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宮内 賢 院長の独自取材記事

北千住Kこころのクリニック

(足立区/北千住駅)

最終更新日:2026/11/02

宮内賢院長 北千住Kこころのクリニック main

2026年11月に開院した「北千住Kこころのクリニック」は、北千住駅から徒歩2分に位置する。2024年に越谷に本院を開業した宮内賢院長は、働く患者が治療を中断せずに通えるよう、同院の開業場所に交通の便が良い北千住を選んだという。患者が気軽に受診できるように、院内は落ち着けるカフェのような雰囲気となっている。同院の特徴は心理カウンセリングを重視し、薬の処方を抑える方針であること。栄養のアドバイスも含め患者一人ひとりに適した対応策で、患者が困難に対処できるよう同院全体でサポートする予定だ。「対話が好きで、この仕事は天職です」と優しくほほ笑む宮内先生に、診療方針を中心に話を聞いた。

(取材日2026年9月16日/情報更新日2026年11月2日)

働く患者が通いやすい立地に満を持して開院

越谷の本院に続き、北千住に分院を開くことなった経緯を教えてください。

2024年に越谷に本院を開業しました。しかし患者さんの半数以上が勤め人のため、お仕事の関係で治療を途中で中断されるケースが見られたのです。メンタルの治療は継続することが重要です。多くの患者さんの職場への中継地点となる北千住に分院を開くことで、患者さんが治療を中断しなくて済むのではと考え開業を決断しました。北千住という立地は、足立区、葛飾区、荒川区、墨田区、台東区などにお住まいの方にも通いやすいと思います。また、女性は更年期に入るとメンタル面の不調が出やすいため、越谷本院では中年期の主婦の患者さんも多いのですが、北千住も住宅街なのでそのような方にも利用してほしいですね。他の病気と同じくメンタルの不調も早めの治療が悪化を防ぐことにつながるので、こんなことで受診していいのかなと思うことでもお気軽にご相談ください。

院内のこだわりはどんなところにありますか?

当院は本院と同様、患者さんの心療内科・精神科への受診のハードルを下げることを目標にしています。そのため院内は病院っぽさを極力排し、くつろげるカフェのような空間をめざしました。木目調を多く使用した自然な雰囲気の院内には、優しいBGMが流れアロマの香りも漂っています。患者さんには視覚からだけではなく、聴覚、嗅覚からもリラックスしていただけるとうれしいですね。お忙しい患者さんが多いためウェブでの予診・問診や、データの登録で院内の会計をパスできるシステムも導入しています。待合室内には無線LANを使用できるカウンターを設置しましたので、活用していただければと思います。

診療方針と診療の流れをお聞かせください。

心理カウンセリングを重視し、薬の処方はできる限り少なくする方針です。薬は必要な際には処方しますが、つなぎのようなものと考えています。また治療後の再発予防にも力を入れる予定です。就労支援も行い、患者さんに伴走し長く関わらせていただきたいと思っています。診療の流れは、公認心理師や保健師が予診室で患者さんからお話を伺い、その後診察室で医師の診療となります。身体面からの確認が必要な場合もあるため、必要に応じて処置室で血液検査や心電図検査も行い、症状に合わせ漢方薬も含めた薬の処方や栄養のアドバイスも行います。初診にかかる時間は40〜50分ほどですね。予診を行うのは、相談の場を分けることで患者さんの緊張を解き、少しでも落ち着いた状態で医師との面談に臨んでもらうためです。

対話をメインに栄養面からも患者を支える

どんな時に受診すれば良いのでしょうか?

