータルで診ることは特に大事になるでしょう。また、高齢社会で寝たきりの人が増えていくと思うので、予防にしっかり取り組んでいく必要があると思っています。今も高齢者の心不全が増えていますが、やがて、入院医療が必要な患者さんであふれ、病院が受け入れきれない状態になるといわれています。これを防ぐには予防が重要ですので、地道ではありますが、当院においても血圧の管理や生活習慣病の対策をしっかり行っていけたらと思います。また小児科では、子どもをしっかり診てあげたい。そして、子どもは大人を観察していますので、この先生は一所懸命やっているなと、模範になれたらいいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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どんな人も、最後にはこの世を去ります。病気になって、人生半ばで悔いを残してこの世を去りたいとは誰も思わないのではないでしょうか。生きている間は、感動や喜びや生きがいを感じてほしいので、少しでも患者さんの健康維持や病気治癒のお手伝いができればと願っています。そして「こんな先生がいてくれて良かった」と気軽に相談してくれるような存在でいたいです。長年お付き合いのある患者さんからは「病気でないと来られないのが残念」とか「話をしていると元気になる」と言っていただくことも多いので、これからも相手に元気を与えられるような医師でありたいと思っています。

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