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原井 一雄 院長の独自取材記事

原井デンタルオフィス

(世田谷区/三軒茶屋駅)

最終更新日:2024/10/17

原井一雄院長 原井デンタルオフィス main

三軒茶屋駅から徒歩8分の世田谷通り沿いにある「原井デンタルオフィス」。落ち着いた雰囲気の院内には、春夏秋冬を彩る写真パネルが飾られ、同院のシンボルカラーであるグリーンと白でまとめられたインテリア、温かみのある間接照明なども手伝って、ギャラリーを思わせるたたずまいとなっている。誠実に患者と向き合い、「生活のストーリー」に配慮した診療を大切にする原井一雄院長のもとには、地域住民のほか、近隣で働く外国人、都外遠方からの患者も訪れる。幅広い診療を行う中でも、特に歯周病治療に注力し、歯周病菌がもたらす全身への影響まで視野に入れた「全身の健康につながる歯科医療」の提供をめざす同院。抗加齢医学にも精通した原井院長に、診療への思いや口腔ケアの重要性などについて話を聞いた。

(取材日2024年7月11日)

歯周病治療を柱に口腔ケアを重視した診療に注力

こちらで注力されている歯科診療について教えてください。

原井一雄院長 原井デンタルオフィス1

当院では以前より口腔ケアを重要視して積極的に取り組んでいます。歯周病菌は全身に影響をもたらし、口腔から全身の健康につながる歯科診療を行うことが重要だと考えているからです。例えば、体内に入り込んだ歯周病菌は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などのリスクを高めていくと考えられています。さらに、近年の研究では大腸がんの組織に口腔内と同じ細菌がいることが報告されており、大腸がんの発生にも影響する可能性が指摘されています。腸内の細菌は免疫機能にも関わりますから、口腔内の環境をきれいに整えることが、免疫力アップにもつながるのではないかと期待されています。

歯周病治療にはどのように取り組まれていますか?

歯周病は初期段階では自覚症状に乏しい疾患ですが、最近は歯周病の認知度も高まり、出血や歯茎の腫れなどの比較的軽い症状から自ら歯周病を疑う方も増えてきました。当院ではそうした自覚症状を解消していくための処置だけでなく、特に発症リスクが高いと疑われる方や、すでに病状が進行している方に対して口腔内細菌を調べて細菌学的な状況を把握することもあります。具体的には、口腔内に歯周病菌がどのくらい存在するのか、除去すべき種類の歯周病菌が存在しているかなど、歯周病菌の割合や種類などを検証し、現状や将来のリスクなどを判定します。そうやって口腔内の細菌のバランスをコントロールしていくことこそが、歯周病対策の本質と考えています。特に全身疾患をお持ちの患者さんには、具体的な治療計画が必要です。近隣の内科の先生から患者さんの紹介を受けることもあり、医科歯科連携で取り組むテーマの一つになっています。

設備や機器のこだわりがあれば教えてください。

原井一雄院長 原井デンタルオフィス2

数年前に歯科用CTを導入し、歯周病の治療と診断、根管治療時の診断、親知らずの抜歯、インプラント治療などに活用しています。インプラント手術のシミュレーションシステムを同時に導入したことで、例えばインプラント治療の場合、歯科用CTで撮影した3次元画像を用いてどういうタイプのインプラントをどこに打つのが良いのかを適切にシミュレートできます。私は25年以上インプラント治療に携わってきましたが、術者の経験値にシミュレーションシステムが加わったことで、計画した場所に計画どおりの深さ・角度でインプラントを打つことがめざせるようになりました。それによって手術時間の短縮や安全性に配慮した手術につながります。また、CTでは3次元的に骨の吸収の状態がわかるので、歯周病の進行具合を判断するのにもたいへん役立ちます。

口腔から全身の健康にアプローチする歯科医療の実践を

こちらでは口腔内細菌だけでなく腸内細菌にも注目されているそうですね。

原井一雄院長 原井デンタルオフィス3

口腔内の歯周病菌が腸内に至り、腸内細菌叢のバランスが悪くなることで、いろいろな疾患を引き起こす可能性があることが報告されています。私は医科の勉強会や大きなシンポジウムなどにも参加していますが、そこでも口内細菌が注目され始めました。ここ最近、歯周病菌の一つであるFN(フソバクテリウム・ヌクレアタム)菌が、大腸がんの組織の中から見つかったという研究報告がありました。大腸がんと口腔環境が関連する可能性を示唆する報告といえるでしょう。当院では、すでに何年も前から口腔内細菌検査を推奨しているほかに、腸内細菌の状態も考慮するようにしています。

腸内細菌から何がわかるのですか?

