古田 潤二郎 院長の独自取材記事
ふるた歯科
(横浜市保土ケ谷区/星川駅)
最終更新日:2025/03/13

星川駅から徒歩約3分、商業施設3階にある「ふるた歯科」は立体駐車場にも直結したアクセスの良い歯科医院。子どもから大人まで多様な悩みを抱えた患者が訪れている。1992年の開業から30年以上がたち、親子3代で長く通う家族も多いという。「虫歯や歯周病の治療に限らず、お口についての気づきを得る場所としても、気軽に足を運んでほしい」と話す古田潤二郎院長は、歯科治療だけでなく、子どもから高齢者までの口腔機能の改善にも注力している。治療の面では歯科用CTやCAD/CAMシステムなど先進の機器をそろえ、インプラントや根管治療といった精密さが必要な治療にも対応する。優しい笑顔で地域住民の健康を見守る古田院長に話を聞いた。
(取材日2024年11月15日)
安全性と快適さに配慮した「銀歯を入れない歯科医院」
クリニックの特徴を教えてください。

お子さんから高齢の方まで、幅広い年齢層に対応できる「家族で長く通える歯科医院」で、私を含め5人の歯科医師があらゆる世代のお口の健康をサポートしています。最近ではCAD/CAMシステムを用いた白いかぶせ物の保険適用が広がったことで、ほぼ「銀歯を入れない歯科」となりました。また、小児や高齢者の口腔機能のサポートにも力を入れています。駐車場からすぐという利便性もあってか、車いすやご高齢の患者さんも多く、土日祝日も平日同様に19時までの診療で、忙しい学生さんやお勤めの方にも気軽にご利用いただけます。診療時や器具の消毒には強電解水を使用し、感染症対策として器具の滅菌を行うオートクレーブ(高圧蒸気滅菌処理機器)は先進のタイプを導入しています。
保険診療で白い補綴物を入れられるのですね。
口腔内スキャナーで採取したデータを元に、レジンと呼ばれる樹脂素材でつくった詰め物・かぶせ物を入れる方法が主流となりつつあります。以前は自費診療でしたが、現在はほとんどのケースで健康保険が適用されます。印象材を使う従来の型取りは、時間がかかる、不快感がある、材料を誤飲するリスクがあるなど、患者さんの負担が大きいものでした。一度使った印象材は廃棄となりますから、環境負荷も気になります。対して、口腔内スキャナーを用いれば、短時間で精密なデータを得られます。即日院内で技工でき、場合によってはその日のうちに補綴物を入れることも可能です。例えば、海外から一時帰国中の方からの「1日でなんとかしてほしい」といったニーズにもお応えできます。
診療方針をお聞かせください。

例えば同じ虫歯でも、プロセスは一人ひとり異なります。なぜその症状が出たのかそれまでの軌跡をさかのぼり、患者さんが体と心に抱える問題や根本的な原因を丁寧にひもとく作業を大切にしています。そうやって症状が再発しない環境を整えなければ、どんなに良い治療を行えたとしても治せたとは言えません。そのため、当院では治療と同時進行で、ブラッシングなどの口腔衛生指導や食育をからめた生活指導を行います。虫歯を治して終わるのではなく、虫歯になりにくい口腔環境をつくり、十分な機能を維持できるようサポートしていくのが、お口のかかりつけ歯科医としての役目だと思っています。
小児や高齢者の全身の健康につながる口腔機能にも着目
インプラントや根管治療での工夫を教えてください。

歯科用CTやCAD/CAMシステム、マイクロスコープなどの先進機器を導入しており、インプラントや根管治療といった高度で精密さが必要な治療にも対応可能です。安全性を重視し、口腔内の細菌が根管内に侵入するのを防ぐため、治療によってはラバーダムを使用するなど衛生管理を徹底しています。インプラント治療は、歯科用CTの撮影データから埋め込み用のガイドを作る「ガイデッドサージェリー」を導入しており、技工所とも緊密に連携しながら高精度の治療をめざします。データをもとに適切な位置・角度・深さをシミュレーションして作成したガイドに沿って埋入するので、歯茎切開もほぼなく、術後の早期回復も期待できます。
子どもの口腔機能の問題解決にも注力しているとか。
口呼吸で、集中すると口がポカンと開けっぱなしになる子が増えています。噛む、飲み込む、話すといった機能が十分に発達しない口腔機能発達不全症は、食事がしづらいほか、口呼吸で口の中が乾燥して雑菌が体内に侵入しやすくなるなど、全身の健康に悪影響を与える場合も。口唇閉鎖力と舌圧の検査結果と問診により口腔機能発達不全症と診断される場合には、生活改善や唇や舌の筋肉を使う体操の指導などで改善をめざします。乳幼児期からのお口の発達のサポートを親子で楽しみながら日常生活に取り入れられる方法を提案できるスタッフも多くいます。噛み方や姿勢の改善に加え、風船や吹き戻しといった玩具やガムを使う訓練、TVを見る際に小さなクリップを咥えて口を閉じる習慣をつけるといった方法もあるのです。また、アデノイド肥大やアレルギー性鼻炎などが原因となっているケースもあるので、耳鼻咽喉科との連携も強化しています。
高齢者の口腔機能低下も心配です。

