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古川 潤一郎 院長の独自取材記事

古川歯科

(品川区/大森駅)

最終更新日:2020/04/01

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JR大森駅より徒歩3分。商業エリアだが、古くから、また新たに建ったマンションなどもあって幅広い年齢層の住民も多い地区に「古川歯科」はある。明るく軽快な雰囲気の古川潤一郎院長が、1993年に開業したクリニックだ。一番古くからのスタッフは、前職から一緒だという30年来の歯科助手、2人の歯科衛生士も15年勤め続けているという。そうした関係の良さは診療にもよい影響を与えていることだろう。そんなこだわりについて、院長に話を聞いた。
(取材日2016年9月20日/再取材日2018年9月3日)

患者は「医院」ではなく、「医師」を選ぶもの

開業して25年になるそうですね。

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開業当時は目の前が大きな空き地で、診察室の窓から羽田空港を離発着する飛行機が見えたものです。その空き地の上にこの辺りのランドマークになった大きな商業施設が増設され今のビル群になりました。その中のオフィスにお勤めの方々も数多くいらしていただいています。大森駅から3分、京浜急行大森海岸駅からも徒歩6分ですから、地元の方にも通勤の方にも、生活圏の通り道で通いやすいそうです。また、患者さんからのご紹介で大森駅の山王側エリアから通って来られる患者さんもいらっしゃいます。20年を越えて開業していますので、職場の異動やお引越しでこの地を離れた患者さんも、治療や定期健診にお見えになり、「歯医者冥利に尽きる」と感慨深いです。

年齢的には、どのくらいの方が多いのですか?

20~70代です。開業当初からの患者さんは今は50~70代になられ、54歳の私と一緒に年齢を重ねてきた感じです。またここ数年で、70代以上の患者さんの割合が少し増えましたね。私が長年診療してきて認知されたこともあるでしょうが、日本社会の人口構成や高齢の方が歯の本数を維持していることがあります。またご高齢で閉院する歯科医師の患者さんが下の世代の歯科医師に移行する現象もあるように考えます。私はもともと、70歳までは歯科医師として現役でいこうと思ってきました。歯科医師は自分の患者さんの歯に継続的な責任を持つものだと考えていますので、例えば今高校生の患者さんが将来40歳くらいになった時に大きな処置が必要になったとしたら……など、先々のことを考えるようにはなってきました。

患者さんへの責任感がお強いのですね。

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医療に携わるものとして当たり前のことです。開業当初からの患者さんには、20年前のレントゲンのフィルムをお見せしながら説明することもあります。長年診ているからこそわかる変化というのは、大事なのです。実は最初に勤めたクリニックは、医師が10人もいるような大所帯でした。医師の入れ替わりも自然と多く、患者さんからは「担当の先生がまた変わったの?」などと言われることもあったんです。縁あって自分が関わった患者さんはずっと診続けていきたいという思いから、開業してからはずっと医師は私一人の体制でやってきました。「患者さんは医院ではなく、医師を選ぶ」という考えですね。でも、10年、20年先を考えると、このまま一人で診続けるか、あるいは手伝っていただく先生に入っていただくかなどは大切なことです。患者さんの声も聞きながら考えていきたいですね。

患者の「観察」を重視し、高齢者は1階まで見送りも

内装はリニューアルされていますね。

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5年前、開業20年を機に設備や内装を新たにしました。CTを導入したので、問い合わせの増えていたインプラント治療もご案内しやすくなりましたし、靴を脱がずに診察室に入れるよう床を変えました。最近のクリニックにはそういうスタイルが多いようですが、開業当初は珍しかったんです。歯科医院というのは、床に配管が必要なので、靴を脱ぐスタイルになるものなんですね。それでも改装に踏み切ったおかげで、患者さんには靴のまま入っていけるのが好評で、良かったです。ただ、待合室から入るところに10cmほどの段差ができてしまいました。そのため、高齢の患者さんをはじめ、患者さんがそこを通る度に必ず「そこに段差がありますから、気をつけて」と入る時と出る時の二度、声をかけるようにしています。ですから、患者さんから先に「気をつけますねー」と言われてしまうこともありますね。

