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古川 潤一郎 院長の独自取材記事

古川歯科

(品川区/大森駅)

最終更新日:2022/02/14

古川潤一郎院長 古川歯科 main

JR大森駅より徒歩3分のところにある「古川歯科」。駅前の商業エリアではあるが、古くから住む住民や新たに建ったマンションに住むファミリー層など幅広い年代が住む地域だ。古川潤一郎院長は、1993年の開院以来、歯科を通してこの街の変遷を長く見守ってきた。古川院長と前職から30年以上ともに歯科医療に携わってきた歯科助手、15年以上勤め続けているという2人の歯科衛生士。そんな結束の強いチームで診療にあたっている。明るく軽快な雰囲気の古川院長に、同院の診療方針や歯科医師として大切にしていることなど多岐にわたる話を聞いた。

(取材日2021年8月24日)

先々の口腔環境を見据えた一人ひとりに寄り添う診療を

開院されてから20年以上たたれますが、変化などはありますか?

古川潤一郎院長 古川歯科1

1993年の開院当時は目の前が大きな空き地で、診察室の窓から羽田空港の飛行機が見えたものです。その空き地の上にこの辺りのランドマークになった大きな商業施設が増設され今のビル群になりました。その中のオフィスにお勤めの方にも数多く来ていただいていますが、現在は地元の患者さんにも受診していただくようになりましたね。職場の異動やお引っ越しでこの地を離れた患者さんが遠方からおみえになることもあり、そんな時は「歯科医師冥利に尽きる」と感慨深いですね。開院20周年の際には設備や内装を改装。歯科用CTを導入したことでより精密さが求められる治療にも対応できるようになりました。内装は靴を脱がず診察室に入れるよう床を変え、現在に至っています。

どのような年齢層の患者さんが多くいらっしゃいますか?

20代から70代まで幅広い年齢層の患者さんが来院されます。開院当初から通う患者さんも多くは50代から70代になられ、57歳の私もともに年齢を重ねてきた感じです。最近は、高齢の患者さんの割合が増えましたね。長年診療してきて、地域に根づいてきたこともあると思いますが、日本社会の人口構成や高齢の方が歯の本数を維持していることも理由と言えるでしょう。私はもともと、70歳までは歯科医師として現役でいこうと思ってきました。歯科医師は自分の患者さんの歯に継続的な責任を持つものだと考えていますので、例えば今20代の患者さんであっても、40歳くらいになった時に大きな処置が必要になる可能性を想定するなど、先々のことを考えた診療を心がけています。

診療で大事にされていることは何ですか?

古川潤一郎院長 古川歯科2

帰宅されるまでは診療の一環として責任があると考えています。診察室に入ってきた患者さんがもし肩で息をしていたら、血圧の問題があるかもしれませんから、呼吸が整うまでは麻酔の注射を打ってはいけません。歯だけを診ているのでなく、患者さんが診療台に座っている間以外のことも考えています。観察して、患者さんの異変にいち早く気づくことがとても大事だと考えています。また、患者さんの訴えに耳を傾けることも大切ですが、それだけに捉われず、フレームを広げて見極めることも歯科医師としての務めだと思います。例えば、顎関節の痛みや不具合が、実は中耳炎だったなどです。まれにですが心筋梗塞の症状としてずきずきとした歯痛が起こることもあります。疑いを持てば内科受診を勧め、なるべくその場で私が内科の先生に電話して紹介するようにしています。

「食べることは生きること」。予防を意識した歯科を

力を入れていきたいことは何ですか。

古川潤一郎院長 古川歯科3

当院では品川区成人歯科健康診査、品川区妊産婦歯科健康診査に対応しています。私事ですが、数年前に区の特定健康診査で大腸がんが見つかり切除術を受けた経験があります。幸いなことに初期に見つけていただいたので大事には至っていません。この経験から健康診査の重要性や専門家による予防指導の重要性を再認識しました。当院では、治療が終わった後の定期歯科検診や品川区歯科健康診査を通じて、虫歯や歯周病のみならず顎関節症、咬耗症、粘膜疾患のチェックを行い必要に応じて予防指導を行います。例えば歯磨きの指導では高度なテクニックを伝授するのではなく、患者さんご自身が継続して行えることを指導するようにしています。また生活習慣をお伺いしてその方に合わせた歯ブラシを選んだり、歯磨き剤をお勧めしたりすることもあります。予防へのサポートにはこれからも力を入れていきたいです。

近年、患者さんの傾向に変化はありますか?

