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石井 誠 院長、石井 優 先生の独自取材記事

いしい医院

(品川区/西大井駅)

最終更新日:2026/08/12

石井誠院長、石井優先生 いしい医院 main

東京・品川の西大井にある「いしい医院」は、1950年代の初めに開業し、70年あまりの歴史を持つ、内科と消化器内科を診療するクリニックだ。2代目の石井誠院長は「患者の人生に役立つ医療」をモットーとする。医師の役割を過大評価しないように自身を戒め、自ら治ろうとする人のサポート役であろうと心に決めているそうだ。その謙虚さと持ち前の明るさで、長年通う患者たちと信頼関係を築いている。近年、誠院長と同じ医師の道に進んでキャリアを積んでいる長男の石井優先生と次男の石井翔先生が非常勤で診療に加わった。新しいステージを迎えた同院の現在と未来について、誠院長と長男の優先生の2人に語ってもらった。

(取材日2026年7月17日)

初代と同じく「家族皆を診る内科の医師」をめざして

御院には長い歴史があると聞いています。開業の経緯について教えてください。

石井誠院長、石井優先生 いしい医院1

【誠院長】当院の始まりは、僕が生まれる少し前の1950年代初め、つまり今から70年ほど前にさかのぼります。僕の父親が、当院が立っている場所のすぐそばにあった床屋さんの1部屋を借りて始めたそうです。戦後にお世話になった歯医者さんが、西新井に店舗を持つ知り合いの床屋さんを紹介してくれたそうです。全部で10畳くらいの小さな診療所だったと聞いています。一言でいえば、内科の町医者ですね。子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、家族皆を診ていたと記憶しています。

誠院長はもともと医師になりたかったのですか?

【誠院長】高校までは理工系志望で、エンジニアになりたかったんです。しかし、大学浪人の間に、今思えば父が診療している姿を目にする回数が増えた影響かもしれませんが、医師になるのもいいなと心が動いたんですよね。結局1浪して医学部に入りました。

その後は医師としてどのような道を歩んできたのでしょうか?

石井誠院長、石井優先生 いしい医院2

【誠院長】大学では消化器内科が専門でした。僕らの頃は、消化器内科が最もいろいろな患者さんを診ていました。“断らない科”と呼ばれたくらいだったんです。診断がつく前の患者さんを幅広く受け入れて「これは消化器じゃなくて脳神経内科だね」とか「これは糖尿病が疑われるから専門の先生に診てもらったほうがいい」とか、適切な診療科に振り分ける仕事もしていて、僕はそこに興味を覚えました。しかも同時に自分の専門を追い求めることができるところも気に入って、消化器内科を選んだわけです。大学では大人の患者さんの検査が主な仕事でしたが、医院で内科の看板を出すとなれば当然子どもも診る必要があるので、後から子どものことも勉強し、すべての世代のかかりつけ医となることをめざしました。「これって父が取り組んでいたことだな」と思いましたね。

自身の大病を経て「人生に役立つ医療」がさらに身近に

現在は優先生と翔先生を加えた親子3人で診療にあたっています。きっかけはあったのでしょうか?

石井誠院長、石井優先生 いしい医院3

【誠院長】数年前に僕が大病を患い、それを見つけてくれたのが優先生だったんです。手術をして診療に復帰しましたが、疲れを感じることが増えてきて、優先生と、次男の石井翔先生にも非常勤で手伝ってもらうようになりました。話は変わりますが、僕は「患者さんの人生に役立つ医療」をモットーにしています。医師になりたての頃は、体の調子が悪くなった患者さんを完治につなげるのが医師だと信じていました。しかし、次第にそんな大それたことはできないと考えを改めました。自分で治ろうとしている人たちの邪魔になっているものの除去を図り、自分の力で健康な状態に戻ってもらうことをめざす、それが僕の考える人生に役立つ医療です。僕の病気に対して優先生がまさに役立つ医療をしてくれた、そのことが3人で診療を行うきっかけになったことをうれしく思います。

3人体制になって、診療や医院の運営に変化はありましたか?