腸内細菌の種類や多様性、量などから、疾患リスクを推量したり、食生活の改善や栄養指導の指標になったりします。歯科との関連では、近年は歯周病菌と腸内細菌の関連性が注目されています。当院では口腔から全身の健康へのアプローチをめざしており、口腔内と腸内の菌の状態が、体の健康状態を把握するための重要な鍵になるのではと考えています。使い古された言い方かもしれませんが「お口は全身の入り口」だという認識を持っていただき、自分の腸内細菌叢にもぜひ関心を持っていただきたいですね。

日々の診療で気になること、患者さんの意識の変化などことはありますか?

原井一雄院長 原井デンタルオフィス4

当院にはがん治療中の患者さんの来院も多いですね。手術前に、歯科医院へ行って口腔内のメンテナンスをするように医師から言われるようです。大きい病気の治療ほど、口腔ケアが重要視されるということだと思います。また、世代を問わず、歯の健康に対する関心が高くなってきた印象があります。以前は「我慢できない痛みや不快な症状がない限り、歯科医院には行かない」と口腔環境を悪化させてしまっている方が多かったのですが、口腔内のメンテナンスの大切さを認識され、定期的に通って来られる方が増えてきました。常々、患者さんには「虫歯の患部を削ってかぶせ物を作ることは簡単。大切なのは治療後の状態をその後いかに長持ちさせていくかということですよ」とお伝えしてきましたので、そのかいもあったかなと思っているところです。

医療の重要なベースであるコミュニケーションを大切に

先生が診療で大切にされていることを教えてください。

原井一雄院長 原井デンタルオフィス5

「医療の最も重要なベースはコミュニケーション」と考え、患者さんの話をとことん聞くよう心がけています。話をお聞きするうちに「できれば歯は抜きたくない」といった本音の部分を引き出せる可能性もあります。対話を重ねる中でその患者さんの年齢や治療歴、さらにはライフスタイルや性格までを考慮して、患者さんが本当に納得し安心して受けられる治療計画を提案したいと考えています。医学的に正しい治療法をベースにすることはもちろんですが、「患者さん一人ひとりにより適した形にどうカスタマイズしていくべきか」を考える過程において、患者さんとの十分なコミュニケーションはとても大切だと考えています。また、近隣の内科の先生方など、さまざまな分野のプロフェッショナルとの情報交換も積極的に行いながら、日々の診療に生かしています。

診療の傍ら、歯周病に関する研究発表などもなさっているそうですね。

はい。勤務医時代から歯周病菌検査やその診断方法などについて発表してきました。また、歯周病による骨の吸収量をデジタルエックス線で自動的に数値化できないかと、エックス線装置のメーカーと協力して研究し、その成果について発表したこともあります。歯周病を早期に発見し、軽症のうちに治療につなげるために、患者さんに負担の少ない検査で詳細なデータが得られるようになればと考えています。また、すでに出版されている歯科医師向け専門書では、共著者として歯周病と腸内細菌についての見解も述べています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

原井一雄院長 原井デンタルオフィス6

皆さんには歯科治療を特別視することなく、定期的に美容院に行くような感覚で気軽に相談に来ていただきたいですね。お口も体の健康とつながっていて、どちらかの健康が脅かされたら一方も悪くなってしまいます。また、私がめざす歯科医療の一番の目標は、一生おいしく食べられる状態を維持し、それによってより豊かな人生を送っていただくことです。人間の体は加齢に伴って変化を続けますが、口腔環境も同じです。どんなに熱心にケアをしても、10代と50代以上の方の口の中の状態は大きく異なります。そうした変化を受け止め、その中で大きなトラブルのない口腔環境を整えていくことが歯科医師の役割です。今後も患者さんの将来を見据え、一人ひとりの「生活のストーリー」を大切にした歯科医療を提供していきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

【インプラント治療】埋入/25万3000円~、上部構造/25万3000円~
口腔内細菌検査/1万6500円~

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