園延 昌志 院長の独自取材記事
Well-Being DENTAL CLINIC
(港区/白金高輪駅)
最終更新日:2024/11/15
白金高輪再開発エリアに立つタワーマンションの2階にある「Well-Being DENTAL CLINIC」。幅広い歯科診療をワンストップで行う歯科クリニックをめざし、2023年に園延昌志院長が開業した。同院開業前は、審美歯科専門の歯科クリニックと小児歯科専門の分院の2院を運営していた園延院長。統合したことで患者の利便性向上はもちろん、同院で働くスタッフの医療人としての意識向上や教育体制の整備も実現。より信頼される歯科クリニックへステップアップできるようにと、スキルやホスピタリティーの向上にも力を入れる。「総合歯科医院として、医科歯科連携も強化しながら地域の皆さんの健康を守りたいです」と、話す園延院長に、歯科医師としての信念やクリニック運営への思いを聞いた。
(取材日2024年10月21日)
専門性を備え、ワンストップでさまざまな症例に対応
2023年に2つの歯科クリニックを移転統合されました。その経緯をお聞かせください。
移転前までは「白金こどものはいしゃさん」と「オーラルビューティークリニック白金」を運営し、それぞれ小児歯科と審美歯科に分けて治療を行うことで、より専門的な歯科医療をお届けしてきました。ただ、かねてより都内で総合歯科医院をつくることを目標としていましたので、白金高輪エリアの再開発に合わせて、今回2つの歯科クリニックを統合した「Well-Being DENTAL CLINIC」を開きました。都内には審美歯科専門やインプラント治療専門などの歯科クリニックは多数ありますが、私たちがめざしたのは、そういった歯科クリニックと大学病院など大規模病院の間の規模の、いわゆる1.5次医療機関という位置づけの歯科クリニックです。そのために歯周病や歯科口腔外科、小児歯科など、さまざまな分野を専門とする歯科医師が在籍して、ワンストップで幅広いお悩みに対応しています。
都心にありながら、院内はとても広々としていますね。
当院は約100坪の広さがあります。来てくださった患者さんが院内での時間を快適に過ごしていただけるよう、随所に植物を配置したバイオフィリックデザインを取り入れました。バイオフィリックデザインとは、都会のにぎやかな街にありながらも、室内に一歩足を踏み入れると自然を感じられるような、癒やしをコンセプトとしたインテリアデザインのことです。音響はハイレゾシステムを取り入れ、人の耳が感知しないような広い音域で自然音が流れるような環境にしています。治療用のユニットは14台構えていますが、落ち着いて診療を受けていただけるように、大人とお子さんの治療エリアはゾーニングし、動線も分けています。親子で来院できる利便性は確保しつつ、お子さんが自由におしゃべりしていい場所があることで、親御さんも気にせずに過ごしていただけるのではないでしょうか。
移転統合したことで、他にもさまざまなメリットがあったそうですね。
そうですね。1ヵ所に専門性を持つ歯科医師が集まっていますので、ワンストップでさまざまなお悩みに対応することができ、地域の病院や歯科クリニックとの連携もしっかりと取ることができます。また小児科や耳鼻咽喉科、産婦人科などとの医科歯科連携にも力を入れ、多角的な視点で予防歯科にも取り組むことができていますね。また、運営の視点でお話しすると、2院あると管理者も2人必要ですのでマネジメントコストがかかりますが、1つであればより効率良く動けますので、働く側にとってもメリットは大きいです。
患者だけでなくスタッフのWell-Beingも重視
スタッフ一丸となってクリニックを運営するために、どんな工夫をされていますか?
