名村 大輔 院長の独自取材記事
ナムラ御殿山ガーデン歯科
(品川区/北品川駅)
最終更新日:2025/03/11

京急本線・北品川駅から徒歩5分、JR山手線・品川駅からシャトルバスで約2分という利便性の高い立地にある「御殿山ガーデン歯科」。診療室の大きな窓からは四季折々の都心の景色が一望でき、心が和らぐような空間が広がっている。院長を務める名村大輔先生は、患者が自分の歯で噛める喜びを何歳になっても感じられるよう、虫歯や歯周病の治療では歯を残すための努力を惜しまない。「高齢になっても自分の歯を維持し続けるのは難しいこと」という言葉は、継続することの大切さとやりがいを知る名村院長だからこそ説得力を持って響いてくる。インタビューでは、院内で導入した先進の機器の特徴や名村院長が掲げるモットーについてじっくりと話を聞いた。
(取材日2025年2月14日)
歯科医師として、患者の希望に寄り添う
長年こちらで診療を続けてきて、患者さんの年齢層や主訴に変化はありましたか?

開院当初は、昔からこの地域にお住まいの患者さんが多かったので、年齢層は比較的高めでした。今はお子さんが増えきている印象です。品川地区でマンションの建設が進み、共働きのファミリー層が転入してきていることが背景にあるのかもしれません。また、当院が入っている複合ビルや周辺のオフィスでお仕事をされている方が約半数を占めています。主訴についても、以前は歯の痛みでお困りの患者さんが治療に通われるケースが多かったのですが、現在は歯のクリーニングやメンテナンスを目的として通院する方の割合が高くなってきています。歯を長持ちさせることが全身の健康にも影響するという知識が浸透してきているのだと思います。
近年クリニックで導入されたCAD/CAMシステムについて教えてください。
CAD/CAMシステムでは、歯の詰め物やかぶせ物をコンピューター制御で設計・製作します。当院に導入した機器は、以前のバージョンよりも精度が高くなったため、自分のイメージが再現しやすく、ほとんど調整を必要としないことが特徴です。素材はセラミックやジルコニアを使用しますので、治療の材料に金属を使いたくない方に適しているといえるでしょう。歯の型採りを行う際に、従来は粘土状のものを口に入れて固まるのを待たなければなりませんでしたが、CAD/CAMシステムでは3D光学カメラで撮影しますので患者さんの苦痛を軽減できる点も大きなメリットです。また、院内のミリングマシンで詰め物やかぶせ物を製作するので、時間を大幅に短縮できるようになりました。
名村先生は「一生自分の歯で噛めるように」というモットーを掲げていらっしゃいますね。

誰しも「いつまでも自分の歯で噛みたい」という希望はあると思いますし、私もその思いに応えたいという強い気持ちがあります。口に出して言うことは簡単ですが、実現するのは非常に難しく、たくさんの努力が必要です。そこで「一緒に頑張りましょう」という思いをモットーに込めました。歯を残す一番の目的はストレスなく食事をするためです。人間が体を維持するためには、肉をはじめとするタンパク質を摂取することが不可欠ですし、食物繊維がある食物も噛めなければなりません。おいしく食事ができ、健康に楽しく生きるためには自分の歯を残すことが必要なのです。日頃から、歯を清掃することにしっかりと向き合い、3~4ヵ月に1度のペースで定期的に歯科に通院することで歯を失うリスクを大幅に減らすことが望めます。
生涯にわたって歯を残すために今できること
歯を失う原因にはどのようなものがあるのでしょうか?

