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扇谷 浩文 院長の独自取材記事

おおぎや整形外科

(横浜市青葉区/藤が丘駅)

最終更新日:2020/04/01

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藤が丘駅から徒歩3分。扇谷浩文院長が目の前の昭和大学藤が丘リハビリテーション病院を経て「おおぎや整形外科」を開院したのは、2011年11月のことだ。先天性股関節脱臼の治療を得意とする扇谷院長の腕を頼りに多くの子どもの患者が訪れるほか、高齢化が進む地域色を反映して年配の患者も多い。一人ひとりの患者としっかり正面から向き合ってじっくり話を聞く診療スタイルが、幅広い年代から支持される理由のひとつだろう。栄養指導や新たな運動機器を取り入れた痛みへの多角的なアプローチや、内科的な要因を併せ持つ患者も救いたいと開始した土曜日の内科診療など、新しいものを積極的に取り入れ続ける姿勢も印象的だ。経験に裏打ちされた技術と人間味で、地域の人々に愛され続けるドクターの魅力に迫った。
(取材日2016年5月19日)

移転を機に理学療法士の活動スペースを拡充

昨年11月に移転されたそうですね。

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向かい側のビルの1階から、2015年11月に移転しました。移転の一番の目的は、やはりスペースの確保ですね。患者さんからは理学療法のニーズが多いのですが、以前の場所では理学療法士を4名配置するので限界でした。移転後は、産休から復帰する理学療法士を含めて6名の活動スペースを確保できています。さらに、足の痛みを軽減するインソールを制作する部屋を設けたほか、開業時から行ってきた栄養指導をプライベートな空間で行えるよう独立した部屋を作りました。何らかの痛みを訴えて来院される方の中には体重管理が必要な方も多く、ご提案をして受け入れてくださった方には栄養指導を行っています。厳しい食事制限ではなく、食べる順序や食べ方、できるだけ取り入れたい食材などを指導するだけで、17キロ痩せた人もいるんですよ。

開業前は、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院にいらしたと伺いました。

目の前にある昭和大学藤が丘リハビリテーション病院に勤めていました。定年間近になって身の振り方を考えたとき、僕が診ていた患者さんが困るだろうと思ったんです。そこで開業を決めました。古巣の大学病院と至近距離に開業したのは、患者さんから「東に来てくれ」「西に来てくれ」という声をたくさんいただいたから。ありがたいことですが、誰かひとりの近くに行くよりは今までと同じ場所にいるのが平等でいいだろうと思ってここに決めました(笑)。大学病院では先天性股関節脱臼の治療や手術を行っていたので、開業当初は二十歳以下の患者さんが二割を占めていたのですが、地域の高齢化に伴って年配の患者さんが増えてきました。とは言え他院よりはお子さんが多いので、キッズスペースや授乳室なども設置しています。

やはり高齢化が進んでいますか。

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総合的に子どもの数が減ってきていると感じます。手術後のフォローを行っていた子どもたちも成長してだいぶ症状が良くなり、来院までの期間が長くなったこともあるかもしれません。お子さんに関しては、2016年から全国の小中学生の健康診断に「運動器検診」が導入されました。床にかかとをつけたまましゃがめるか、片足でどれくらい立っていられるかといった検査から「運動過多」「運動過少」の早期発見・早期対策につなげようというものです。ここでピックアップされたお子さんは小児科を受診するので、その中で整形外科の症状を疑うものがあれば紹介を受けられるよう、地域の小児科医と連携体制を構築しています。

効果があると判断すれば、積極的に新しい機器も導入

移転と同時に、新しい機器を導入されたそうですね。

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後輩が導入したと聞いて見に行き、効果を実感できたので「加速度トレーニングマシン」を導入しました。重りなどは何も持たずにプレートの上に立つだけで、体に振動を伝えて筋肉を刺激し、トレーニング効果を与える機械です。筋力の衰えを感じ始めた中高年の患者さんからスポーツをしている方まで、患者さんそれぞれのレベルに合わせて筋力強化できるのが利点ですね。ストレッチやリラクゼーションの効果も期待できます。あわせて、小さいお子さんの診察・治療がスムースに行えるようにする機械を入れました。A4サイズのポータブルテレビのようなもので、赤ちゃんの気を引く音や幼児の好きなアニメがたくさん入っています。注射をするときなどは、これで気を反らしておいてチクッとやってしまうので、お子さんも楽なようですよ。