こまやかな心遣いですね。

特に高齢の患者さんの場合は、受付スタッフがエレベーターに乗って1階までご一緒しています。ビルの出口にもほんの少しですが段差があるので、お見送りしながら、きちんと歩いて帰られる様子を見てもらっているんです。それにすべての患者さんに対して、診察後の仕草などもよく観察させていただくようにしています。ユニットでしばらく横になった後に立ち上がるので、ふらつく可能性もあるでしょうし、帰りがけのご様子で診察に満足だったか、お疲れだったか、意気揚々とされていたかなどが見て取れるものです。

患者さんへのサービスということでしょうか?

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それよりも、医療機関としては、帰宅されるまでは診療の一環として責任があると思うからですね。診察室に入ってきた患者さんがもし肩で息をしていたら、血圧の問題があるかもしれないから、呼吸が整うまでは麻酔の注射を打ってはいけません。歯だけを診ているのでも、診療台に座っている間だけ診ているのでもいけないんですね。観察して、患者さんの異変にいち早く気づけるかはとても大事です。また、患者さんの訴えに耳を傾けることも大切ですが、うのみにせず、しっかり見極められねばなりません。よくあるのは、顎関節の痛みや不具合が、実は中耳炎だったなどですね。まれにですが心筋梗塞の症状としてズキズキする歯痛が起こることがあります。疑いを感じれば内科受診を勧めますが、なるべくその場で私が内科の先生に電話して紹介するようにしています。そうでないと、患者さんは突き放された気がしてしまうかもしれませんから。

患者を身近な人に置き換えイメージすると親身になれる

力を入れていきたいことは何ですか。

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当院は品川区成人歯科健康診査、品川区妊産婦歯科健康診査の実施医療機関です。私事で恐縮ですが……数年前に区の特定健康診査で大腸がんが見つかり切除した経験があります。幸いなことに初期に見つけていただいたので大事には至っていません。恥ずかしながらこの経験から健康診査の重要性や専門家による予防指導の重要性を再認識しました。当院では、治療が終わった後の定期歯科健診や品川区歯科健康診査を通じて虫歯や歯周病のみならず顎関節症、咬耗症、粘膜疾患のチェックを行い必要に応じて予防指導を行っています。例えば歯磨きの指導では高度なテクニックを伝授するのではなく、患者さんご自身が継続して行うことができることを指導しています。また生活習慣をお伺いしてその方に合った歯ブラシを選んであげたり高濃度フッ素歯磨剤をお勧めしています。予防へのサポートはこれからも重要な仕事と、力を入れていきたいです。

地域の先生方との連携は、どのようにされているのですか?

品川区歯科医師会のお仕事や会合、勉強会などの機会に医科・歯科関わらず、いろいろなご専門の先生に出会うのですが、そこで難しい治療についてご相談やご紹介できるような関係まで築かせていただいています。開業以来そういったスタンスでやってきましたし、堅苦しい席ばかりでなく飲食の場などもありますので、人柄も含めて互いに知り合っているという感じですね。また、そうした場でも話題はやはりこれからの医療についてや患者さんのためになるような情報収集だったりするものです。

読者へのメッセージをお願いします。

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まず、高齢で入れ歯を始められる方には、入れるだけでは快適にはならないとお伝えしたいです。入れ歯は道具ですから、ご自分でうまく使えるようにならないと意味がないんですね。それには調整やメンテナンスも大事です。こんなものかと諦めずに、使い勝手を相談してもらえればと思います。また、子連れで受診されるお母さんには、受付スタッフも多く配置して、診察中にお子さんに目が届くよう配慮しています。子育て中は自分の歯のことは後回しでしょうが、せめて産後検診時はご家族にお子さんを託して、「ご自身のための時間」をつくっていただきたいです。いつも診療への心がけとして目の前の患者さんを私自身や自分の身内に置き換えてイメージしてみて、何がその患者さんに必要なのだろうかと考えています。これからもそんなふうにやっていきたいですね。

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