一つは虫歯です。痛みがない初期の虫歯はすぐに治療すれば、さほど問題は起こらないのですが、痛みが出るような虫歯は神経まで到達している恐れがあります。「神経を取ってしまえば、それ以上痛くならないから平気」と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、痛みがない分虫歯が進行しても気づくのが遅れますし、歯が乾燥して割れやすくなってしまいます。そのため、できるだけ神経を残すような治療が重要なのです。また、詰め物が取れたまま放置するのも危険です。歯は表層のエナメル質は強いのですが、中の象牙質は弱いので露出させないために治療の際に詰め物やかぶせ物で覆っています。取れたものを処置しないまま放っておくと、象牙質が溶けてしまって最終的に歯を失うことになりかねません。
歯を残すために、他にはどのようなことに気をつけるべきでしょうか?
歯周病対策も重要ですね。虫歯がない人ほど「自分の歯は強いから大丈夫」と油断して、歯の定期検診を受けていないパターンが考えられます。歯磨きの際に出血したり、歯茎に腫れがあったりしても何の対策もせずに、歯がグラグラし始めてから歯科で診てみると、かなり歯周病が進んでいる可能性もあります。歯周病は細菌の感染で起こるので、細菌を取るために歯磨きのトレーニングや専門的なクリーニングが必要です。こちらが助けたくても助けられない状態になる前に対策をしていただきたいですね。それに、歯ぎしりや噛みしめがあって歯が割れてきてしまう方がいるので、噛む力についてもマウスピースを入れるなどしてコントロールしたほうが良いケースもあります。
早期発見・早期治療と毎日の歯磨きが大切なのですね。

生涯にわたり自分の歯を残すことは本当に難しいことです。見た目を気にする傾向から、前歯の治療は一生懸命になっても「奥歯はなくなってもしょうがないかな」と思う方がいるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。というのも、奥歯を失うと他の歯まで急速に失われていってしまうのです。永久歯は親知らずを除くと全部で28本あるので、上下の歯が14本ずつでみこしを担いでいるイメージだと理解しやすいでしょうか。奥歯は力士のようにパワーがありますが、前歯は子どものように力が弱いのです。大きな力士が倒れてしまったら、子どもだけでみこしを担ぐのが苦しくなり、最後にはみんなバタバタと倒れてしまいかねません。奥歯は磨きづらい箇所でもあるので、日頃のセルフケアと定期的なメンテナンスが重要です。
目標があるからこそ継続できる
継続して歯科に通院できるように工夫していることはありますか?

患者さんが前向きになれるような言葉がけをするようにしています。例えば「とても調子が良い状態が保てていますよ」「歯磨きが上達しましたね」といったように、患者さんに継続することの素晴らしさを感じていただけるような言葉を選んでいます。改善すべき点があれば「次回までに直していきましょう」と少しずつお伝えするようにしています。これは私だけでなく、歯科衛生士たちも大切にしていることです。たとえ歯の状態が悪化してから来院した患者さんであっても「つらい中でも、よく来られましたね」と言うところからスタートします。怖い気持ちがありながらも、せっかく勇気を出して来院してくださった患者さんに厳しい言葉をかけても意味がありませんからね。
小学生の頃からバイオリンを演奏されているそうですね。
今でも忙しい合間を縫って月に3回ほどレッスンに行っていますし、地元の歯科医師会や歯科医師が集まる勉強会のイベントでバイオリンを弾く機会もあります。ここまで続けてこられたのは「この曲を弾きたい」「こういう演奏ができるようになりたい」という思いがあるからです。子どもの習い事も同じで、親が「やりなさい」と言えば最初はやるかもしれませんが、自分が「こうなりたい」という目標がないと継続するのは難しいですよね。ちなみに、今の目標にしている曲は19世紀に活躍したロシア人作曲家によるバイオリンコンチェルトです。滑らかに弾くためにはもっと技術力を上げなくてはと思っているところです。継続する大切さは、歯科医師という仕事や歯の健康を守ることにも共通しているのではないでしょうか。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

自分の歯を残して、自分の歯で食べられることは素晴らしいことですし、豊かな人生を送ることにもつながります。一方で、その目標を達成することは容易ではありません。だからこそ、患者さんと歯科医師がともに努力する必要があるのです。日頃の診療では、患者さんが治療に対してどのような考えをお持ちなのか、詳しい検査を希望するのかなど、患者さんの思いを丁寧にヒアリングするよう心がけています。また、これまで歯科医院に行きづらくて歯にトラブルを抱えているという方も一度ぜひ当院に足を運んでいただきたいですね。過去を変えることはできませんが、未来の自分のために「これから一緒に頑張っていきましょう」という思いで診療を行っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック製の詰め物/セラミックインレー:6万6000円程度、ジルコニア製の詰め物/6万6000円~、ジルコニア製のかぶせ物/13万2000円~