溝渕 真一郎 院長の独自取材記事
みぞぶちクリニック
(羽曳野市/古市駅)
最終更新日:2026/10/15
近鉄南大阪線・近鉄長野線の古市駅西出口から徒歩約1分。駅前に立つ「みぞぶちクリニック」は、脳神経外科や整形外科を中心に地域住民の健康を支えてきた。2025年に院長に就任した溝渕真一郎先生は泌尿器科を専門とする医師で、救急医療や訪問診療にも携わってきた幅広い経験の持ち主だ。先生の着任によりエコー検査が導入され、排尿トラブルや前立腺疾患にも対応可能になるなど、診療の幅は一段と広がった。「患者さんやご家族に一番負担が少ない方向で治療できれば」と穏やかに語る物腰のやわらかさが印象的で、丁寧に話を聞いてくれると評判を聞き他院から移ってくる患者もいるという。地域のかかりつけ医としての思いや新たな取り組み、今後の展望についてじっくりと話を聞いた。
(取材日2026年10月2日)
救急で培った対応力と泌尿器科の専門性を地域に
先生がこちらのクリニックで診療されるようになった経緯を教えてください。

山梨大学医学部を卒業後、奈良県立医科大学での初期研修を経て泌尿器科に入局しました。その後、複数の病院で泌尿器科医として研鑽を積み、直前の勤務先では泌尿器科の外来を担当しながら、系列の訪問診療クリニックで管理者も務めるなど、外来と訪問診療の両方を経験してきました。そうした中で高校の同級生の医師を通じて、前任の先生の後任として院長就任のお話をいただいたのが、こちらで診療を始めたきっかけです。前任の先生は脳神経外科がご専門でしたので、それまで通われていた患者さんをすべて引き継いでいます。専門外の分野も多く扱っていますが、一つ一つ勉強を重ねながら、クリニックでできる範囲でしっかり対応するよう日々努めています。
泌尿器科を専門に選ばれた理由をお聞かせください。
大学時代に所属していたラグビー部の顧問が泌尿器科の教授で、そのご縁で泌尿器科に興味を持ちました。手術にも携わりつつ、一般の外来のように幅広い症状を診られるところに魅力を感じ、この道に進みました。勤務先の一つだった多根総合病院は大阪でも有数の救急搬送を受け入れる病院で、当直の際にはまず私が最初に患者さんを診察・検査し、必要に応じて各科の専門の先生に振り分ける役割を担っていました。救急にはどのような症状の方が来るかわかりませんから、専門を問わず幅広く対応する力が求められます。そこで培った経験が、今クリニックでさまざまな症状の患者さんを総合的に診る際の土台になっていると感じています。
先生が着任されてから、新たに取り組まれていることはありますか?

着任後にエコーの検査機器を新たに導入しました。以前は置いていなかったのですが、腎臓や前立腺の状態をこちらで確認できるようになり、特に高齢の男性に多い前立腺の疾患についてもしっかり診られる体制を整えました。頻尿や尿漏れといった排尿のお悩みにも幅広くお応えできますので、おしっこのことでお困りの際はぜひお声がけください。また、難病指定医の指定も受け、診断書の作成などにも対応しています。泌尿器科を専門とする医師が加わったことで、以前にはなかった相談の窓口が広がったのではないかと感じています。大きな病院をいきなり受診するのはためらいのある方もいらっしゃると思いますので、まずは当院にお越しいただき、そこから一緒に考えていけたらと思っています。
教科書どおりではなく、患者に負担の少ない治療を
現在、どのような症状の患者さんが多く来院されていますか?

