野村 知正 院長の独自取材記事
野村歯科医院
(港区/六本木駅)
最終更新日:2025/09/29

六本木のランドマークである複合商業施設を向かいに望む「野村歯科医院」は、2003年の開業以来、この地域で勤務するサラリーマンを中心に、多くの人の口の健康を守り続けてきた。院長の野村知正先生は、白い歯科用プラスチックの詰め物による「コンポレットレジン充填」を得意とし、健康面と審美面の両方を追求した治療を行っている。穏やかで優しい笑顔が印象的な野村先生。取材中、一つ一つの質問に丁寧に答えてくれる様子から、患者と接するときの真摯な姿が想像できた。都心の一等地にあることを忘れてしまうような穏やかさの中、太陽の光が燦々と降り注ぐ院内で、日々の診療についてや患者への思い、歯科医師をめざしたきっかけや趣味の話などたっぷりと語ってもらった。
(取材日2014年1月21日/情報更新日2025年9月17日)
働き世代も通いやすい、地域に根差したクリニックへ
ご開業以来、地域に寄り添い続けてこられたのですね。

おかげさまで開業してからは地域の方を中心にさまざまな患者さんにご来院いただきました。大人の方が中心ですが、特に働き世代の方は地域柄多く来てくださっている印象があります。駅からもそんなに離れていないですし、気軽に来ていただきたいですね。また、当院は患者さんはすべて私が担当しているので、なるべくお待たせしないようにというのと、ゆっくりと患者さんと診療に向き合えるように以前より完全予約制にしています。しかし、もし緊急の場合は当院まで一度お電話でご連絡をいただければと思います。また、院内は開業したときから大きな変化はありませんが、最近は少しリニューアルし、ユニットを新しく入れ替えました。
仕事で忙しい働き世代も通いやすくなるように何かしていることはありますか。
この街は忙しい人が多く、週に2、3回通院して一気に治してしまいたいという人や、不定期に通ってくる人もいらっしゃるので、できるだけ患者さんのライフスタイルに合わせて診療できるように体制を整えています。しかし予約を入れていても、急な会議や商談などが入り、直前にキャンセルしなくてはいけなかったり、やむを得ず無断キャンセルしてしまったりすると、どことなく気まずくて次はなかなか足が向かないかもしれませんが、気にしないで予約を取り直してくださいね。治療途中のまま放置しておくと、余計に悪くなって最終的に抜かなければいけない状態になることもありますので、ぜひ治療を続けていただきたいと思います。
診療の際に大切にしていることは何ですか?

バランスをとることですね。例えば、患者さんはブリッジを希望されるが本当は入れ歯にしたほうがいいといったように、必ずしも患者さんの要望と適切な治療方法が一致するとは限りません。技術的には問題なくても、治療した部分が長持ちしないと意味がありません。せっかく治療をしたのに、1年で駄目になってしまうような治療はしたくありませんから、私の考えを述べさせていただいた上で、患者さんの希望にできるだけ近づけるようにいくつかの案を提案させていただくようにしています。患者さんの希望と治療の現実の折り合いをつけ、納得した上で進めていくことが大切なことですね。説明はわかりやすく、治療するところが多い人には治療する歯の場所や治療期間の目安を紙に書いてお渡しするなど、安心して治療を受けてもらえるように質問しやすい環境を整えています。
小さく治療し見た目も美しいレジン充填がライフワーク
先生のお得意とされる分野は何ですか?

