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遠藤 朝彦 院長の独自取材記事

遠藤耳鼻咽喉科・アレルギークリニック

(品川区/五反田駅)

最終更新日:2020/04/01

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五反田駅から徒歩7分、オフィスビルや店舗が立ち並ぶ山手通り沿いの「遠藤耳鼻咽喉科・アレルギークリニック」。院長である遠藤朝彦(ともひこ)先生は、父の開業したクリニックを継いだ2代目。冗談を交えながらも丁寧に言葉を連ねる遠藤院長のポリシーは、「患者さんとは可能な限りのコミュニケーションを取る」ことだという。遠藤先生の柔和で心を解きほぐすような語り口に、信頼を寄せる患者は多い。クリニック外観にはその存在を派手にアピールするような看板はないが、クチコミを聞いて新たに来院する患者も多いという。患者との対話を大切にしているという遠藤先生に、治療に対する考えなど話を聞いた。
(取材日2017年2月21日)

医師として研究熱心であった父の存在

まず、貴院の歴史や先生が院長に就任するまでの経緯を教えてください。

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初代院長である父の後を継ぎ、1977年にここから少し離れた所で開業しました。私と同じ耳鼻咽喉科の医師である父の開業当初から、当院は近隣住民の方から頼りにされておりました。父を慕って来院されていた患者さんに見守られながら幼少期を過ごした私は、自然と医師の道をめざしていました。父と同じ東京慈恵会医科大学へ進学し、大学院を卒業した後は大学病院に勤務しました。それから5年ほどたった頃に父が亡くなったのですが、通常は開業医になるなら大学病院を辞めなければなりません。それでもまだまだ研鑽を積みたいと思っていたので、大学長から特別に許可をいただき、午前中は大学病院で勤務しながら、父の後を継いで開業することになりました。

先生が医師をめざすことになったのは、やはりお父さまの影響が大きいのでしょうか?

幼い頃は、父親のような医師になりたいと思っていたことはありませんでしたね。父の時代の開業医というものは、従業員も住み込みで、みんな朝から夜遅くまで休みなく働いていました。休みと言えば正月の三が日くらい。私と父が一緒に過ごす時間もあまりなく、久々に顔を合わせたと思えば父が「やあしばらく、元気か?」と尋ねるので「うん」といった短い会話をしたものです。それでも、土曜日に仕事が早く終わった時には、映画を観に連れて行ってくれたりもしましたね。任侠映画や時代劇が中心でしたが、そのほとんどが「正義は必ず勝つ」ストーリーでした。父と私との間に多くの会話はありませんでしたが、父なりのやり方で私に大事なことを教えてくれて、少ない会話でも心は通じ合っていたのではないかと思っています。

とてもすてきなお父さまだったのですね。

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一緒に過ごす時間が少なかったので、父がどんな医師だったのか、どんなことを専門としていたのかを私は知りませんでした。父が亡くなってから、訳あって父の業績を調べてみると、その偉大さに気づかされましたね。父が博士号をとったときの論文を見つけたので読んでみると、ハウスダストの研究をしていたことがわかりました。父は「一口に“ハウスダスト”と言っても、家の中・駅の構内など存在する場所によってアレルギーを起こす力はそれぞれ違うのではないか」というところに目をつけた研究をしていたのです。今となっては“ハウスダスト”は誰しもが知る言葉ですが、昭和初期、まだ戦争が始まる前は認知度も低く、そのメカニズムも解明されていませんでした。もしかしたら、父が最初にハウスダストを発見したのかもしれないと思うと、生きているうちに話してくれたら良かったのにとも思いますが、親子っていうのはそんなものなのかもしれませんね。

患者との密なコミュニケーションが診療ポリシー

シンプルで清潔感のあるクリニックですが、どんなところにこだわりましたか?