【誠院長】変わりました。それまでも患者さんに手術のあらましを伝えていましたが、自分が手術を受けてみて初めてわかったことがたくさんありました。例えば、「この段階を乗り切れば症状の改善が期待できる時期になる」といった臨床経験だけでは知り得ない事柄も、自分のものにすることができたと思います。今はそうした実体験に基づく知識も交えながら、より患者さんに役立つ説明ができている気がします。
【優先生】変わったといえば、遅れていたデジタル化に着手したことでしょうか。誠院長が1人でずっと忙しくしていたので、2年前の春に私が大学の仕事に区切りをつけて当院を手伝い始めたとき、事務関連のDXがまったく進んでおらず、ホームページも予約システムもありませんでした。今も十分とはいえませんが、私がサポートし、徐々に整備しているところです。

患者さんとの接し方についての考えについて、お聞かせください。

石井誠院長、石井優先生 いしい医院4

【誠院長】僕の父が診療していた頃は、患者さんに「お医者さま」と呼ばれていました。僕の代になると「石井先生」や「石井さん」に変わり、今では患者さんと医師がより対等な関係にあると思います。対等に向き合いつつ、患者さんの求めていることに応じ、情報を提供するのが医師の役割ですね。患者さんとの接し方に関しては、若い先生が実践する様子を見て、参考にしています。優先生もそうだし、まだ学生の先生たちにも勉強させてもらっていて、つくづく自分は環境に恵まれていますね。

専門の異なる親子3人が協力し合う地域のかかりつけ

先生方の近況を教えてください。

石井誠院長、石井優先生 いしい医院5

【誠院長】医療がどんどん進歩していくので、追いつくのが大変です。母校の大学に今も教員として週1回通っていますが、それでも先進の知見を吸収するのにひと苦労です。幸い、優先生が手伝ってくれるようになったので、彼の診療を後ろで見ながら、いろいろ教わっています。この仕事は、とにかくずっと勉強し続けなければいけません。
【優先生】だから、父はよく後ろのほうで見ていたんですね。誠院長が「疲れを感じる」と言うから手伝っていますが、案外元気そうですし、私は大学にいたままでも良かったのでは、と思うこともありますね(笑)。

優先生と翔先生への期待も含め、御院のこれからについて、どのようにお考えですか?

【誠院長】2人とも子どもの頃から良い友達に恵まれた中で育って、僕から見ても結構良い人なので、そうした人間性が患者さんのためになれば、と思います。医院としては、地域のかかりつけ医院であること、子どもからお年寄りまでの人生に役立つ医療の提供など、今まで守ってきた基本姿勢はこれからも変わりません。一方で、僕なら消化器内科や内視鏡、優先生は消化器など内科全般とがんの診療、翔先生はリウマチや膠原病と、3人それぞれの専門性を生かしたことも盛り込みたいです。そうなると、いずれは規模を広げることも視野に入ってくるでしょうが、今は急ぐことなく、3人で少しずつ話し合いながら将来に向けて進んでいけたらいいですね。今のはあくまで僕側の意見なので、2人に話したら「それは違う」って反応が返ってくるかもしれませんけどね。

優先生から、将来の抱負をどうぞ。

石井誠院長、石井優先生 いしい医院6

【優先生】自分で3代目ですが、引き続き、地域の人たちを医療で支えていくつもりです。2人の親戚を消化器疾患で亡くした経験を胸に、専門とするがんの他、幅広い生活習慣病も早期に察知できるよう、予防医学的なアプローチに力を入れ、皆さんのお役に立ちたいです。

誠院長から読者に向け、メッセージをお願いします。

【誠院長】皆さんの人生で何か悩むことがあったとき、もし私たちで力になれることがあるなら、全力で応えたいです。当院のような町医者の良いところは、受診する前にあれこれ考える必要がないことだと思っています。「調子が悪い」「どこか変だ」と感じたら、遠慮なくご相談ください。経験を積んだ医師とスタッフがお待ちしています。