患者さんの多くは重症化されてから受診されるケースが多いのですが、早期回復のためにも早めの受診をお勧めします。眠れない、朝起きるのがつらい、仕事の効率が落ちるなどいつもの自分と違うと感じたら、早めにご来院ください。例えばうつ病などでも、軽い症状のうちに受診されたほうが、治療期間の短縮や、薬を服用せずに済むことが見込めます。中には不眠の原因がメンタルではなく、睡眠時無呼吸症候群というケースもありますが、当院はCPAPを導入しているのでその場合も対応可能です。さらに体の不調で内科などに行っても問題がなかった場合、不調の原因が精神面のケースもありますのでその際はぜひご相談ください。

心療内科と精神科は何が異なるのでしょうか。

2つの科は心の病を診療するという点で共通しています。その中で心療内科は、心の病が引き金となり体に症状が現れている方を主に診療します。心の病の原因は、職場環境や対人関係などの心理的ストレスが主ですね。それによる症状は、頭痛、耳鳴り、めまい、腹痛、動悸、倦怠感、下痢、手の震え、血圧の上昇、背中や手足の痛みなど多岐にわたります。一方の精神科は、心の病が感情に症状として現れた方を主に診療します。その疾患として、うつ病、躁うつ病、統合失調症、パニック障害、PTSDなどが挙げられます。重症の患者さんは両方の科の症状を併発されるケースが多いですね。当院では心療内科と精神科を分けて診療しているわけではないので、患者さんは自分はどちらだろうかと考えず、気軽に受診いただけたらと思います。

栄養面からもアプローチされているそうですね。

栄養の不足や偏りは、精神にも影響を及ぼします。心のありようはホルモンバランスに左右される部分もあるのです。幸せホルモンといわれるセロトニンが減少するとメンタルの不調が出やすくなります。体内でセロトニンを生合成するためには、たんぱく質、ビタミンB群、鉄分が必要です。またやる気に関わるアドレナリン、リラックスに関わるギャバの生合成にもビタミンB群は欠かせません。しかしこれらの栄養素は食事だけでは十分に取ることは難しい上、メンタル不調のため食欲不振の患者さんも多くいらっしゃいます。一方で疾患により過食の患者さんもいらっしゃいますが、この場合も栄養バランスが偏っているケースが多いのです。さらに女性の場合は生理で鉄分が不足しがちです。これらのケースの場合は、サプリメントの摂取もお勧めします。

患者一人ひとりに合った方法で困難への対処をサポート

診療の際はどのようなことを大切にしていますか?

診察では、患者さんが少しでも回復できるように力を尽くします。医師・スタッフともに、来院された患者さんに少しでも楽な状態になってお帰りいただくことをめざして治療や接遇にあたる予定です。誰しもストレスと無縁で生きることはできません。治療の段階が進んだら、患者さんがご自身で困難に対処できるようになるためのお手伝いをします。例えば不安になりやすい人には、不安になる場面を避けるだけではなく、不安に陥った時に開き直る方法をお教えするなどですね。また自律神経を整えるために、規則正しい生活をめざします。生活のリズムを整えることは、心と体の不調や不眠などに良い影響をもたらします。特に朝日を浴びるとホルモンが作られやすくなるため、心の不調を整えるためにもぜひ朝日を浴びてほしいですね。

先生が医師を志し、精神科医になった経緯をお聞かせください。

子どもの頃自宅にあった、天才外科医が主人公の漫画を読み医師に憧れて医学部に進学しました。外科的処置は好きだったので大学卒業後は形成外科医として歩み始めました。しかし入院患者さんを担当した際に、対話が患者さんの心を癒やすことにつながると気づいたのです。それを機に、心を患っている患者さんをカウンセリングなどで治療していく精神治療領域に興味を抱きました。実際に心療内科・精神科に転向してみると、人との対話が好きだという自分自身の特性にも気づきました。この領域の治療は薬に頼らなくても対話で患者さんの心を癒やすことがめざせます。さらに一人ひとり背景が異なる患者さんの、それぞれに合った方法で対応していくことにもやりがいを感じます。今はこの分野が自分の天職だと感じています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

先ほどもお話ししたように、メンタル領域も悪化させないためには早期の治療が大切です。眠れない、気持ちが晴れないなどの不調を感じたら、これくらいのことで受診していいのかなと悩まずに早めに相談に来ていただければと思います。心療内科・精神科はまだまだ受診のハードルが高いと思いますが、ちょっと相談をする感じで気楽に利用していただけるとうれしいですね。ストレスの多い世の中ですが、患者さん一人ひとりがストレスとうまく付き合い、ご自身の生活リズムや栄養状態も整えられるよう、スタッフ一同全力でサポートさせていただきます。