藤澤 將人 院長の独自取材記事
目白ヶ丘デンタルクリニック・矯正歯科
(新宿区/目白駅)
最終更新日:2025/06/24

目白駅から徒歩4分の場所にある「目白ヶ丘デンタルクリニック・矯正歯科」。矯正と歯周病を専門とする藤澤將人院長が、父である藤澤幸三郎理事長とともに2012年に開業したクリニックだ。「生まれた時から定期メンテナンスを受けてほしい」と話す藤澤院長。口腔内のチェック、クリーニング、予防歯科、各治療、そのすべてがメンテナンスと考えているという。検査にも力を入れ、口腔内写真とエックス線の撮影を規格に沿って行っている。「クリニックは口腔内の状態をチェックする場所」だと語る藤澤院長に、定期メンテナンスの大切さや矯正と歯周病の関連性について話を聞いた。
(取材日2025年2月28日)
定期メンテナンスと豊富な記録で口腔内を適切に把握
こちらでの「メンテナンス」について教えてください。

メンテナンスのチェック項目は多岐にわたります。まず歯の表面や歯肉を確認して、虫歯・歯周病がないかを調べます。人間ドックで血圧や血糖値の記録を追って異常を見つけるように、歯科でも記録を追うことで口腔内の変化を確認できるのです。歯周ポケットの深さ、歯の揺れや汚れの度合い、成長期のお子さんならば顎や筋肉の発育チェックも大切ですね。確認が一通り終わったら、専門的なクリーニングでバイオフィルム(プラーク)や歯石を除去して仕上げ磨きをします。最後にこれまでの状態との比較を行い、悪い部分があれば治療します。当院ではチェック・予防・治療、この一連の内容すべてを「メンテナンス」としています。
検査にも力を入れているそうですね。
きちんとした検査は口腔内の正しい把握と、環境を整えた上での治療につながります。そして長持ちする歯をめざせるのです。ですから当院では、まず検査とその結果に基づいた治療計画の説明を行います。検査内容は口腔内のチェック、写真やエックス線の撮影、出血の有無、唾液検査などです。歯科は医科と違い数値だけでは結果を表せられないので、画像もしっかりと残すことを大切にしています。検査後は歯科衛生士による口腔衛生指導やクリーニングを実施。次に治療内容をご説明し、患者さんにご理解していただけたら治療を始めます。治療開始まで3~4回ほどアポイントの必要がありますが、歯を守るために妥協はできません。ちなみに検査は初診時・治療後・その後のメンテナンス時とこまめに行っています。記録が多いと比較ができ、現状のより正しい把握につなげられるからです。もし引越しなどを理由に他院へ行く場合も役立つでしょう。
子どもの頃からクリニックに来てもらうことを大切にしてるそうですね。

ええ。スウェーデンでは国のバックアップにより、子どもの頃から定期的にクリニックに通うシステムができています。歯への意識が一般社会に深く浸透しているんですよ。またスウェーデンの多くの人にとって、クリニックとは予防のために日常的に通う場所。こうした積み重ねで、お菓子を食べる習慣があっても虫歯ができにくい口腔内環境になっているとのこと。口腔内にはさまざまな菌がいて、そのバランスは3歳くらいで決まるといわれています。生まれた時からクリニックが身近にある習慣や、クリニックは「痛みが生じてから行く場所」ではなく「良い口腔内を保つためにケアをする場所」という認識は、日本も見習うべきところが多いでしょう。
顎の発育をチェックする「0歳からの歯科」
歯の喪失の予防には歯列矯正も有用だと聞きました。

