藤澤 將人 院長の独自取材記事
目白ヶ丘デンタルクリニック・矯正歯科
(新宿区/目白駅)
最終更新日:2022/12/22
目白駅から歩いて4分の場所にある「目白ヶ丘デンタルクリニック・矯正歯科」。矯正と歯周病を専門とする藤澤將人院長が、父である藤澤幸三郎理事長とともに2012年に開業したクリニックだ。「生まれた時から定期的に歯科医院でメンテナンスを受けてほしい」と話す藤澤院長。歯肉や歯のチェック、クリーニングと予防、必要があれば悪い部分の治療、そのすべてがメンテナンスと考えて提供している。検査にも力を入れ、口腔内写真とレントゲンの撮影を規格に沿って行っている。「歯科医院は口腔内の状態をチェックする場所なのです」と語る藤澤院長に、定期チェックの大切さや矯正と歯周病の関連性について話を聞いた。
(取材日2021年2月24日/更新日2022年10月24日)
定期的なメンテナンスとデータで口腔内の状態を知る
こちらのクリニックでの「メンテナンス」について教えてください。
メンテナンスのチェック項目は多岐にわたります。まず歯の表面や歯肉を確認して、虫歯・歯周病がないかを調べます。人間ドックで血圧や血糖値の記録を追って異常を見つけるように、同じく歯科でも記録を追うことで口腔内の変化を確認できるのです。歯周ポケットの深さ、歯の揺れや汚れの度合い、成長期のお子さんならば顎や筋肉の発育チェックも大切ですね。確認が一通り終わったら、専門的なクリーニングでバイオフィルム(プラーク)や歯石を除去して仕上げ磨きをします。最後にこれまでの状態との比較を行い、悪い部分があれば治療します。当院においては、チェック・予防・治療、この一連の内容すべてを「メンテナンス」としています。
検査にも力を入れているそうですね。
きちんとした検査を行うことには意味があります。口腔内の状態を正しく把握し、環境を整えて治療に臨むためです。そうすることで歯が長持ちする治療につながります。当院では、まず検査とその結果に基づいた治療計画の説明を行います。検査の内容は口腔内のチェック、写真やエックス線の撮影、歯周ポケットの深さと出血の有無、唾液検査などです。その後、歯科衛生士による口腔衛生指導やクリーニングを実施し、患者さんには治療内容について説明の上、ご理解いただいて治療を行います。治療開始まで3~4回ほどアポイントの必要がありますが、患者さんの歯を守るために妥協はできません。また、初診時・治療後・その後のメンテナンス時ときちんと見比べられるデータがあることは、患者さんの未来の財産になります。患者さんが引越しなどで他院を受診する際にも役立ちます。
問題のない幼少期から歯科医院で経過観察をすることを大切にしてるそうですね。
スウェーデンでは国のバックアップにより、子どものうちから定期的に歯科医院に通うシステムができています。歯への意識が一般社会に深く浸透しており、大人も子どもも日常的にフッ素を取り入れています。スウェーデンの多くの人にとって、歯科医院とは予防のために日常的に通う場所なのです。その積み重ねで、甘いお菓子を食べる習慣があっても虫歯ができにくい口腔内環境になっているようです。口腔内にはさまざまな菌がいて、そのバランスは3歳くらいで決まるといわれています。生まれた時から歯科医院が身近にある習慣は、日本も見習うべきところが多いでしょう。
顎の発育をチェックする「0歳からの歯科」
歯の喪失の予防には歯列矯正も有用だと聞きました。なぜでしょうか?
