金森 行泰 理事長の独自取材記事
かなもり歯科クリニック
(品川区/新馬場駅)
最終更新日:2024/12/19

京急本線・新馬場駅からすぐの交通至便な場所にある「かなもり歯科クリニック」。2010年の開業以来、精度の高い治療、口腔内全体を診る総合治療を追求し続けているクリニックだ。診療を行うのは、日本歯周病学会歯周病専門医としての技術と豊富な経験を持ち、歯周病の外科的治療などの難症例にも取り組んできた金森行泰理事長。矯正歯科専門の歯科医師やメンテナンス専門の歯科衛生士など、専門性を極めたスタッフたちとチーム医療を実践している。「満足の一歩先へ」という同院の理念からも、技術と設備や機器、ホスピタリティーのすべてにおいてレベルの高い診療をめざす金森理事長の姿勢がうかがえる。専門の歯周病治療や総合的な歯科治療、スタッフが常に研鑽を積める環境づくりなど、同院の特徴や診療方針について金森理事長に話を聞いた。
(取材日2024年9月20日)
専門の歯周病治療を軸に地域密着で幅広く診療
とてもゆったりとした居心地の良い歯科医院ですね。

歯科医院は皆さんにとって「できれば行きたくない場所」だと思うので、なるべく抵抗感なく来院いただける雰囲気にしたいと思ったんです。院内のにおいに気を使ってアロマを用いたり、殺風景にならないようエックス線検査室の小窓を当院のロゴの形にしたり、そうした小さな工夫も心がけました。また診療室は完全個室と半個室にして、プライバシーに配慮しました。実は私、新馬場と同じ京急線沿線の平和島出身で、この辺りはとてもなじみがあるので、そんな町で開業できたことは本当にうれしいです。
先生は歯周病がご専門と伺いました。
はい。そのため、歯周病の専門的な治療を求めて来院される方が多く、歯周病でお困りの方がこんなにいらっしゃるのかと痛感しています。また、歯に対する意識が高い方でも7~8割の方が歯周病検査を受けたことがないという事実にも驚きました。ですので、まず歯周病治療の大切さについて伝えることを心がけています。また、当院では外科処置や歯周組織再生療法を組み合わせ、専門的な歯周病治療を行っています。重度な症例でも適切な外科処置を行えば、抜歯せずに治療できることも期待できます。歯周組織が破壊されている場合は歯周組織再生療法、歯周病によって歯肉が下がっているケースには移植などの方法を用いて対応します。治療後はSPT(Supportive Periodontal Therapy)と呼ばれる定期的な処置を行い、再発防止と再発時の早期治療に努めています。セカンドオピニオンを求めて来院する患者さんが多いことも特徴です。
実践されている総合的な歯科治療について教えてください。

歯周病治療だけに特化するのではなく、患者さんをトータルで治療できることも当院の強みです。矯正専門の歯科医師も在籍し、多角的な目線で歯周病治療を実施しています。近年、総合的な歯科治療の重要性が注目されていますが、例えば総合的な治療が行える歯科医院で矯正をすれば、歯並びを良くしたい、噛めるようになりたい、きれいに治したいという患者さんの希望をトータルにかなえるための対応ができます。それには、スタッフ一人ひとりがクオリティーの高い仕事をすることが重要です。矯正を専門とする歯科医師、かぶせ物治療はじめ幅広い治療を行う歯科医師、かぶせ物を作る歯科技工士、それをサポートする歯科助手、歯科衛生士がすべて合致しない限り、100点の症例を作り上げることはできないんですね。まず、精度の高い検査や治療があり、皆が、最終的なゴールへ向かって診療に臨むことが大切です。
対話重視の診療で患者の「思い」や「安心」も大切に
先生が診療する上で心がけていることを教えてください。

患者さんの思いをきちんと伺うことですね。歯周病治療は患者さんの生活スタイルがわからないと、なかなか治療が進まないものです。そういう意味でも会話はとても重要です。例えば「どうしても治療に時間はかけられない」という方がいた場合、治療の選択肢を提示し、それぞれについてきちんと説明し、最善と思う治療を選んでいただくことが大事だと思います。また、多くの方が「歯科医院は怖い」というイメージをお持ちですので、診療中に耳元で大きな音を立てないようにするなど、安心して治療を受けて気持ち良くお帰りいただく環境を整えることも大切にしています。
インプラント治療にも注力されているそうですね。
はい。ただ、インプラント治療を前向きに考える方にこそ、歯周病治療は大切です。元の歯が失われインプラントが必要になった理由は、歯肉の状態が悪かったから。だからそのままの状態で入れても、またすぐ駄目になってしまう可能性が高いんです。インプラントを長持ちさせるためにも歯肉の移植や再建といった治療が大事で、治療後にメンテナンスしやすい状態をつくることには患者さんと歯科医師双方にメリットがあると感じています。
ほかにも注力している治療はありますか?

