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西澤寛人 院長の独自取材記事

赤坂おだやかクリニック

(港区/赤坂駅)

最終更新日:2021/10/12

西澤寛人院長 赤坂おだやかクリニック main

千代田線赤坂駅2番から直結したビル2階にある「赤坂おだやかクリニック」。医院名の「おだやか」とは、「患者さんの心配がなくなれば、本当におだやかな顔でお帰りになります。そんな医院でありたいという願いから」と親しみやすい笑顔で取材に対応してくれた西澤寛人院長。30代はじめで最初の医院を開業し、赤坂の同院ほか全部で4つのクリニックで休みなく診療を続ける西澤院長は、「患者さんと接していられる現場が大好き。とても幸せな毎日ですよ」と本当にうれしそうに話してくれた。医師だけでなくクリニックのスタッフ全員で患者を心配して不安を和らげ、そこから生まれるおだやかな気持ちを、さらに多くの人に広げたいという西澤院長。医師になったきっかけから、患者一人ひとりを診る医療への思いについて聞いた。

(取材日2013年4月9日)

医師の役目は、24時間ずっと患者を心配すること

子どもの頃の入院が、医師になるきっかけだとか?

西澤寛人院長 赤坂おだやかクリニック1

ええ、小学1年生のときに病気で入院したんです。両親はお見舞いに来てくれましたが、病院の決まりで面会は2日に1回だけ。今日お別れしたら、あさってまで会えないという状況でした。そんな寂しさを和らげてくれたのが医師や看護師の皆さんで、いつも「大丈夫?」と声をかけてくれました。私は「この人たちに心配されているんだ」と感じて、安心できたのです。そうして患者さんに喜ばれる、安心してもらえる医療の仕事に就きたいと思って医学部に入りました。「手に職をつけて、安定した生活を」といった気持ちで、この世界に入る方を見かけますが、そういう損得勘定だけで医師の仕事を続けるのは難しいと思うのです。

なぜ続かないとお考えなのでしょうか?

私にとって医師とは365日24時間、患者さんを診て治すものなんです。収入や私生活とのバランスなどを考えては、そうした治療はできません。当院を含む医療法人順齡会には4つのクリニックがありますが、私は週7日休みなくどこかで診療しています。そしてどこにいても、別のクリニックで担当している患者さんからの連絡はいつでも取り次いでもらうのです。「今日はそちらの担当でない」とお断りすることはありません。また用事で旅行に出たときなども、時間があればメールでの問い合わせに返事を書くんですよ。患者さんを心配して、一人ひとりの不安を早く解決しようするのは当たり前。それが相手に喜ばれ、「先生に診てもらえてよかった」と言ってもらえる。それを自分の喜びと感じられる人が医師に向いているのだと私は思います。そして「赤坂おだやかクリニック」をはじめとする医療法人順齡会の医療理念は「あなたの主治医をめざします」で、医師だけでなく看護師も受付スタッフも、当院で働く全員が主治医のような役割をめざしているのです。

その医療理念についてお聞かせください。

西澤寛人院長 赤坂おだやかクリニック2

私たちが医療理念でいう主治医役とは、「患者さんのことを本当に心配できる人」なのです。患者さんは自分の体について、さまざまな不安を持って来院されます。その不安を少しでも和らげるよう「大丈夫ですか」と声をかける、患者さんがどうしてほしいのかを考える、そのように愛情持って接することは医師に限らずみんなができることです。それが「みんなが主治医をめざす」という意味なんです。もちろん医師も患者さん一人ひとりのことを思いやって診療します。例えば花粉症のお薬をもらうために、混んでいる時間帯に1時間待って当院で受診される患者さんもいます。私が「花粉症ですか、大丈夫ですか?」と心配してお聞きすると、「いや、実はずっと鼻水が続いて、花粉症か風邪かわからなくて不安でした」というお答えでした。ああそうなのか、だから不安でわざわざ受診されたのかとわかりますから、きちんと検査して診断をして、「花粉症でしたよ、このお薬を飲んで様子を見てください」とお伝えするんですね。患者さんを心配して、不安を和らげて安心してお帰りいただく。そういう医院をめざしているのです。

患者に押しつけない。できることを一緒に考える診療

どのような病気の方が多いのでしょうか?

西澤寛人院長 赤坂おだやかクリニック3

当院は保険診療として一般内科、循環器内科、生活習慣病外来などを診療するほか、患者さんのご希望によって自由診療まで幅広く対応しています。クリニックの場所が赤坂ですから、よくお見えになるのは近くのオフィスにお勤めの方ですね。受診される方は食事の偏りや運動不足などで、気づかないうちに生活習慣病になっているケースも多いんです。「今日は少し調子が悪くて」とお見えになる方の血圧が200を超えていたり、糖尿病の兆候が出ていたり。また40代になると体力的に無理ができない年代に入ってきますから、30代のようなペースで過ごしていると要注意です。健康診断、人間ドックなどでしっかりご自分の状態をチェックしていただくことをお勧めしています。

生活習慣病の方の治療はどう対応されますか?