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当院の外観には目立つ看板を設置していないのですが、ありがたいことにクチコミを頼りに多くの患者さんに来ていただいております。内装に関しては、当院はアレルギーをお持ちの方の来院が中心なので、アレルギーの原因となる花粉などが入ってこないような構造になるよう工夫しています。待合室に窓がないのは、そういった理由ですね。設備に関しては、最小限度となっています。私は、患者さんとお話する時間を少しでも長くとりたいと思っているので、診察室の机の上にパソコンや機械があると、そちらに時間がかかってしまい、お話する時間が減ってしまいますからね。だからカルテも未だに手書きなんですよ。患者さんとは可能な限りコミュニケーションをとるのが、診療ポリシーです。

患者さんとの会話を大切にされているのですね。

治療を進める上で一番大事なことは、患者さんの苦しみを招いている原因を追及することだと思っています。原因とメカニズムがわからなければ治療の組み立てができないので、可能な限り原因を突き止めて、アレルゲン免疫療法を行っています。アレルギーというのは、環境が原因で起こるものが多いので、患者さんとは病気の話だけではなくいろいろな話をします。日常生活の様子や、どんなお仕事をしているのか、職場へ行くルートや通勤時間など、小さなことでも治療に役立てられることもあるので細かく伺っています。一人ひとりに対してある程度の診療時間を取らせていただきたいので、当院は予約制にしていません。予約制にすることで対話の時間が減り、それが診断を間違う原因となってしまってはいけませんからね。

こちらに来られる患者さんの年齢層と、どのような症状を抱えていらっしゃるのかを教えてください。

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当院は午後からの診療のみとなっていますので、全体的に仕事帰りの方が多くなっていますね。私が耳鼻科の医師になったばかりの頃は副鼻腔炎の症状を訴えられる患者さんが多かったのですが、それが次第に減っていき、今度はアレルギー性の鼻炎にお悩みの方が増えてきました。アレルギーの抗原も、最初はハウスダストの方が多かったのですが、それも時代とともに秋のブタクサ、春のスギへと変化していきました。一年を通してさまざまなアレルギーをお持ちの方が来られますね。

医師の仕事は、病気の原因究明に全力を尽くすこと

こちらではどのような治療を受けられますか?

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アレルギーに対しては、アレルゲン免疫療法です。先ほども申し上げたように、アレルギーの原因がわからなければ治療の組み立てができないので、そこを追究し、その原因を使用してアレルゲン免疫療法を行います。通院回数は多くなっても、若干費用が抑えられるのは皮下注射法です。対して舌下免疫療法は通院回数が少なく、注射に伴う痛みがありません。このように、皮下注射法と舌下免疫療法のどちらか片方だけではなく、それぞれのメリットとデメリットをしっかりと説明して、患者さんに選択を委ねています。通院頻度やコストパフォーマンスなど、人によって重点を置くポイントが違いますからね。

お忙しいとは思いますが、休日はどのように過ごされていますか?

学生時代は部活動で野球に励んでいたので、今でもテレビで野球を観戦しています。幼い頃から活発でスポーツは好きでしたね。そこから発展して、スポーツをする場所・環境が、人間の鼻にどう影響するのかに興味が湧き始めました。いろいろと調べていくうちに、水泳をしている人には鼻の悪い人が多いことがわかりました。そこで行き着いたのが、プールで使用される水に入った消毒液です。この消毒液が鼻の粘膜にどんな影響を及ぼすのかを研究しています。それがきっかけで、東京大学の武藤先生と「日本水泳ドクター会議」という組織をつくり、今はそれに関わるさまざまな活動もしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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原因のわかる病気は治療できますが、原因がわからない場合は治療できません。だとすれば、われわれ医師の仕事は、原因究明に全力を尽くすことだと思っています。お薬を処方すれば症状を抑えるための一時的な措置にはなるでしょう。それは患者さんの苦しみを少しでも助けていることにはなりますが、本当の苦しみを取り除くためには、原因究明のほうが先決です。そのためには、急がないで、私たちにもう少し時間をください。早めの受診が必要な場合もありますが、花粉が飛び始める前に受診する必要はありません。あまり早くに薬を飲み出せば、それだけ薬の副作用の影響を受けることにもなりかねません。今のお薬は、花粉症の症状が出始めてからでも十分に間に合うほどの即効性が期待できます。大事なのは薬の特性を理解してもらうこと、それから、その場しのぎの治療を求めるのではなく、しっかりと時間をかけて治療していくことだと思います。

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