糸井 健太郎 副院長の独自取材記事
歯科糸井医院
(港区/外苑前駅)
最終更新日:2023/09/28
外苑前駅から1分ほど歩くと「歯科糸井医院」の赤いリンゴの看板が目に入る。待合室には漫画がずらりと並び、診療室にはおもちゃやぬいぐるみが用意され、院内は和やかな雰囲気に包まれている。小児歯科を専門とする糸井健介院長はブラッシング指導など小児の予防歯科に注力、その息子である糸井健太郎副院長は小児矯正を得意とする。今回インタビューに応じてくれたのは、親しみやすい笑顔が印象的な健太郎副院長だ。「特技は、子どもたちとすぐに友達になることです」と話すその温かい人柄に惹かれて、長年にわたり通い続ける患者も多いという。生まれも育ちも外苑前という健太郎副院長に、この地域に対する思いや同院の特徴について聞いた。
(取材日2023年7月12日)
長く地域に根差した、小児矯正に注力している歯科医院
ずっとこの外苑前の地で診療を続けてこられたのですね。
祖父の代から何十年間も、ずっとこのエリアで歯科医院を運営しています。現院長である父は小児歯科を、私は矯正歯科を専門としているのですが、患者さんの中には親子3代で通われている方もいらっしゃるんですよ。2歳くらいから小児歯科に通い始めて、成人になってからも矯正の定期検診に訪れるという患者さんもいらっしゃいます。現在は私が矯正歯科、中でも小児矯正をメインにしており、父はブラッシング指導など小児の予防歯科に注力しています。
先生が歯科医師になられたのは、やはり院長の影響が大きかったのでしょうか?
そうですね。小さい頃から父の姿を見ていて、自分も父のような歯科医師になりたいと思っていました。父の治療には一切の妥協がないんです。一人ひとりの患者さんに十分に時間をかけて、どんな状況でも完璧な治療をしようとする父を尊敬していました。今こうして父と一緒に働いていても、そんな父の診療スタイルは変わらないと思います。歯科医師になった当初から当院を継ぐつもりでいましたから、父の専門とする小児歯科と連携の取りやすい矯正歯科を専攻することにしました。もともと私は子どもが好きなので、子どもたちの矯正に携われる歯科医師になって良かったと感じます。なかなか歯磨きをしてくれないお子さんに悪戦苦闘することもありますが、そんな苦労も含めて今の仕事を楽しんでいます(笑)。
先生の目から見たこの街の印象を聞かせてください。
外苑前は私自身が生まれ育った場所でもあります。この辺りには競技場や球場、ラグビー場があり、昔からスポーツ観戦に訪れる人々でにぎわっています。私も学生時代からずっとラグビーをやっていたので、よく休日はラグビー観戦に行っていました。この街が昔から変わらない点は、都心なのに緑が多くて、穏やかな一面を持っているというところです。私は健康維持のために毎朝ウォーキングしているのですが、昼間はビジネスマンでにぎわっているこの街も、朝方は驚くほど人が少なくてとても気持ちがいいんですよ。渋谷や西麻布などいろいろな街へのアクセスも良いですし、暮らしやすい場所だと思います。当院の患者さんは紹介等で遠方からいらっしゃる方も多いですが、一本裏に入ると住宅街もありますので、長年通ってくださっている地元の方も多くいらっしゃいます。
子どもたちを温かく見守り、時に優しく時に厳しく
子どもたちを診る中で、現代人特有の悩みやトラブルが増えていると感じることはありますか?
