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立山悟志 院長の独自取材記事

さくら小児科・内科クリニック

(世田谷区/経堂駅)

最終更新日:2020/04/01

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小田急線経堂駅前の商店街をぬけ、緑に囲まれた一角にある「さくら小児科・内科クリニック」は、川崎市中原区にある「中島医院」の分院として開院、2013年4月に立山悟志先生を院長に迎え本格的に始動したばかり。小児科激戦区でもあるこの地域で、日曜日の診療や、両親へのワクチン勉強会を開催するなど、いつでも、どんなことでも相談できるクリニックとして、地域の子どもたちや両親を支えていく。子どもをとりまく大人の都合が優先されることが目立つ中、小児科医として何よりも子どもを一番に考える立山先生。その姿勢には一本筋が通っているが、決して押し付けるようなことはなく、穏やかで優しい接し方が印象的だ。二児の父である立山先生だが、子どもたちからは頼れるお兄さんのような存在になるのではないだろうか。そんな立山先生に院長就任の経緯や診療モットー、医師をめざしたきっかけや休日の過ごし方などたっぷりと語っていただいた。
(取材日2013年5月30日)

日曜診療やワクチン勉強会を通じて、気軽に相談ができる身近な存在に

はじめに院長就任の経緯やこれまでの経歴についてお話ください。

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「さくら小児科・内科クリニック」の母体である「中島医院」の院長、中島夏樹先生とは、聖マリアンナ医科大学病院の予防接種・感染病の研究班でご一緒させていただいたことがあり、「知っている後輩に任せたい」という中島先生の意向でこの度、院長に就任しました。それまでの約14年間は、大学病院や関連病院の小児科に勤務し、「365日24時間」体制のもと、子どもたちを診てきました。その経験を生かして当院では日曜日も夕方診療を行なっています。やっと本格的に始動したばかりで、近隣にお住まいの方でもまだまだ当院についてご存じない方も多いようですが、「何かあったら診てくれるところ」と思っていただければと思います。

病院勤務とクリニックでの診療の違いはどういったところにありますか?

病院は、そこに来るまでに色々な医師が診察をしてそれでも治らない方や、親御さんが通常とは違うから病院にいったほうがいいと判断した方が集まるところなので、検査や入院による治療がメインになります。でも、僕は病院勤務の頃から、患者さんの細かな話を聞き、どんな暮らしをしているか、どんな時間の使い方をしているかまで考慮した上でその人に必要な検査や診療をするほうが優しい治療だと考えていました。「病院なんだから、そこまでしなくていいんじゃない」というところまでやっていた気がします。そういった姿勢こそクリニックの診療だと思うので、これからは患者さんが思ったことをポロっと言えるような、身近な存在になりたいですね。

ワクチンに関する説明会を開催されているそうですね。

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病院では一か月検診の際に、これから受ける予防接種についてお話をしていました。当院でも毎月一度は「パパママのためのワクチン勉強会」を開いています。病気になる前にワクチンを知っておいて頂くということは非常に大切と思いますので、地道な活動ではありますが、今後も続けていく予定です。基本的に国が定期接種としている種類については、安心して打っていただいても問題ないのですが、副作用など何かあったことだけがクローズアップされてしまい、過敏になってしまったり不安になる親御さんも少なくないのが現状です。「なぜ受けなくてはいけないのか」、「熱でも出たらどうするんだ」という考え方だけではなく、大切な生命が税金によって救われているということも含めて、考えていかなくてはいけないのかもしれませんね。説明会ではこうした内容や同時接種のメリットなどについてもお伝えしています。

子どもにとって一番よい環境で、オーダーメードの診療を

先生が診療の際に大切にされていることは何ですか?

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診察が終わって家に帰ってからの患者さんの生活で、「ここに来てよかった」と一つでも思ってもらえるようにすることです。鼻が詰まっていたらそれを取り除いてその日の夜にゆっくり眠れるようにしてあげる、お腹を壊していたら食事のアドバイスをして悪化しないようにする、「旅行に行ってもいいですか」との質問には持っていく薬の情報を与えるなど、皆さんの生活に合わせてオーダーメイドすることが、僕の中で一番大切なこととしています。そのためには、患者さんがどうしたいのかを聞きだし、なるべく予定通りに日常生活を過ごせるようにしてあげたいと常に考えています。また、院内では、患者さんのことは自分の子どもだと思っており、家に帰られる際には自分の子どもをお任せするような気持ちでいるため僕から、こうしていただきたいということをお伝えします。もちろん親御さんの希望もあり、それに応じることもあるのですが、子どもにとって一番いい環境を整えて、親御さんに協力していただけるように一人ひとりに伝えていければと思います。

これまで小児科医を続けてこられて何か印象に残っていることはありますか?

