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高橋 基文 理事長の独自取材記事

シティクリニック

(品川区/五反田駅)

最終更新日:2024/08/26

高橋基文理事長 シティクリニック main

五反田駅東口から歩いて1分。歩道橋越しに見えるビル3階にある「シティクリニック」。クリニックの窓には内科、皮膚科、整形外科、婦人科など複数の診療科目が大きく記されているのが印象的だ。ここは30年以上前から、高橋基文理事長が全人的診療を実践してきたクリニック。「人間の体は一つで、すべてつながっています。心も含めて深く広く診てその根本的な原因を解決していくことが大切ですね」と高橋理事長は穏やかに話す。早くから診療現場におけるIT技術の応用にも言及してきた高橋理事長は、その技術を生かして無駄な時間を省きスピーディーな診療につなげている。診療の特徴や工夫している点などについて話を聞いた。

(取材日2022年7月1日)

プライマリケアを早くから導入し全人的な診療を実践

こちらはかなり早い時期からプライマリケアを行っているそうですね。

高橋基文理事長 シティクリニック1

今でこそプライマリケアに対応する能力を育てる狙いで内科や外科、救急など幅広く学ぶスーパーローテーションによる研修が行われていますが、私が開業した当時はそのような制度はなく、プライマリケアという考え方もほとんど浸透していなかったですね。それで国立大蔵病院(現・国立成育医療研究センター)の先生にお願いして特別にローテーション制度を設けてもらいプライマリケアについて専門的に学びました。1989年に開業した当初から、内科、外科、整形外科、婦人科、心療内科、眼科、皮膚科、小児科と、歯科以外の科目はすべて基本的に診療する「総合診療クリニック」として営んできました。当時は診療科を超えて全人的に診るクリニックはほとんどなく、とても珍しい存在だったと思います。

どうしてプライマリケアを行おうと思われたのですか。患者さんのメリットについても教えてください。

人間の体は一つ、すべてつながっているのに診療が細分化され過ぎていると思ったのです。例えば、獣医師は猫の目だけ診る、犬の足だけ診るということはありませんよね。犬も猫もどんな症状でもすべて診ます。それと同じように人間も体全体を診ることが大切だと思うのです。高血圧によって眼圧が高くなることもあり、そうなれば眼科の診察が必要になります。心の問題も含めて、すべてを全人的に診ることが地域のクリニックとして求められると考えました。患者さんの中にはどこの科を受診していいかわからない方もいます。そんな時、医療の交通整理をして道順を示していくのがプライマリケアの一つの役割でもあると考えています。高齢になると病気を併発して何枚もの診察券を持ち歩くこともあるでしょう。当院では1枚で済みます。その分、医療費の削減にもつながります。

普段、どんなことを大切になさっていますか。

高橋基文理事長 シティクリニック2

患者さんが早く現状回復できるように心がけています。患者さんにできるだけ早く「もう来なくて大丈夫ですよ」「もうお薬飲まなくていいですよ」とお話しして差し上げたいですね。いつまでも薬を飲み続けるのではなく、その方の体調や季節の変化によっては薬を飲まなくて済むケースもあり、その時をしっかり見極めています。患者さんへの教育といいますか、正しい知識を提供することも大切ですね。今は、医療に関する情報も多く、さまざまな市販薬が出ています。患者さんの知識レベルも異なり、自己流で判断して市販薬を使っていたら逆に症状が悪化したという例も多く見られます。そういう意味でも、どんなことも気軽に相談できるかかりつけを持つことの意義を知っていただきたいですね。最近ではプライマリケアをめざす医師や看護師も増えていて、当院ではそんな医師や看護師の教育にも力を入れています。

