一人ひとりに合わせて作製
睡眠時無呼吸症候群用マウスピース
坂本歯科医院
(品川区/天王洲アイル駅)
最終更新日:2025/03/18


- 自由診療
寝ている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、放っておくと突然死にもつながることもある怖い病気だ。家族から指摘されて初めて異常に気づくケースも多いという。CPAP(シーパップ)という機器を装着する治療法が知られているが、歯科でマウスピースを作製するアプローチもあることはあまり知られていない。自費診療とはなるが、睡眠時無呼吸症候群を心配する人に対しても、それぞれの骨格に合わせたマウスピースの作製は可能だという。「坂本歯科医院」の坂本朋広院長は「4年前からマウスピース作製を行っています。マウスピースを一度試していただき、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います」と話している。坂本院長にマウスピース作製の流れを聞いた。
(取材日2022年3月29日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気なのでしょうか。
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A
睡眠中に何度も呼吸が止まり、体内の低酸素状態が発生する病気です。睡眠中に呼吸が止まる回数が、1時間に5回以上あると睡眠時無呼吸症候群と診断され、20回以上になると治療の対象になるとされます。原因の多くは気道の閉塞です。舌の付け根が沈んで気道を塞いだり、肥満により喉に脂肪がついて空気の通りが悪くなったりします。自分では気づかず、家族から指摘されて初めて異常に気づくケースが多いですね。夜間よく眠れないため、日中も眠気に襲われたり頭痛が起こったりすることもあります。放っておくと突然死の原因にもなることもあるといわれているので、気づいたら早急に受診することをお勧めします。
- Q歯科とも関連する病気なのでしょうか。
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A
歯科では医科での診断をもとに専用のマウスピースを作製できます。マウスピースで顎の骨を少し前に出すことで、空気が通るように気道の確保を図るのです。当院では、睡眠時無呼吸症候群を心配される方に対しては、自由診療でマウスピース作製を行っています。睡眠時無呼吸症候群治療を目的とした保険診療のマウスピースは上下一体型のため、飲み込みや咳がしにくく、顎の関節を傷めやすいというデメリットがあります。それに比べて自由診療で作製するマウスピースは上下分離型なので、圧迫感や閉塞感がほとんどなく、顎の位置も一人ひとりに合わせて微調整が可能です。
- Qマウスピースなら寝ている時の違和感は少ないですね。
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A
睡眠時無呼吸症候群の治療となるとCPAPが知られていますが、CPAPは顔に装着するので、どうしても煩わしく感じられます。一方で睡眠時無呼吸症候群用マウスピースはそういった煩わしさが少ないので、慣れれば自然に近い就寝が可能ですし、旅行などにも持参することができます。しかも、歯科用CTで事前に気道の状態などをチェックできるのもポイントです。やみくもに作製するのではなく、どのくらいの成果が見込めるかといったことが、前もって判断できるわけです。CPAPによる治療を勧められた方も、前段階としてマウスピース作製を考えられてはどうでしょうか。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と口腔内検査を受ける
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睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースは特殊な作りのため、口腔内の健康状態を調べる。虫歯で歯を削ってしまうと形が変わってしまうので、虫歯や歯周病があれば先に治療を行う。
- 2歯科用CTで成果の予測をする
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歯科用CTを使い、マウスピースを使ったときにどのくらい気道の確保が図れるか、予測をするために2通りの姿勢で撮影する。やみくもに作製することがないので安心だろう。
- 3検査結果の説明を受ける
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モニターに気道の状態が写し出される。閉塞が強い部分は赤色で、空気が通っている部分は緑色で示される。マウスピースの使用に問題はないと判断されれば、マウスピースの作製へと入る。
- 4マウスピースの作製のための型採りを行う
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口腔内スキャナーを使って型採りが行われる。デジタルでのデータ採択になるため、嘔吐反射をほとんど心配せずに受けられるという。スキャンしたデータとCT画像のデータをもとにマウスピースが作製される。
- 5マウスピースの完成と装着、経過説明
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2〜3週間でマウスピースが完成するので受診して受け取ろう。実際に装着し、顎関節の動きに合わせ微調整をしてもらう。使い方の注意点や手入れ方法の説明を受ける。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース製作前の検査/3万円、マウスピース製作前の検査+マウスピース製作/16万5000円