ご本人と相談しながらの治療になりますが、いきなり「今日からお酒は駄目です」と禁止しても無理でしょう。たいてい「いや先生、今日もつき合いで飲む予定なんです」とお答えになりますから、私は「絶対飲むな」と言いません。お薬で血圧などをコントロールする方法と、お酒の飲み方を工夫して摂取量を減らす、その両方をアドバイスをします。そうやって無理なく健康になるお手伝いをすることが、とても大事だと思っているんです。この生活を続けた後で検査をすると、確かに中性脂肪が減っていて、「こんなに違うならもっと続けよう」とご本人のモチベーションも上がります。逆に「あれもこれも駄目」ばかりだと、最初は結果が出るかもしれませんが、次第に「行けば面倒なことを言われる」と患者さんの足が遠のくでしょう。相手を心配するというのは、口うるさく言うのでなく、どうやったら病気を治せるか、今の状態を保って長生きできるか、一緒に考えていくことです。患者さんも「この医者は自分をわかってくれる」と感じてくれたら、本気で耳を傾けてくれるようになります。

そうした接し方なら、相手も興味を持って聞くでしょうね。

西澤寛人院長 赤坂おだやかクリニック4

ええ。診察室でお酒の飲み方の工夫をするわけですから、患者さんも驚いたり笑ったりして明るい雰囲気です。ですから当院の診察室は笑い声が絶えません。あるときなど受付のスタッフに「診察室で笑い話なんて不謹慎です。待っている患者さんに失礼じゃないですか」と叱られたくらいです(笑)。もろちんスタッフは自分なりに患者さんを心配して言ってくれたので、とても有り難いこと。でも私は診察に来て笑って帰るのは、とてもいいと思うんですよ。その医院が居心地よく、診療に納得されている証拠なんですから。院内を外からよく見えるガラス貼りにしたのも、どんな先生やスタッフがいるか、どんなことをしているのか、見えた方が安心できると思ったから。皆さんにとって居心地のいい場所にするための努力の一つなんです。

不安な人を少しでも減らせたら、との思いで新しい医院を作る

開業されたきっかけをお聞かせください。

西澤寛人院長 赤坂おだやかクリニック5

開業を考えたのは、医学部卒業後に勤めた大学附属病院の方針に矛盾を感じるようになったからです。どうしても研究重視の傾向になじめず、患者さん一人ひとりの話を詳しく聞いて信頼関係を作るような診療をめざそうと思いました。予想以上に早く、32歳で開業できたのは、以前から当院を受診されていた方の力添えのおかげです。「信頼関係を大事にする、という西澤先生の考えにひかれて受診している。きっとそう考える患者は多いはずだ」と励まされ、さらにオープンを控えたショッピングモールの担当者も紹介してもらえました。そうした縁に恵まれて開業したのが、越谷市の「おだやかライフ内科クリニック」です。そちらで診療を続けていたら、患者さんの中に赤坂でテナント開発を担当されている方がいて、そのご紹介で「赤坂おだやかクリニック」を開業することになりました。越谷市のクリニックは土日も開業するので、「休みの日にやっていると助かる」と感謝されていますし、赤坂ではお勤めの方も便利なよう平日19:00まで診療しています。そして2013年5月には東京の郊外、東久留米市にできるショッピングモールからもお誘いがありました。私とスタッフ全員が話し合い、その地域の患者さんも心配を少しでも減らせるといいねと、そこにも開業を決めたんです。

医院名の「おだやか」は変わった名前ですね。

それは患者さんが受診後に心配がなくなると、本当におだやかな顔をしてお帰りになるからです。そういう医院をもっと作りたいと思って、つけた名前です。私が診療するとき、私が持っている“幸せ箱”から、少し幸せを患者さんにおわけしているのだと思っています。そして患者さんはおだやか気持ちでお帰りになり、私自身は幸せを周囲の人からいたただき、また自分で楽しみを見つけて幸せを増やしていく。そうした幸せをやりとりしている雰囲気が、当院のおだやかさをつくるのだと思います。私がその日勤めるクリニックに行くとスタッフが迎えてくれて、患者さんが待っていてくれます。なんて幸せな毎日だろうと感じますね。私は医療法人の理事長という役職もありますが、それより現場に出て診療している方が好きなんです。

お休みがなくて、どのようにリフレッシュされますか?

西澤寛人院長 赤坂おだやかクリニック6

もう仕事が趣味のようなものですから(笑)。私から現場を取り上げないでほしい、と周囲にお願いしているくらいです。といっても、いろいろな人とおいしいものを食べに行くことは好きで、そのせいかコレステロールは高いんですね。だから自分も薬を飲んで数値をコントロールしています。私自身はお酒が飲めないのですが、そうやって自分でも生活習慣病を治療しているので、その例も患者さんに紹介すると、「え、先生もやっているの?じゃあ自分もやってみよう」という気持ちになっていただけるようです。

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