新生児室にいたことがあるのですが、新生児室は小児科医にとって特殊な場所で、すごく大変でした。時間も体もなげうって、当直しかり、普段の業務もしかり緊張の連続の中、働き続けます。だからこそ、患者さんが帰る時にみんなで「よかったね」と見送る瞬間は本当に幸せなひと時です。以前、新生児室で担当していたお子さんが大きくなって僕を訪ねてきてくれたことがありました。そのお子さんが赤ちゃんの時の写真を見ていたら僕の姿があり、お母さんから「あなたはこの先生に救っていただいたのよ」と聞いたことで、「会いに来ちゃいました」と顔を出してくれたのです。当時のお子さんの状態は非常に悪く、医師は研修修了し間もない僕ひとりしかおりませんでした。なんとかできるだけの力で処置、治療を行い、事なきを得ました。ですので、久々の対面は本当に嬉しかったですね。10年以上経った今でも年賀状をいただきますが、拝見するたびにあの夜のことが思い出され、また本当に生きていてくれて良かったと心から思います。こうした良いことばかりではなく、つらい治療に懸命に耐えて来たのに、最後に小さな生命が失われることもありました。そのような過酷な環境で今日まで何年、何十年もずっと新生児医療を続けている先生も中にはいらっしゃいます。小児科にもいろいろな科専門分野がありますが、中でも新生児室を担当されている先生方には本当に頭が下がります。

ところで、先生はなぜ小児科医という職業を選ばれたのですか?

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最初は小学校の先生になりたかったんです。そこで進路選択の際に教育学部に行きたいと言ったら、当時の担任の先生にやめた方がいいと反対されました。僕の親は医師ではないのですが、曾祖父は医師だったらしく、祖母は僕の父を医師にしたかったようです。父から「おばあちゃんは私を医師にできなかったことが心残りだと言って死んでいった。そのかわりじゃないけれど、おまえが医師になってくれたらいいな」と言われて。そこまで言われちゃうとね。親孝行もいつできるかわからないし、それでいいのであればという気持ちで医師をめざすことにしました。こんな感じなので、本当にお医者さんになりたくて努力してきた人の前では大きな声で言えないんです(笑)。医師になってからは子どもに関われる仕事ということで悩まず小児科に進みました。元々楽天家なこともありますが、結果的にはこの選択でよかったと感じています。

治そうとする子どもとそれを支える親を見守っていきたい

お忙しい中、休日はどのように過ごされますか?

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子どもたちと一緒に遊んで過ごします。でも、もうお父さんと遊ぶよりも友達と遊ぶほうが楽しいようで、子どもたちは勝手に公園に行っちゃうんですよね。だから、一緒に遊ぶときは行き先を決めて、車で遠出をしています。趣味がないのが悩みなんですよ。野球が好きなのですが、子どもはサッカーのほうが好きなので、息子も僕とのキャッチボールは「つきあい」のようです。リフレッシュは、クリニックのお昼休みに、自転車で散歩がてら散策することですね。これまで世田谷区には馴染みがなかったので、町を知るようにしています。日中、同業者の話し相手がいないので、ずっと閉じこもっていると、気持ちが沈むこともありますから、なるべく外の空気を吸うようにしています。

クリニックの今後の展望についてお話ください。

子どもの身体的な問題というのは、大半が風邪などの急性疾患で、放っておくと自然に治るものが多いです。ですから、何か疑問に思った時にふと相談に来ていただけるような存在でありたいですね。もちろん、立場上、病気を治さなければいけないのですが、治すのはあくまでもお子さん自身とそれを支えるお父さん、お母さんで、僕はそれを見守る人という位置づけで十分かな。「昔、とても世話になったけど、あの先生なんて言ったっけ?」という感じで世代をまたいで受け継がれたいですね。かっこいいことを言えば、誰ひとり病気をしないで、元気な子どもだけで構成されるよう世の中になるのが一番です。僕の仕事はなくなってしまいますが、それならそれで別の仕事を探せばいいですしね。けっこう大きな夢です。やっぱりかっこつけすぎですね(笑)。

子育て中の読者の皆さんに、メッセージをお願いします。

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女性をターゲットにしたアピールが多い中、僕はあえてお父さんに申し上げたいと思います。お父さんはどんなに仕事が忙しくても、家に帰ってきてまったく子どものことが気にならないということはないですよね。何かできることはないかと悩んだり、何をすればいいか困っている方も意外に多いんですよ。ですから、健診の時に横にお父さんがいらっしゃれば、僕はあえて「せっかく来たので何でも聞いてくださいね」と声をかけるようにしています。そうすると色々とお話をしてくれますね。僕自身もそうだったのですが、お父さんになったという実感ってあまりすぐにはわかないんですよね。おっぱいをあげるわけでもないし、お腹の中で動いていたわけでも、お腹を痛めて生んだわけでもないのでね。だからこそ、もし、お父さんも不安に思っていることがあれば、土曜日や日曜日にお話しをしに来てください。もちろん、「お父さんに言っても、やってくれない!」というような、お母さんの相談にも引き続きのりますので、気軽に来ていただければうれしいです。

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