口腔機能に着目したそもそものきっかけは、やはり高齢者の機能低下でした。その後、別の主訴で受診する子どもたちにも機能不全が多いことに気づき、アプローチを強化した形です。高齢になると筋力の低下や病気などの影響で、オーラルフレイルという口腔機能が衰えた状態、それが重症化した口腔機能低下症の方が多くなります。しっかり噛めない、うまく飲み込めない、唾液の分泌が減るなどの症状が見られ、やがて口腔内全体が悪化して、全身の健康にも悪影響が懸念されます。舌圧や咀嚼機能の検査により、感覚的なものだけでなく数値で症状を把握して、患者さんにもご説明しています。このように年齢を問わず口腔機能が大切なことを、ご本人はもちろんご家族にも知ってほしいと思います。保土ケ谷区歯科医師会では、区民対象のイベントや公開講座を通じて、虫歯・歯周病と並んで口腔機能の発達不全症や低下症、オーラルフレイルへの啓発を進めています。
口の問題に気づきを得て、解決の糸口が見つかる場に
ほかに力を入れている診療があれば教えてください。

最近ご相談が多い睡眠時の歯ぎしりや食いしばり、顎の痛みや、睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピースを用いた治療にも注力しています。歯ぎしりや食いしばりは歯を傷つけるだけでなく、顎関節症や歯周病にも関連し、頭痛や肩凝りの原因にもなりかねません。また、無自覚の方も多いですが、歯は夜寝ている時に壊れやすいので、睡眠時に装着する保険適用のマウスピースでしっかり守っていただきたいですね。また、歯がもろくなる、すり減った感じがする、詰め物がすぐに取れるといった方は、逆流性食道炎で口中に酸が出ている可能性もあります。必要に応じて内科や心療内科とも連携し、心と体の状態に気を配りながら根本原因からの解決をめざすことが重要です。このほかホワイトニングでは使用する薬剤やシステムをニーズに合わせて見直し、知覚過敏のある方には痛みに配慮した方法で行っています。
診療時に心がけていることをお聞かせください。
まずは患者さんがどのような悩みを抱え、どのような環境にあるのか、さらにどのような治療を望んでいるのかを把握するために、的確な質問をすること。そして話しやすい雰囲気づくりを大切にしています。めざすゴールが決まったら、わかりやすい説明できちんと納得していただいてから治療に入ります。治療に関しては、お口の中を触るときの器具の当たりや手の当たりをできるだけ優しくするよう、スタッフにも徹底させています。「病気でなく患者さん自身を診る」「納得して帰っていただく」ということは、開業以来からの変わらぬ方針です。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

診療に加え、歯科医師会の活動も通して、地域の子どもたちにお口の健康の大切さを伝えていければと思っています。特に口腔機能の発達不全は、全身の成長や知能発達にも影響すると示唆するデータも。子どもたちや子育て中の親御さんに集いと情報提供の場を設けられればと思います。また、骨粗しょう症やアデノイド顔貌、気道の状態など、お口を診る歯科医師だからこそ気づけることも。医科との連携も深めながら対応を強化したいですね。歯科医院は虫歯を治療するだけでなく、お口の問題に対して気づきを得る場所でもあります。解決の糸口が見つかるかもしれないので、お口に気がかりがあれば何でも気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円、歯列矯正(全顎矯正)/77万円、小児の咬合育成(口腔筋機能訓練)/5万5000円 ※相談・検査・診断・訓練までの標準料金、ホームホワイトニング/3万8500円(トレー作製代、2週間分薬剤含む)、オフィスホワイトニング/2万5000円(1回)