秀島 学 院長の独自取材記事
秀島歯科医院
(横浜市港南区/上永谷駅)
最終更新日:2025/09/11

「一人ひとりに合わせるのが大切」と何度も強調する「秀島歯科医院」秀島学院長。言葉どおり、子どもから高齢者まで幅広い年代の患者に対して、地域のかかりつけ歯科医院としてきめ細かく適切な治療を行う。大学病院の補綴科を専攻した診療技術の高さに加え、食生活やブラッシングのアドバイスから高齢者の話し相手まで、気さくに応じるざっくばらんな人柄も魅力的だ。患者と趣味の話で盛り上がることもよくあり、クリニックの奥には「大事なプラモデルや趣味のコレクションが、秘密基地のように隠してあるんですよ」と楽しそうに語る。上永谷で40年近く、地域の住民に親しまれ、歯科診療に携わってきた秀島院長に、歯科診療に対する思いや、子どもや高齢者への対応について思うところを語ってもらった。
(取材日2013年7月22日/情報更新日2022年10月19日)
「何事も患者優先」をモットーに、きめ細かな診療を
歯科医師を志した理由や開業までの経緯を教えてください。

父が歯科医師で、親戚にも医師や歯科医師が多く、誰に言われたわけでもないのですが、自然に歯科医師をめざしました。兄も弟も歯科医師で、兄が福岡の実家の歯科医院を継ぎ、弟は千葉で開業しています。大学卒業後も大学に残って補綴科で部分床義歯の研究を手がけていましたが、たまたまこの場所との出会いがあり、急遽大学を辞めて開業しました。大学病院時代から開業は考えていたので、研究の傍ら、いくつかの歯科医院で非常勤として働きながら、院内の雰囲気づくりや患者さんへの対応、アポイントシステムなどを勉強し、良いと思った点を「いいとこどり」で開業時に取り入れました。横浜で開業したのは、卒業大学の神奈川歯科大学も近く、知り合いも多いので患者さんの治療について連携したりするのにも便利ですし、心強いからです。また開業後も研究生として大学院での研究は続けていました。
クリニックの特徴を教えてください。
これが特徴と言えるものはありませんが、しいて言えば幅広く、患者さん一人ひとりに合わせた多様な診療が特徴でしょうか。当たり前のことですが、実はこれが一番難しいのです。患者さんの口の中の状況やライフスタイル、経済的な面も含めてご希望に沿うものを提案し、納得して治療を受けていただき、満足してもらえるように毎日取り組んでいます。患部や治療部分が見えないことからくる不安を取り除くために、口腔内カメラで患者さんにも口腔内の様子を見てもらっています。患者さんの年代は幅広く、特にお年寄りとお子さんが多いですね。40年近く開業していますので、小学生や中学生の時に診ていたお子さんがお父さんやお母さんになって子どもを連れて来てくれます。開業医ならではの喜びですね。
診療に際して大切にされていることは何ですか。

歯科医師の技術や技工物の品質は、患者さんには目に見えない部分であることが多いですよね。患者さんは「痛くない」「よく噛める」「見た目がきれい」など、ご自身で自覚できる部分でしか治療の質を判断できないのではないかと思います。ですから当然のことですが、常に歯科医師として精一杯、良心的な治療を行うように努力しています。急に金属の値段が上がり赤字覚悟で治療しなければならないこともありますし、出来上がってきた技工物の質に満足できず、別の技工所で作り直したこともあります。何よりも患者さんを大切にすること、患者さん優先と考えていますので、技工所やスタッフにも同じ思いを持ってほしいと考えています。
食生活のアドバイスをしたり、高齢者の話し相手にも
子どもの歯科治療について教えてください。