金属ではなく歯科用プラスティックを用いたレジン充填については、専門的に勉強してきたので知識は豊富だと自負しています。同じ治療をするにしても、省略をしてはいけない工程やある部分の手順を増やすことでより強く接着し長持ちするなど、数々の実験データをもとにさまざまなパターンを教わってきました。そういった経験があり材料の質まで精通しているからこそ、治療のポイントもしっかりと把握できています。これは専門として学んだ者の特権だと思いますね。レジンは天然の歯と同じ色の詰め物なので審美性にも優れている上、ミニマムインターベンションといって、虫歯を削る量を最小限に抑えて治療することが可能になります。
レジン充填の中でも、コンポジットレジンについて詳しく教えていただけますか。
コンポジットレジンは、歯科治療で詰め物やかぶせ物に使用する素材の一つです。白いプラスチック素材で、セラミック粒子と合成樹脂です。「コンポジットレジン」といっても実は、いくつかの種類があり、症状によって、保険診療になるか自費診療になるかが異なります。白い素材なので、天然の歯に近い色合いですので、銀歯と比べて自然な仕上がりになります。先ほど説明した削る範囲が少ないことや白く目立ちづらいことなどメリットも多いですが、割れやすいというデメリットもあります。割れるとそこから汚れが入り込んで虫歯になる可能性もあるので、力のかかる場所などには適していません。当院では、費用の面はもちろんですが、そういった使う素材、治療ごとのメリット、デメリットもきちんと説明するように心がけています。
レジン充填を行う中でこだわっているポイントはありますか?

皆さん貴重な時間を割いて治療に来てくださったわけですから、2年といわず5年、10年と使っていただけるようにしていきたいですね。そのためには予防も必要です。どんなに素晴らしい治療をしても、患者さんに意識をして歯磨きをしていただかないと、治療した歯がまた虫歯になってしまいます。本当は定期的にクリーニングに通っていただくのがよいのですが、お勤めの方の場合、時間をつくるのも難しいと思うので、歯を大切にするという意識を持っていただけるように働きかけていきたいです。
多くの患者が自信をもって笑顔を見せられるように
痛みの少ない治療にも力を入れているそうですね。

歯科の治療で最も気になるのは痛みだと思いますから、緊張されているように感じたときには「大丈夫ですよ」とお声がけをするようにしています。痛みを軽減させるためにはいろいろな方法がありますが、当院では、電動麻酔器によるできる限り痛みを抑えた治療を行っています。また、麻酔の液が冷たいと痛みを感じやすいので、液をあらかじめ人肌くらいに温めておき、細い針を使ってゆっくりと入れていきます。そうすることによって、個人差はありますが、針を刺す際にチクッとするだけで、痛みはほとんどないと思います。打たれたことがわからないと感じる方もいらっしゃるはずです。また、当院では、表面麻酔を行っています。
ところで、先生が歯科医師をめざしたきっかけや開業されるまでのご経歴についても教えてください。
手先を動かすことが好きだったので、細かい作業の多い歯科医師の仕事は自分に向いているのではないかと考え、歯学部に進学しました。絵や工作も好きだった僕を見て、母は絵描きにでもなりたいと言い出すのではないかと思っていたそうです。開業するまでは、歯科医師である叔父のクリニックに勤務しながら、東京医科歯科大学で、う蝕制御学レジン充填について学び、研究と臨床を同時進行していました。学生時代よりも卒業後のほうがやる気が出てきたというか、臨床経験や研究を重ねるにつれ、教科書を読み直して自分のやっていることと授業で教わったことを関連づけたりしていましたね。その後ご縁があり、地元でなじみのあるこの場所に開業しました。
最後にクリニックの今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

治療をしているとまだまだ疑問が出てくることもありますから、それを一つずつ解明していきたいです。歯科医師会でも講義があるので、そういった会にも積極的に参加し新しい知識を増やして、最新の治療を提供していきたいと考えています。歯科医師としての経験の中で、初めの頃はあまり見た目にも気を使わず笑顔も見えなかった患者さんが、歯をきれいにしていくとどんどん身に着けている洋服やアクセサリーが変化し、おしゃれになり笑顔も出てくるようになったことがあり、とても印象的でした。口元は見える部分なので、自信がなければ自然に笑わなくなってしまいます。これからも多くの患者さんが、自信を持って笑顔を笑顔を見せられるようにお手伝いしていければうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは詰め物/4万4000円~ 6万6000円、かぶせ物/6万6000円 ~ 9万9000円、セラミックを用いた治療/6万6000 ~ 9万9000円~、コンポジットレジン充填/2万円~、ホームホワイトニング(上下)2万2000円