中高生から始める意義と注意点
マウスピース型装置を用いた矯正
横浜フォルテ矯正歯科
(横浜市神奈川区/横浜駅)
最終更新日:2025/05/08


- 自由診療
目立ちにくく透明なデザイン、取り外し可能で食事や歯磨きが快適にできるなど、マウスピース型装置を用いた矯正には多くのメリットがある。一方で、装着時間を守らなければ計画どおりに進まないリスクがあるほか、すべての歯並びに適応するわけではない点にも注意が必要である。近年では、経験の浅い歯科医師によるトラブルも増加しているという。そのため、矯正専門の歯科医師が常駐するクリニックを選ぶことが重要である。矯正を専門とする「横浜フォルテ矯正歯科」では、高度な専門知識を持つ歯科医師が患者一人ひとりに適した診療を提供している。同院の鈴木剛史院長に、マウスピース型装置を用いた矯正のメリットと注意点について話を聞いた。
(取材日2025年1月22日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qどのタイミングで矯正を始めると良いでしょうか。
-
A
矯正を始める時期については、個々の骨格の成長具合を考慮することが大切です。特に中学生・高校生の場合、マウスピース型装置を用いた矯正を行うのであれば、成長のピークが過ぎてからの開始が無難です。マウスピース型装置を用いた矯正は顎の位置が変わらないことを前提にシミュレーションが作成されるため、成長途中で行うとシミュレーションと異なる結果になる可能性が高くなります。マウスピース型装置を用いた矯正は個人差がありますが、女の子は早くても中学生、男の子は高校生ぐらいから始めるのが理想的です。「早ければ早いほど良い」というわけではなく、成長を見守りながら、適切なタイミングで矯正を始めることが重要です。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正のメリットを教えてください。
-
A
マウスピース型装置を用いた矯正にはいくつかのメリットがあります。一つは、ワイヤー矯正に比べて見た目が透明で目立ちにくい点です。また、装置は着脱自在なので、食事や歯磨きの際はその都度外すことができます。装置に食べ物が挟まる心配がなく、虫歯や歯周病のリスクも少ないでしょう。さらに、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないことも特徴です。通院回数についても、ワイヤー矯正が月に1回の通院を要するのに対し、マウスピース型装置を用いた矯正は2〜3ヵ月に1回で済むため、忙しい世代にも適しているといえるでしょう。これらの点から、マウスピース型装置を用いた矯正は非常に魅力的な選択肢だと考えています。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正のデメリットも教えてください。
-
A
食事以外の時間、装置や顎間(がっかん)ゴムを常時装着する必要がありますが、継続できないと計画どおりに進みません。特に中高生の場合、親が管理することが難しく、本人のモチベーションが低いと装置をつける時間が短くなりがち。結果矯正がうまく進まず、ワイヤー矯正に切り替えるケースも。また、すべての歯並びがマウスピース型装置で対応できるわけではありません。抜歯後のスペースが大きい場合など適さない症例もあり、無理にマウスピース型装置で矯正を行うと、思うような結果が得られないことも。適切な矯正法を選ぶためには、ワイヤー矯正とマウスピース型装置を用いた矯正の両方の経験が豊富な歯科医師による慎重な判断が必要です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
-
カウンセリングには約1時間かけ、患者の希望や気になっている箇所を丁寧に聞く。同院の特徴として、カウンセラーに任せず、必ず歯科医師が行う。マウスピース型装置を用いた矯正が適しているか、装着時間を守れるか、抜歯の有無、矯正にかかる期間や費用についても詳しく説明する。
- 2精密検査
-
次に精密検査を行う。同院では先進機器を使って負担の少ない検査を実施。詳しい口腔内診査の後、口腔内スキャナーで歯型を採ってデジタル3D模型を製作。側面頭部エックス線規格写真で骨格や歯の傾きを分析し、顔写真も撮影して顔や顎のバランスを確認する。さらに、必要に応じて歯科用CTを使用し、3次元的な分析を行う。
- 3矯正計画の提案
-
精密検査で得られたデータを詳細に分析し、審美性と機能性の両面を考慮した患者に適した矯正計画を立案。見た目の美しさだけでなく、数十年先の健康まで見据えて、歯並びと噛み合わせの改善を図る内容となっている。患者が安心して矯正に臨めるよう、カウンセリング同様、歯科医師が説明を行う。
- 4矯正開始
-
矯正を始めて終わるのには約2年かかるが、10代のうちは歯が動きやすいため、期間の短縮も期待できるという。マウスピース型装置は1日20時間以上装着し、1~2週間ごとに歯の動きに合わせた新しいマウスピース型装置に交換。通院は2~3ヵ月に1回の頻度なので、勉強や部活で忙しい世代にとっては大きなメリットだろう。ただ、計画どおりに矯正を進めるには、1日の装着時間を守らねばならず、自己管理が重要となる。
- 5矯正完了後は、後戻りを防ぐための「保定期間」へ
-
保定期間は約3年。歯を並べるための装置を使用後、保定のためのマウスピースを使用する必要がある。ただし、保定装置の装着時間は1年目が1日20時間、2年目は12時間、3年目は8時間と、徐々に短くなる。通院も保定期間は半年に1回で、矯正期間と同じく負担が少ないのも特徴。とはいえ保定を含めると期間が長期に及ぶため、子どもが時間どおりの使用を本当に続けられるか否か、始める段階での確認と判断が重要となる。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/71万5000円~、表側矯正(ワイヤー矯正)/88万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。