やはり治療を嫌がったり、泣くお子さんもいますから、お母さんにも診察室に入ってもらい、近くで治療を見守ってもらいます。本格的な矯正治療は矯正専門の先生に紹介しますが、反対咬合(受け口)の治療である咬合誘導装置を用いた矯正は当院で手がけています。透明な装置を夜寝る時に装着して、ベロの癖などの改善を図る方法でお子さんへの負担も少ないのが特徴です。早めに始めると反対咬合にも良い影響が期待できることが多いです。近年、歯並びの悪いお子さんは増えており、原因は食生活にあると考えています。根菜料理など和食はよく噛むので顎の発育にもつながりますが、ファストフードや加工品などやわらかい物は噛む回数が少ないため顎が発達しにくく、歯並びに悪い影響を与えるのですね。昔は、お父さんが晩酌をして、つまみのスルメを子どもも食べたりしていたものですが、そういう習慣がなくなってきたことも影響しているのだろうと考えています。
お母さん方にはどのようにアドバイスされていますか。
お母さんたちには、根菜料理を取り入れ、白米は30回以上噛むように指導し、「食べる訓練をしてください」とお伝えしています。食事中に水をよく飲む子はよく噛んでないので、水やお茶を飲みながら食べることも避けるようにお願いしています。噛む回数を増やせば自然に唾液は出るようになるものです。外へ遊びに行くときにはキシリトールのガムを噛むようにアドバイスもしています。噛んでいると唾液も出てきますし、顎も発達してきます。よく噛むことを習慣づけ、顎を発達させる工夫をしないと歯並びが悪くなりがちであること、それをお母さんたちに理解していただいて、日々の生活の中で改善してもらいたいと努力しています。
長年診療をしていく中で感じる変化などがあれば教えてください。

街の変化に合わせて、歯列矯正などの審美系に関心を持たれる方が増えてきています。矯正については、患者さんからご要望をいただくこともあり、当院でもマウスピース型装置を用いた矯正を導入しました。基本的にはご要望いただいた方に詳細をお話しする場合がほとんどですが、診察をしていく中で矯正の必要性を感じたときには、私からもお声がけさせていただいています。歯並びだけでなく噛み合わせの改善、将来的な虫歯の予防にもつながります。お一人お一人の状況を総合的に判断し、最善の方法を一緒に考えてまいりますので、審美系の診療に興味のある方はお気軽にご相談いただければと思います。
歯の健康を守るため、予防歯科にも熱心に取り組む
院内方針としてスタッフに指導されていることは?

患者さんへの受け答えや、話し方、電話の受け答えなどは、私が理想形をまとめ、スタッフに指導しています。患者さんへの対応でクリニックの雰囲気というのは大きく変わると思います。また丁寧な言葉遣いを心がけつつ、場合によっては親しみを増すように、少しくだけた声かけをするなど臨機応変に対応してほしいと言っています。親しみを込めて「ばあさんも元気だなー」なんてざっくばらんな物言いをすると喜んでくれる患者さんもおられます。患者さんとも長い付き合いになると「ここまで言ってもいい」「こんなふうに話したほうが向こうも話しやすい」などとわかりますから、特にお年寄りには様子を見ながら柔軟に対応することが必要ですね。この地域では一人暮らしのお年寄りが増えていますので、そうした方の話し相手になりコミュニケーションを育むことも私たちの役割だと考えています。
歯科医師としての道程に、どんな思いをお持ちですか。

昔、先輩の先生に「患者さんを大切にすると、それは自分に返ってくる」と言われました。日々、患者さんを大切にする診療を続けていると、信頼してくれる患者さんや自分と相性の合う患者さんが増えていき、結局、自分の仕事もうまくいくということで、その言葉を今も肝に銘じています。歯の治療には、経済的な負担、見た目の負担、噛む時の負担など患者さんにさまざまな負担があるので、将来的なことまで考えてどの治療法がいいのか一緒に考えることが大切だと考えています。また、仕事や家族関係を聞き出して治療に役立てたり、配慮したりすることもあります。難しいこともありますが、これは開業医としては必要なことだと思いますね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
子どもも大人も、「予防」が大切だと知っていただきたいですね。予防として定期的に検診を受けていれば、虫歯になる前にケアができることが多いですし、虫歯になっても表面のエナメル質だけならば治療も痛くはありません。歯科嫌いの人は、昔痛い治療を経験して、痛いのが嫌だからと歯科に行かなくなり、行かないから虫歯ができ、痛くなってから治療を受けるから治療も大変で、また嫌になるという悪循環に陥りがちです。定期検診を受けて予防すれば、虫歯の痛みや治療の痛みも防ぐことにつながります。ぜひ、歯科に気軽に来ていただいて、歯の健康を守ってください。
自由診療費用の目安
自由診療とは咬合誘導装置を用いた矯正/5万5000円~
マウスピース型装置を用いた矯正/4万4000円/月※例:治療回数が5回の場合は22万円
審美歯科:セラミック治療/5万5000円〜、ホワイトニング/1万1000円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。