小児の治療ができる整形外科医は少ないと聞いたのですが。

僕が医師になりたての頃はほとんどの教授が先天性股関節脱臼について深い知識を持っていましたが、脱臼の子どもが少なくなるに連れて、子どもの疾患を診られる整形外科医も減ってきています。私は股関節の治療が専門なので、大学病院では関節鏡という股関節にカメラを入れて行う治療や骨を切る手術や、子どもの脱臼の治療を行っていました。そのため、全国的に小児整形外科が少ないという背景もあって、開院当初は小児の症状を診られる医師を探して僕のところにたどり着いたり、紹介でいらしたりする患者さんが多かったんです。前述したようにお子さんの数は減ってきていますが、それでも他院よりは多いのではないでしょうか。待ち時間を少しでも快適に過ごしていただけるよう、キッズスペースや授乳室も完備しています。

後進の育成にも取り組んでおられるとか。

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月に一回は昭和大学藤が丘病院で外来を行っていますが、後輩を育てるためにも、少しずつ手術の手伝いなどの回数を減らしています。その分、週に1回は当院に大学の後輩を招き、2診制で診療を行うようにしました。患者さんの待ち時間を減らしたいという思いもあってのことですが、小児整形の十分な知識がある意欲的な医師なので、現場で小児の勉強ができると喜んでくれています。私がずっと診てきた患者さんや、どうしても私に診てほしいと言ってくださる患者さん以外は彼に診てもらうようにしたところ、かなりスムーズに診療が進むようになりました。

患者さんに背を向けず、向き合ってしっかり話を聞く

先生が医師をめざした理由を教えてください。

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父が整形外科医で、僕が3歳のときに開業したため、医療の現場を見て育ちました。周囲から父はとても患者さんに慕われていたと聞いていたので、僕もそうなりたいと早くから医師の道を志しました。子どもが好きなので小児外科も考えましたが、整形外科を選んだのはやはり父の影響だと思います。外科医になった兄から、疾患が比較的限定される小児外科より、整形外科であれば幅広い症状を診ることができるとアドバイスを受けたことも理由のひとつです。僕には恩師が二人いますが、一人が股関節手術を得意とする先生、もう一人が小児を得意とする先生だったので、それぞれの良いところを受け継いで今日の僕がいると思っています。

診療のモットーをお聞かせいただけますか?

患者さんに背を向けず、しっかり時間をかけてお話を聞くことですね。電子カルテも入力はスタッフに任せ、僕自身は患者さんと向き合ってお話をすることに集中します。医師に痛いと言ったが無視された、話を聞いてもらえなかった、という経験をお持ちの方は少なくないので、同じ思いをさせないようにしたいんです。複数の病院で原因不明と言われていらした患者さんに対するときも、探求心に火がついていつも以上に力が入りますね。診断の8割は患者さんとの会話の中から病気の目星をつけるために使い、あとの2割は診察で確定するようにしています。勤務医時代には、1日の診察時間が合計4時間という最高記録を持つ患者さんがいらっしゃいました。何度も同じ質問を繰り返しているのを聞いていた別の患者さんが、「あんただけの先生じゃないんだ!」と怒ったこともありましたよ(笑)。

会話を大事にされているのですね。最後に、患者さんへメッセージをお願いします。

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一人ひとりにできるだけ時間をかけて診療するスタイルを支持してくださる方も多いので、今後も方針を変えずにやっていきたいと思う反面、待ち時間を減らしたいとも思っています。待ちたくないのはお互い様なので、患者さん同士、そして患者さんと私たちとの協力によって、より円滑な診療体制を築いていけるといいですね。患者さんには、できるだけ診察前に要点をまとめておいていただけると非常に助かります。また、内科的な要因を抱えながらもなかなか病院へ行かない、行けない方の受け皿として、土曜日の内科診療も開始しました。時間のない方や通院に苦労がある方にうまく活用していただき、地域の方の幅広い悩みに応えていきたいと思います。

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