患者さんはもちろん、働くスタッフにとってのWell-Being(肉体的にも精神的にも社会的にも満たされた状態)も大事にしたいと思っています。クリニックが成長していくためには、それを支える人材が一生懸命に自己研鑽をして、変革を楽しめなければ実現しません。当院ではそういった意識を共有できるように、月に1度、診療日をミーティングの日にあてています。コンサルタントも招いて行うそのミーティングでは、症例研究やプロジェクトマニュアルの制作、職場環境改善のための5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の進捗確認などを行います。歯科医師、歯科衛生士、受付スタッフ、アシスタントなどにそれぞれリーダーを配置し、自分の仕事を理解し、自分で決めることを習慣化できる人材の育成に努めています。
スタッフ全員の意識の向上や意志の統一がもたらすものは大きいようですね。
そうですね。どんな人でも最初は何もわからないので人に頼るのは当たり前です。でも、経験や知識を積むことで「人に決めてもらう」から「自分で決める」に変化し、さらには自立した者同士で高め合うことができるようになれば、仕事への意識が格段に高まります。患者さんの病気をどうしたら治療できるか、未然に防ぐためにはどうすべきかを考えて自らで動く。その流れを習慣化することで、一人ひとりが医療人として成長できれば、組織としてももっと社会に貢献できるはずです。そういった考えを持つスタッフをどんどん増やしていきたいです。そして将来的には院内だけに収まらず、他の診療科や他分野の人たちとも協働できるようになり、医療の現場から社会全体を良くするような一つの波紋を起こせたらいいですね。
教育体制を整えることで、患者さんへの接し方にも変化がありましたか?
コミュニケーションスキルが向上しますね。治療技術はもちろんですが、それ以上に大事なものだと思っています。私自身は、経営者としてスタッフに接する時も、歯科医師として患者さんに関わる時も、コーチングを取り入れています。コーチングの基本は自己決定です。誰かに命令されて起こしたアクションと、自分の意思で起こしたアクションでは結果がまったく違います。例えば、歯周病の人の場合、良い治療後を望むならタバコをやめたほうがいいのですが、強制はしません。やめるかどうかはご本人次第。大切なのは、その方にとって一番重要なことが何かを考えることです。患者さんの頭の中の整理を手伝って、ご自身が気づいていないプライオリティーを見つめ直すきっかけづくりをしたいと思っています。
患者の意思を最優先し、より良い治療を提案
診療のモットーをお聞かせください。
お急ぎの方にはたいへん申し訳ないのですが、当院では初診の際にいきなり治療は行いません。それはしっかりとしたカウンセリングを行う必要があるからです。まずは診察や検査をしてリスク評価や治療計画を立案してから、患者さんに丁寧にご説明し、すべて納得していただいた上で治療やメンテナンスを行います。これは世界基準の予防歯科システム「メディカルトリートメントモデル」で、当院ではこれに忠実に診療を行っています。現在、予防歯科は広く浸透し、皆さんの意識も上がってきています。当院としてはただ治療するだけではなく、将来へ向けた持続可能性も考えながら全体の診療の流れをご提案しますが、最終的な決定は患者さんご自身でしていただき、患者さんにとってより良い治療やメンテナンスを実践しています。
今後力を入れたいことは何でしょうか?
やはり医療連携、特に医科歯科連携ですね。口の中の健康は体のさまざまな器官とつながり、影響し合っていますので、他の診療科との連携は欠かせません。ただ小さな歯科クリニックではなかなか実践できない部分でもあります。当院は1.5次医療機関としての設備やノウハウがありますので、今後はもっとリーダーシップを発揮していきたいです。また、当院は審美歯科も積極的に行っています。自由診療ではありますが、患者さんにとっての利点も大きく、選ぶ方も増えています。私たちがやるべきは、患者さんが意思決定をするための情報共有を、いかにわかりやすく適切に行うかです。そのため、言語情報だけでなく顕微鏡の画像を動画でご覧いただくなど、理解を深めていただくための工夫を重ねています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
お困り事がある方、通院している歯科医院に疑問がある方は、ぜひ一度ご相談ください。当院では患者さんに関する情報をすべてオープンにしていますので、自分の体のことは自分で決めたい方に向いています。歯科治療においては持続可能性を大事にしていますので、手早く安くという治療は行えません。費用は多少かかってもしっかりと長持ちする治療を丁寧に行いますので、安心してお越しいただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント手術/27万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正(大臼歯含めた全顎矯正・非抜歯)上下/96万2500円~、マウスピース型装置を用いた矯正(大臼歯含めた全顎矯正・非抜歯)片顎/51万7000円~、ホワイトニング/1万6500円~