さまざまなIT技術を活用したスピーディーな受診体制

こちらではスムーズな受診のためにいろいろと工夫なさっているそうですね。

高橋基文理事長 シティクリニック3

感染症対策の一環として、クリニック内での滞在時間をできるだけ短縮できるよう工夫しています。診療の予約と問診はオンラインででき、問診表の内容は即時にカルテに反映されます。自動会計精算機は4年前、コロナ禍以前から導入していますし、キャッシュレス決済にも対応していますので、非接触で会計を終えられます。新しく医療用空気清浄機も設置しました。当院では発熱患者の外来も行っていますが、入り口横の別室に発熱相談室を設けて、一般の患者さんとは動線を区別しています。このようにIT技術や徹底した感染症対策によってスムーズかつ安心して受診していただける環境を整えました。また、ご高齢の方などインターネットが苦手な方には、電話予約や紙の問診表を用意するなど配慮しています。

最近では検査データをスマートフォンで受け取れると伺いました。

はい。血液検査や尿検査、薬の処方といった診療情報をスマートフォンやパソコンで受け取れるアプリを導入しています。患者さんはいつでもデータを見られますから、ご自身の体調の変化や病気について意識が高まるのではないでしょうか。出張先などで急に体調不良が起きて、他の医療機関を受診しなくてはならない時も、それまでの検査データや体調などを適切に伝えられます。

こちらでは在宅医療にも力を入れていますね。

高橋基文理事長 シティクリニック4

朝、クリニックの診療が始まる前や、お昼休み、午後の診療を終えた時間帯に、随時、訪問診療を行っています。寝たきりのご高齢の方や、認知症やがんの患者さんなど比較的重症の方を中心に診療しています。在宅医療ではご家族の代わりのような存在かもしれません。体調が急変して病院に搬送しなくてはならない時、患者さんに付き添うことも私たちの任務の一つですね。患者さんが発熱していた場合受け入れ先が見つからず、何時間も救急車の中で一緒に待っていたりすることも考えられます。搬送先の病院では、医師の説明を私が“通訳”してわかりやすくご家族にお話しすることも大切です。患者さんやご家族から頼りにされること、信頼していただけることは、私にとって喜びであり生きがいですね。

心の問題も含めて心置きなく相談できるかかりつけを

統合医療のアプローチも取り入れていると伺いました。

高橋基文理事長 シティクリニック5

西洋医学だけでは対処できない場合、漢方といった東洋医学などほかのアプローチも有用と考えています。先ほどもお話ししましたように今はいろいろな情報があふれていて、惑わされている方も多いですね。その他、当院ではエビデンスのしっかりした機能性成分など品質にこだわりながらサプリメントのアドバイスなども行っています。健康の維持、病気の予防・回復には抗酸化力や免疫力の強化が大切で、最近では体内の糖化防止も重要と考えられています。そうした観点からの水素の吸入やサプリメントについての研究も進んでいます。

ところで医師をめざされたきっかけについて教えてください。

子どもの頃は病弱であまり健康でなかったことと、人に喜んでもらえる仕事がしたいという気持ちから医師をめざすようになりました。アメリカの航空宇宙局が行った人類初の有人宇宙飛行計画がありましたよね。当時私は10歳だったのですが、人類が月に到着したニュースを見て、やっぱり科学の力はすごいなととても感動しました。それも一つのきっかけとなり、科学の中でも私は医学の道に進もうと決めました。その気持ちを抱いたまま、中学、高校、大学と進み、今に至っています。

では最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

高橋基文理事長 シティクリニック6

今後はさらにIT化が進行して、ITドクターが診療するという時代が来るかもしれません。でもまだ今は30年来の患者さんも多く通ってくださっていますので、当分はこのまま続けていこうと思っています。皆さん方には、心と体を総合的に診てもらえる、どんなことでも心置きなく相談できるかかりつけを持つことをお勧めしたいですね。当院では社会的弱者や受診に困っている方などの相談にも応じています。医者だからといって偉いことなんかありません。常に患者さんと同じ目線で、困っている方々をサポートしていきたいですね。今年の9月には渋谷に分院が開院しますので、そちらとも連携していく予定です。

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