小児の顎顔面矯正に注力しています。これはお子さんの成長期の段階で顎を広げ、歯が生えるためのスペースを適切に確保することで、歯並びを整えるという治療法です。成人になって十分なスペースがないのに無理に歯並びを直そうとすると、歯肉が下がる歯肉退縮が起こってしまう可能性があります。当院ではその対処策として、自身の歯肉を不足する場所に移植する手術を行っているのですが、この手術は患者さんの負担が大きい割に、あくまでも対症療法であって根本的な解決策にはなりません。そんな中で、小児期の適切な介入がいかに重要かを痛感しました。
スタッフ全員が技術を磨き、常に進化を続けたい
歯科医師をめざされたきっかけを教えてください。

最初は家業である魚の卸商を継ぎたいと思っていましたが、高校生の頃、あらためて「自分は何になりたいんだろう?」と考えた時、ふっと身近にいる歯科医師の先生が浮かんだんです。優しい先生で、あの先生みたいになれたらいいなという思いが、歯科医師をめざしたきっかけだったように思います。歯周病治療を専門にした理由は、「歯科医師として口全体を一つとして捉えて構築し、満足していただけるものを学びたい」と思ったからです。歯周病にならない人はほとんどいませんし、虫歯や根管治療といったさまざまな治療のベースラインでもあるので、おのずと歯周病治療へ行き着きました。私が学びたかったのは歯肉の再建や歯周病を外科的に治療するといった歯科口腔外科と歯周病治療の間の領域でした。大学病院では、歯周病だけでなくインプラント治療や外科処置のスペシャリストの素晴らしい先生に巡り合い、本当に多くのことを学ばせていただきました。
こちらのクリニックはスタッフの能力の高さも自慢だそうですね。
当院には矯正専門の歯科医師やメンテナンス専門の歯科衛生士、ホワイトニングのコーディネーターなど幅広い分野の専門家が在籍しています。それぞれが専門性を磨くことでクリニック全体が進化できるよう、スタッフ全員が勉強に励んでいます。一人ひとりが常に患者さんにとって最も良い方法を考えて行動できるので、安心して患者さんを任せることができますね。また、当院では歯科医師だけでなく歯科衛生士も眼鏡型のルーペを常用し、患者さんの口の中を数倍にして見ながら治療やメンテナンスにあたっています。根管治療などの複雑で精密な治療には3台の歯科用マイクロスコープを用いているほか、虫歯や歯周病の検査にも活用。歯科衛生士もルーペ・マイクロスコープを使って、歯石や汚れのつき具合を録画してお見せし、患者さんの毎日のケアのモチベーションアップやプラークコントロールの向上に役立てています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯周病は自覚症状がない病気ですので、定期的に歯科医院へ足を運ぶ時間を持っていただきたいです。美容院に通うように、身だしなみを整える感じで来ていただけたらうれしいです。これまでの経験から思うのは、医療に終わりはないということですね。どんな治療も1年後には新しい技術や材料が出てきますから、新しい技術を積極的に学び、材料もできるだけ取り入れ、患者さんに多くの選択肢を提供したいと思っています。「満足の一歩先へ」というスローガンを達成するために、ハード・ソフトの両面で進化し続けていきます。そして、高度な治療を提供しつつも、何か一つに特化するのではなく、ワンストップで治療が完結し、患者さんの口内の健康をトータルコーディネートできるクリニックでありたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周病精密検査1(歯周ポケット測定・細菌検査・14枚法含む)/3万3000円
歯周病精密検査2(歯周ポケット測定・細菌検査・14枚法・歯科用CTによる撮影含む)/4万9500円
SPT/7700円~(施術時間によって料金が異なります)
歯周組織再生療法/22万円~
歯肉の移植/12万1000円~33万円
ホワイトニング/2万7500円
小児顎顔面矯正/49万5000円~
セカンドオピニオン/2万2000円~(1時間)
インプラント治療/66万円~