近年では日本人が歯を失う理由のうち4割が歯周病、3割が虫歯、2割が歯の破折だといわれています。歯周病や虫歯になる原因はさまざまですが、歯並びや噛み合わせとの関連性も無視できません。歯並びは歯磨きのしやすさに影響します。歯並びがガタガタでもきちんと磨ければ問題ないのですが、スピーディーに終わらせるのは難しいですよね。噛み合わせは歯にかかる力に影響します。必要以上に力が入ることで、歯にヒビが入ったり歯が揺れたりという不具合につながり、結果的に虫歯や歯周病を引き起こし、最悪の場合には歯が折れて喪失につながる可能性もあります。そういった理由から、噛み合わせの矯正治療が間接的に歯周病や虫歯の予防になると思います。姿勢や顎の発育が歯並びにも影響しますので、当院では小児歯科や矯正歯科にも積極的に取り組んでいます。
子どものうちから歯や顎を整えることが大切なのですね。
口腔内の環境は幼い頃に決まるといわれています。お母さん自身が定期的にクリニックに通っていれば、赤ちゃんがおなかの中にいる時から子どもの虫歯予防や食育の話ができます。0歳からいらしていればお口の変化も見逃しません。乳児の抱き方や哺乳瓶の選び方でも顎の成長は変化しますし、歯がなくても顎を成長させるための筋肉は日々成長しています。唇や舌の使い方、姿勢、食事の取り方、靴の選び方なども成長期の歯並びに関わるため、患者さんの将来を見据えた指導に力を入れています。大人になってからも虫歯・歯周病・歯並びに悩まないように、当院を頼ってくれるとうれしいですね。歯科医院は「痛みや違和感が生じたから行く場所」ではなく「口腔内の状態をチェックし、良い状態に保つためのケアをする場所」なのです。
難易度の高い治療への取り組みについてもお聞かせください。
一言で歯科といっても、矯正・歯内療法・補綴・歯周外科・インプラントなど専門性の高い分野もあります。私は矯正と歯周病を専門としていますが、患者さんの症状によっては連携している専門の歯科医師や歯科技工士とともに治療を進めます。例えば歯内療法で膿や神経を取るケース、口腔粘膜にがんの兆候などがあれば、信頼できる先生を紹介します。しかし、いくら紹介できる先生がいるとはいえ、私が悪いものを見つけられなければ元も子もありません。そのため、検査結果や患者さんの症状から、違和感を見つけるための目も鍛えています。さまざまな症状について広く深く知っている必要があるので、当院で月に1回専門家や有志の先生方と勉強会を行っています。私自身、歯科の知識について学ぶことが好きですので、これからも患者さんの健康のために研鑽を続けていきたいですね。
こんな時だからこそ歯科受診を勧めたい
感染症が心配な方にこそ歯科受診を勧めたいとのことですが、なぜでしょうか。
新型コロナウイルスの影響で、歯科から足が遠のいている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、こういう状況だからこそ歯科を受診してほしいです。ストレスで口腔内のバランスが崩れている方も多いようですが、細菌が体内に入り誤嚥性肺炎を起こす恐れもあります。マスクをしていて口呼吸になるのも良くないですね。乾燥して細菌が増えますから、鼻呼吸を意識してください。歯科は唾液や血液を扱うため、もともと感染症対策に力を入れています。当院もこれまで以上に換気や消毒を徹底しているので安心してご来院ください。また、在宅勤務増加によるストレスからか歯ぎしりが原因の頭痛に悩む方も多いです。
歯ぎしりと頭痛の関連性について教えてください。
強く噛みしめるには、側頭部、頬、顎関節、肩、背中の筋肉を総動員しています。瞬間的には80〜100キロの力が顎にかかるともいわれています。在宅勤務で悪い姿勢で長時間いたり、外出できないストレスで歯ぎしりが悪化し、筋肉が炎症を起こしているようです。上記の部位を指で押して痛みがあるようであれば、マッサージやストレッチ、マウスピースの着用などで改善につながるでしょう。歯並びのせいで噛み合わせがズレている場合、矯正治療で根本的な解決をするのも利点が多いです。頭痛の場合、脳の問題を心配する方もいますが、実は歯科医院で対応ができる場合もあるのです。
親子で歯科医師をされていますが、院長先生が歯科医師をめざした理由は何でしょうか?
中学から高校にかけて自身の歯列矯正の経験が大きいですね。父である理事長が行ってくれた矯正治療をきっかけに、歯の大切さを実感し歯科医師をめざしました。大学に入る前、父のように一般診療と矯正のどちらも診療するのが一般的だと思っていましたが、入学後にそうではないと知りました。矯正は授業で学ぶのではなく卒業後に専門課程として学ぶもの、そして矯正専門の歯科医師は一般診療を行わないケースが多いこと。しかし私は「歯並びも虫歯も治せる歯医者さん」をめざしていたので、大学病院の矯正歯科で研鑽を積みながらセミナーに通い、一般診療の知識も深めてきました。虫歯も歯周病も突き詰めるととても奥が深く、歯科について学ぶのはとても楽しいのです。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/10万円~、クリーニング/5000円~、インプラント/30万円~、セラミックの詰め物/7万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。