現在は整形外科的な症状でお越しになる方が最も多く、腰や膝の痛み、骨折や軽い傷の処置なども診ています。前任の先生から引き継いだ認知症やパーキンソン病といった脳神経系の患者さんも継続して診ており、お薬の調整や経過の確認を丁寧に行うよう心がけています。リハビリテーションについては、首や腰のけん引、肩や腰のマッサージなど、痛みの緩和や日常生活動作の維持を目的とした内容が中心です。さまざまな症状をお持ちの方に頼っていただけるクリニックをめざし、日々の診療に取り組んでいます。
診療にあたって、大切にされていることを教えてください。
教科書的にはこういう治療をすべきだと決まっている場合もありますが、実際には通院が難しかったり、ご本人の状況によって同じ方法が取れなかったりすることもあります。ですから、患者さんやそのご家族に一番負担が少なく、続けやすい方向で治療を進められればと考えています。また、診察の際には気になっていることがあっても聞きにくいということがないよう、こちらから「わからないことはないですか」とお声がけするようにしています。ちょっとしたことでも遠慮なく話していただけるような雰囲気づくりを大切にし、治療に対する不安をできるだけ取り除けるよう努めています。患者さんお一人お一人の暮らしや状況に目を向けることが、日々の診療の基本だと思っています。
患者さんへの説明で工夫されていることはありますか?

新しいお薬をお出しする際には、電子カルテの画面でわかりやすい図をお見せしながらご説明するようにしています。例えば排尿のお悩みであれば、体の仕組みの図を使って「ここがこういう状態だからこの薬で治療しましょう」と、原因と治療の流れを視覚的にお伝えします。また、痛風やコレステロールが高い方には、食事で気をつけていただきたいポイントをプリントにまとめてお渡ししています。これは私が着任してから始めた取り組みで、よくある疾患については簡潔にまとめた資料をご用意し、ご自宅でも確認できるようにしました。口頭でのご説明だけでは忘れてしまうこともあると思いますので、お手元に残るかたちでお伝えすることで、日々の生活の中で少しでも意識していただけたらと考えています。
地域のかかりつけ医として、生涯わたってサポートを
通院が難しくなった患者さんへは、どのように対応されていますか?

通院が難しくなった患者さんには、ご自宅への訪問診療をご案内しています。以前の勤務先で訪問診療クリニックの管理者を務めていた経験があり、老人ホームや在宅の患者さんのもとを数多く訪問してきました。病院と違って検査機器のない環境でどこまで対応できるかを判断する力は、その時期に培われたものだと思います。現在は外来に通っていた方が通えなくなった際に訪問をご案内するケースが中心で、駅前の看板をご覧になったご家族がご相談に来てくださることもあります。その場合はケアマネジャーさんと連携しながら調整を進めていきます。外来の合間であれば十分に伺えますので、今後もできる範囲で訪問診療には力を入れていきたいと考えています。
今後、力を入れていきたいことや展望をお聞かせください。
地域の頼れるかかりつけ医として、一人の患者さんの健康を長くサポートし続けたいという思いがあります。必要に応じて訪問診療でもお伺いしますし、何科にかかればよいかわからないというときにも、まずこちらに来ていただければ対応できる範囲で診察し、専門的な治療が必要であれば適切な先生にご紹介します。専門外の分野についてはまだまだ勉強が必要だと感じていますが、日々の診療の中でしっかり学びを重ね、見落としのない診療をめざしていきたいです。私一人の判断に頼るのではなく、経験豊富な診療放射線技師や看護師と意見を交わしながら、チームとして診療の質を高めていくことも大切にしています。地域の皆さんが困ったときにまず足を運んでいただけるクリニックでありたいですね。
最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いいたします。

私の専門は泌尿器科ですので、排尿に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。それ以外の症状についても、救急医療で培った経験を生かして幅広く診ることができます。軽症であれば総合的に診させていただき、こちらでは難しいと判断した場合にはすぐに専門の医療機関をご紹介しますので、安心してお越しください。通院が困難な方には訪問診療も行っています。院長に就任して以来、患者さん一人ひとりの話に耳を傾け、不安や疑問にしっかりお応えできるよう努めてきました。ありがたいことに患者さんからは「優しくて話をよく聞いてくれる先生」という声をいただくこともあります。どんなことでも構いませんので、何かお体のことで気になることがあれば、まずは当院に足をお運びいただけたらうれしいです。

