痛い、怖い、抜きたくない、悩みに向き合う
親知らずの検査と治療
五反田エヌ・エイ歯科
(品川区/五反田駅)
最終更新日:2024/06/20
- 保険診療
20歳前後から生えてくる前歯から数えて8番目の大臼歯「親知らず」。正常に生えてこないケースが多く、智歯周囲炎や虫歯、歯並びの悪化、顎関節症などの原因となるため、抜歯となるケースがほとんどだ。当たり前のように受けるイメージがあるが、親知らずの抜歯は、施術を行う歯科医師の技術によって予後に大きな差を生むということは知っておきたい。「たかが親知らず、されど親知らず」と話すのは「五反田エヌ・エイ歯科」の増村雅也院長だ。親知らず抜歯の必要性を見極め、大学病院で活躍する歯科医師と連携するシステムを構築。患者の気持ちと健康を優先して確立した同院で行う「親知らずの抜歯」について話を聞いた。
(取材日2023年9月11日)
目次
残せる歯は残すことを基本に精査、診断。高い技術で親知らずの抜歯をサポート
- Q親知らずの抜歯は怖いというイメージがあります。
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A
親知らずの抜歯の多くは問題なくできますが、一部、歯をバラバラにして抜かなくてはいけなくなり、取り残しがあることで予後が悪くなるケースなどがあります。そうした実例や、実際に「大変な思いをした」という人の話から、親知らずの抜歯に対して怖いというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。当院の場合、親知らずの抜歯のメリット、デメリットに対する深い知識をベースに、基本的には、親知らずの抜歯に精通した歯科医師に抜歯を依頼しています。もちろん当院で抜歯することも可能ですが、患者さんの安全性に配慮したシステムだと考えています。患者さんからの強い要望がない限り、その場で抜歯を行うこともありません。
- Q親知らずはなぜ痛くなるのでしょうか?
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A
親知らず自体が虫歯になることがあるのですが、それは親知らずの生え方が影響しています。前歯や奥歯など、汚れがたまりにくい他の歯のようにきれいに並んでいないために、親知らずとその周りの歯茎の隙間に細菌がたまります。そうすると、親知らずは頬の位置にあり、頬は話すときや物を食べるときに膨らんだりとよく動きますので、そのたびに隙間が多くでき、そこに細菌が多く入って腫れることになります。その腫れが大きいと、痛みも比例して大きくなりますから、より痛みを感じやすくなるので、それが親知らずの痛みにつながっていると考えております。
- Qやはり親知らずは抜かなくてはいけないのですか?
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A
当院では親知らずに対するアプローチとして、2つのことをしっかりと行っています。1つ目は、抜かなくていい親知らずに関しては、状況を確認しながら抜かずに維持するということ。そのために、適切な検査、診断、治療を行います。「何年後かにまた痛くなる可能性もあります」というお話はしますが、積極的に抜かないという方針がまず一つあります。やはり、抜かなくて済むのであれば抜きたくないとおっしゃる患者さんはいらっしゃいます。当院としては、何とか患者さんのその思いをかなえて、できる限り良い状態をキープしていければと考えます。結果的に抜歯になるとしても、生活指導を含め、当院でできる限りのことをしてあげたいですね。
- Q2つ目のアプローチを教えてください。
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A
2つ目のアプローチとして、親知らずを抜歯すると診断した場合、しっかりと連携している大学病院に依頼することを基本としていることです。当院では、親知らずの抜歯を外科の治療であると捉えています。脳外科の手術や命に関わる病気の時に、専門の医師にお願いするのと同じ感覚です。痛みや腫れ、後遺症などに関わりますから。患者さんに、その差は見えないかもしれませんが、僕自身が抜歯をしてもらう時は、専門の歯科医師にお願いしたいですね。当院では、ただ単に大学病院に依頼するのではなく、その大学病院の口腔外科の中でも抜歯を得意とされている先生や教授に担当していただいています。
- Q抜歯を行うまでの流れを教えてください。
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A
メインとなるのは周辺の歯や歯茎への影響を精査する検査で、これはエックス線の検査と合わせて当院で行います。まったく問題がない場合は当院でも抜歯しますが、積極的には行わず、専門の歯科医師に紹介します。抜歯後、糸を抜いたり消毒をする必要があるので、病院へは基本2回行っていただき、その後は当院でアフターフォローします。抜歯で痛みを発生させないための一番のポイントは、骨への力のかけ方です。いかに骨に炎症が起きないようにスピード感を持って抜けるかは、技術の差によるところが大きいですね。治療中の痛みや予後も違ってくると思います。抜歯後の腫れや痛みが気になる方も、いつでもご相談ください。