近年では日本人が歯を失う理由のうち4割が歯周病、3割が虫歯、2割が歯の破折だといわれています。歯周病や虫歯になる原因はさまざまですが、歯並びや噛み合わせとの関連性は無視できません。歯並びは歯磨きのしやすさに影響するからです。歯並びがガタガタでもきちんと磨ければ問題ないのですが、スピーディーに終わらせるのは難しいでしょう。また噛み合わせは歯にかかる力に影響します。必要以上に力が入ることで、歯にヒビが入ったり歯が揺れたりという不具合につながり、結果的に虫歯や歯周病、最悪の場合は歯の破折・喪失につながる可能性もあるのです。そうした理由から、歯列矯正により噛み合わせを正すことが間接的に歯周病・虫歯予防になると考えています。姿勢や顎の発育が歯並びにも影響しますので、当院では小児歯科や矯正歯科にも積極的に取り組んでいます。
子どものうちから歯や顎を整えることも重視されているのですね。
口腔内環境は幼い頃に決まるといわれています。ですからぜひ、お母さんには妊娠中から定期的に受診してもらい、子どもの虫歯予防や食育の話を聞いていただきたいです。お子さんが生まれたら、お口の変化を見逃さないためにも0歳のうちから連れて来てください。乳児の抱き方や哺乳瓶の選び方でも顎の成長は変化しますし、歯がなくても顎を成長させるための筋肉は日々成長しており、唇や舌の使い方、姿勢、食事の取り方、靴の選び方なども成長期の歯並びに関わるからです。お子さんの将来を見据えた指導をさせていただきます。大人になってからも、虫歯・歯周病・歯並びに悩まないために頼っていただけたらうれしいです。
院内の設備からも、小さな子どもと一緒に受診しやすい体制の整備に注力していると感じます。

親御さんの中には「赤ちゃんと一緒だと泣いてしまうのが心配で、子連れで受診をしにくい」という理由から、しばらく診療を受けられていない方もいらっしゃるでしょう。子ども、特に赤ちゃんは泣くことが仕事の一つですので、遠慮なさらず連れて来てください。そのために診察室内にはベビーチェアをご用意してあります。待合室にはキッズスペースを設け、ご希望に応じてスタッフがお子さんと一緒に遊べるようにもしました。また私自身に子どもがいるため、妊婦さんや子育て中の親御さんの大変さを理解、そして共感した上での説明や提案が可能です。親の口腔内の状態は、子どもの口腔内の状態に影響を与えるといわれています。さらに子どものうちから正しい歯の守り方を知ることや、早期の予防によりクリニックでの痛い思いをせずに済む人生は、親からのプレゼントではないでしょうか。ぜひ気軽にいらしてください。
総合的かつ高水準な診療をめざし、今も研鑽を続ける
難易度の高い治療への取り組みについてもお聞かせください。

一言で歯科といっても、矯正・歯内療法・補綴・歯周外科・インプラントなど専門性の高い分野もあります。私は矯正と歯周病を専門としていますが、患者さんの症状によっては連携している専門の歯科医師や歯科技工士とともに治療を進めます。例えば歯内療法で膿や神経を取る場合、口腔粘膜にがんの兆候などがあれば信頼できる先生をご紹介。しかしたとえ紹介できる先生がいても、私が悪いものを見つけられなければ元も子もありません。そのため、違和感を見つけるための目も鍛えています。さまざまな症状について広く深く知っている必要があるので、当院では月に1回専門家や有志の先生方と勉強会を行っています。私自身、歯科の知識について学ぶことが好きですので、これからも患者さんの健康のために研鑽を続けていきたいです。
歯ぎしりと頭痛の関連性について教えてください。
強く噛みしめるには側頭部や頬、顎関節、肩、背中の筋肉を総動員しています。瞬間的には80~100キロの力が顎にかかるともいわれています。在宅勤務での長時間の悪い姿勢や外出できないストレスで歯ぎしりが悪化し、筋肉が炎症を起こしているようです。前述の部位を指で押して痛みがあるようであればマッサージやストレッチ、マウスピースの着用などで改善につながるでしょう。歯並びのせいで噛み合わせがずれている場合、矯正治療で根治を図るのも利点が多いです。頭痛の場合、脳の問題を心配する方もいますが、実は歯科で対応ができる場合もあるのです。
院長先生が歯科医師をめざした理由は何でしょうか?

学生時代の歯列矯正の経験が大きいですね。父である理事長が行ってくれた矯正治療をきっかけに、歯の大切さを実感し歯科医師をめざしました。大学入学前は父のように一般歯科と矯正、どちらも診療するのが一般的だと思っていましたが入学後にそうではないと知りました。矯正は授業で学ぶのではなく卒業後に専門課程として学ぶもの、そして矯正専門の歯科医師は一般診療を行わないケースが多かったのです。しかし私は「歯並びも虫歯も治せる歯医者さん」をめざしていたので、大学病院の矯正歯科で研鑽を積みながらセミナーに通い、一般歯科の知識も深めてきました。虫歯も歯周病も突き詰めるととても奥が深く、歯科について学ぶのはとても楽しいのです。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/10万円~、クリーニング/5000円~、インプラント/30万円~、セラミックの詰め物/7万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。