マイクロスコープを使った根管治療で
再治療のリスクを低減
きのした歯科クリニック
(横浜市南区/井土ヶ谷駅)
最終更新日:2024/01/12
- 保険診療
虫歯が神経にまで達してしまった場合などに必要となる根管治療。感染源を取り残してしまうと再治療のリスクが高まり、結果として抜歯の可能性も高まってしまう。そのため精密な治療や入念なチェックを行い、できる限り再感染のリスクを抑えることが求められる。そこで「きのした歯科クリニック」では必要に応じて歯科用顕微鏡のマイクロスコープを活用し、拡大下での根管治療に取り組んでいる。「100%良くなると言えないところが根管治療の難しさ。だからこそマイクロスコープなどを使い、患者さんの歯を残すためにできることは何でも行いたい」と話す木下寧彦院長に、根管治療が必要なケースをはじめ、治療の流れ、費用や期間などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年12月11日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qそもそも根管治療とはどのような治療でしょうか?
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A
根管治療は虫歯に感染してしまった神経を取り除き、神経が通っていた管をきれいにし、そこに薬を詰めてかぶせ物をするというのが基本です。ですから根管治療が必要になるケースとして多いのは、大きく虫歯が進行してしまった場合。神経を取らなければ痛みはなくなりませんからね。そのほかには根管治療を行った箇所が何らかの原因で再感染してしまうというケースもあります。感染源が残ったままかぶせ物をしてしまうと、再度感染してしまいます。歯は何度も治療すると抜歯のリスクも高まりますから、しっかりと感染部分を取り除くことが何より重要です。そのためにも歯科用顕微鏡のマイクロスコープなどを使った精密な治療が求められます。
- Q根管治療で活用されるマイクロスコープについて教えてください。
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A
マイクロスコープは患部を20倍まで拡大して見ることができる歯科用の顕微鏡です。歯によって太さは違いますが、前歯ではボールペンの芯ほど、奥歯に至ってはその2分の1ほどの細さになります。肉眼だけでは汚れや感染源が取れているか確認することは難しいもの。皆さんも掃除をする際には目で見て汚れを確認するかと思いますが、見えないままで汚れが取れているかどうかはわかりませんよね。だからこそ拡大して患部を見ることが欠かせないのですが、マイクロスコープを使ったからといって100%染源を取り除けるとは言えません。そのため当院ではレーザーを活用したり、薬を詰めたりして、100%に近づけられるよう努めています。
- Q具体的な費用と治療期間を教えてください。
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A
マイクロスコープを使った精密治療に関しては、当院では基本的に保険診療内で実施しています。患者さんの歯を長持ちさせるのが一番の目標ですからね。治療期間ですが、一般的には4〜5回程度の通院が目安でしょうか。根管治療は時間がかかるというイメージがあるかと思いますが、細菌を取り残して再治療になってしまっては意味がありません。初めての治療だと意外と簡単にきれいになることが期待できるものの、再治療では感染や汚れが広がっていることが多く、通常よりも時間がかかりやすいです。また、一つの歯には何本も神経がありますから、1本1本細かくチェックしようと思えば、通院回数は増えてしまうのです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1まずは主訴に対応し、根管治療が必要かどうかチェック
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まずは痛みなど主訴の応急処置を受け、虫歯や歯周病などがないかチェック。エックス線やCTを撮って歯の根の部分に膿がたまっていないかなど、根管治療が必要かどうかを確認してもらう。
- 2検査結果を確認し治療を選択
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検査結果をもとにコンサルテーション。根管治療について説明を受ける。再治療の場合は抜歯が必要になるケースもあるため、しっかりと説明を受けて治療を実施するかどうかを決定しよう。
- 3マイクロスコープを使って治療とチェック
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進行した虫歯の場合は感染部分を取り除き、感染した神経も取り除く。また再感染の際にはかぶせ物を取って、再度神経の管をきれいにする。マイクロスコープを使って細かい部分の治療や除去状態をチェックし、治療ではレーザーも活用。薬を詰め、ファイバー製の土台を埋めていく。
- 4かぶせ物を装着
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土台を作った後は、かぶせ物を作製。歯とかぶせ物がずれているとそこから再感染するリスクが高まるので、しっかりと適合をチェックしながら装着しているそう。
- 5定期的に通院しメンテナンスを受ける
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治療後は定期的にメンテナンスを受け、異常が起きていないかなどをチェックしてもらう。口腔内の状況により1〜4ヵ月の間隔で通院し、クリーニングや定期検診で口腔環境を維持しよう。