私が歯科医師になった1988年当時の平均寿命は男性が76歳、女性が81歳ぐらいでした。平成に入り80歳で20本の歯を残そうという8020運動が始まりましたが、当時80歳で20本の歯を残す人は10%に満たないといわれていました。男性の平均寿命が82歳、女性が88歳になった現在、20本の歯がある80歳は50%を超えています。この差を考えると、長年歯科医師が取り組んできた仕事は間違いではなかったと思いますね。20本の歯が残っていれば、だいたいのものは噛むことができますから、家族で同じ物を食べられるでしょう。私が子どもの頃にはおじいちゃんやおばあちゃんもいて、一緒に食卓を囲む家庭も多くありました。同じ物を食べてみんなでおいしいと言い、共感し合えることは楽しい食事となる一つの要素だと思います。食べることは生きることだと考えていますので、これからも食事を楽しめるようにサポートしていきたいですね。

8020運動への取り組みも予防歯科の一貫なのですね。

古川潤一郎院長 古川歯科4

高齢者の歯が多く残っているということは、メンテナンスが必要ですし、80歳を超えてくると喉の筋肉が弱り、飲み込む力が衰えて嚥下ができない人も多くなります。品川区の後期高齢者歯科検診では、噛めているかだけでなく、5秒間「タタタッ…」と連続で発音して、嚥下や舌の力を確認したり、ふくらはぎの筋肉量を測る指輪っかテストを行ったりしています。歯科医師の仕事が広がり、目の前の宿題が増えているように思いますね。このように現場で感じる高齢者の問題にアプローチするため、オーラルフレイルについて学び、対応できるようにしています。

必要な治療は何かを真摯に考える姿勢を大切にしていく

患者さんへのきめ細かな対応を心がけていると伺っています。

古川潤一郎院長 古川歯科5

待合室から診療室に入るところに少しの段差があるので、患者さんがそこを通る度「段差に気をつけて」と声をかけるようにしています。でも通ってくださる患者さんから先に「気をつけますね」と言われてしまうこともあります(笑)。特に高齢の方の場合は、受付スタッフがエレベーターに乗って1階までご一緒しています。ビルの出口にもほんの少しですが段差があるので、お見送りしながら、きちんと歩いて帰られる様子を見てもらっているんです。また、すべての患者さんに対して、診察後の仕草などもよく観察させていただくようにしています。ユニットでしばらく横になった後に立ち上がるので、ふらつく可能性もあるでしょうし、帰りがけのご様子で診察に満足だったか、お疲れだったか、意気揚々とされていたかなどが見て取れるものです。

一人の患者さんと長く向き合うからこそわかることですね。

時には20年前のエックス線画像が役に立つこともあり、長年診ているからこそわかる変化というのは大切だと痛感します。実は最初に勤めた歯科医院は、歯科医師が10人もいるような大所帯で、歯科医師の入れ替わりも多かったです。そこから自分が関わった患者さんはずっと診続けていきたいという思いで、開院してからはずっと歯科医師は私一人の体制でやってきました。「患者さんは歯科医院ではなく、歯科医師を選ぶ」と考えていますが、先を見据え、このまま一人で診続けるか、あるいはほかの先生に手伝っていただくか、患者さんの声も聞きながら今後の体制を検討していかねばと考えているところです。

読者へメッセージをお願いします。

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これから入れ歯を始められる方には、装着するだけでは快適にはならないとお伝えしたいです。入れ歯は道具ですから、ご自分でうまく使えるようにならないと意味がありません。そのためには調整やメンテナンスも大切。こんなものかと諦めず、使い勝手を相談していただければと思います。また、子連れで受診されるお母さんには、受付スタッフを多く配置して、診察中にお子さんに目が届くよう配慮しています。子育て中は自分の歯のことは後回しになりがちですが、せめて産後の検診時は「ご自身のための時間」をつくっていただきたいです。目の前の患者さんを私自身や家族に置き換えてイメージし、何がその患者さんに必要なのだろうかと考える。これからもその姿勢は変えずに日々の診療に取り組んでいきます。

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