昔と今とでは日本人の骨格が変わり、顔の小さい人が増えています。その分顎も小さくなっているので、限られたスペースに歯が並びきらず、歯並びの乱れにつながってしまうのですね。また環境や生活習慣等の変化によって、アレルギー体質の子どもが増えています。アレルギーになると鼻が詰まって、呼吸を確保するために口が常に開いた状態になりがちです。そうすると口周辺の筋肉が緩んで機能が低下し、歯が美しいアーチを描くことができなくなってしまうのです。このような悩みを抱えている患者さんには、口周辺の筋肉を強化するための口腔筋機能療法(MFT)も行っています。親御さんのデンタルIQは年々向上していますから、私たちもそれに応えられるだけの治療を提供していきたいと思います。
子どもの治療をスムーズに進めるためのコツを教えてください。
まずは子どもたちと「友達」になることです。信頼関係を築けなければ、なかなか治療はうまくいきません。治療を始める前には、子どもたちに「今日の給食は何だった?」「夏休みはどこかに行ったの?」などたわいもないことを聞いてコミュニケーションを取るようにしています。お子さんが4歳以上の場合、危ない動きをした時などは心を鬼にして叱ることもありますよ。私にも娘が2人おり、その小さい頃を思い出すといいますか、親心のような気持ちになるんです。4歳頃になるとお子さんの精神年齢も上がり、きちんと向き合えばわかってくれますからね。また、お子さんだけでなく親御さんとのコミュニケーションも大切にしています。特に矯正は時間がかかりますから、親御さんの理解と協力がなければ継続できません。治療の必要性を理解してもらい、私たちのことを信頼していただけるように努力しています。
こちらの歯科医院の特徴を教えてください。
うちは歴史が長いこともあり、都心のクリニックによくあるサロンのような雰囲気ではなく、木目調の温かい雰囲気の院内が特徴ですね。外観はれんが造りで、大きなリンゴがシンボルマークになっているので、子どもたちも覚えやすいと思います。エックス線室は無機質なイメージが強いですが、少しでも子どもが怖がらないように、壁一面に青空が描かれていてポップな雰囲気になっております。歯医者は緊張しがちな小さいお子さん連れでも安心してご通院ください。
親子で一緒に矯正を受けることも可能
親子で矯正を受けることもできるのだとか。
はい。最近は親子で矯正を受けられる方も増えています。成人の矯正はワイヤー矯正とマウスピース型装置を用いた矯正のどちらにも対応しています。微調整も可能で、幅広い症例や難しい症例に対応できるのがワイヤー矯正。対してマウスピース型装置を使った矯正は、目立ちにくいのと取り外せることが利点です。症状やライフスタイルを考慮しながらどちらが適しているかをしっかり見極め、その方に合った矯正方法を提案いたします。ただ私としては予測が立てやすく早くて仕上がりの良さが望めるのは、長年やっていることもあってかワイヤー矯正ですね(笑)。お子さんの矯正は成長発育を考えて、第1段階では生え替わる歯のために顎の土台を作り、全部大人の歯になった第2段階で、仕上げにワイヤー矯正かマウスピース型装置を使った矯正を行うような流れになります。
喜びを感じる瞬間はどのような時ですか?
小さい頃から通われているお子さんが反抗期に突入し、態度ががらりと変わって、私と全然しゃべってくれなくなってしまうことがあるんです。その期間は本当に大変なのですが、反抗期が終わると急に打ち解けて何でも話してくれるようになるんです。そんな子どもたちと、「君が反抗期の時は大変だったんだよ」なんてことを笑いながら話していると、わが子の成長を見ているような幸せな気分になりますね。
先生はスポーツ選手や部活動に励む方のサポートもされていると伺いました。
はい。ラグビーなど接触し合うスポーツの際に用いるマウスガードを作製しています。矯正器具の上から着けられるものもあるんですよ。歯をグッと食いしばることができるので、ケガの防止はもちろん、脳震盪のリスク軽減にもつながるといわれています。私もラグビー経験者なのですが、周りには歯で口の中が傷ついたり前歯を折ってしまったりする友人もいました。自分自身ラグビーをやってきたこともあってマウスガードの重要性を理解しているつもりですし、アドバイスもできることも多いと思います。矯正をしているしてないに関わらず、アスリートや部活動に励む方々がスポーツを安全に楽しめるよう、しっかりとしたマウスガードをお作りしたいと思っておりますので、ぜひご相談ください。
読者にメッセージをお願いします。
大きな看板を出していないのでちょっと見つけにくいかもしれませんが、れんが造りのビルで、父の代から使っている赤いリンゴの看板がシンボルマークです。当院では患者さんとの会話を大切にした、心の通った診療を心がけています。お子さんにも丁寧に説明し、重複しても親御さんにも説明することを意識しています。疑問や不安があれば何でもお聞かせください。矯正は長期間にわたるもの。矯正を終える日を楽しみに一緒に頑張っていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正(第一期)/33万円~、小児矯正(第二期)/44万円~、成人のワイヤー矯正/93万5000円~、成人のマウスピース型装置を使った矯正/110万円~、スポーツ用マウスガード(スポーツによっては料金が上下します)/3万3000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。