滝澤 直歩 院長の独自取材記事
さいとう整形外科リウマチ科日進分院
(日進市/赤池駅)
最終更新日:2026/10/28
赤池駅から車で約5分。白いタイル張りが目印の「さいとう整形外科リウマチ科日進分院」は、名東区の本院が掲げる理念を受け継ぎ、2026年8月に開院した。院長の滝澤直歩先生は、日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本内科学会総合内科専門医でもある。中部ろうさい病院で膠原病内科の医師として10年間務めた後、より早い段階で患者を救いたいという思いから整形外科の世界へ飛び込んだ。ジャズが流れる明るい院内にはサロン風の待合室や広いリハビリテーション室を備え、2階には鍼灸院と接骨院も併設。一つの建物で患者を丸ごと診る体制は全国的にも少ない。「痛みを因数分解する」と語り、とことん患者の痛みに向き合う滝澤院長に、開院の経緯や診療への思いを聞いた。
(取材日2026年10月2日)
楽しい明日のために、リウマチ専門医が整形外科へ
まずは、分院の開院に至った経緯を教えてください。

本院の斉藤究先生は15年にわたり超音波エコーガイド下の注射で難治性の痛みに向き合い、「治せる人をもっと増やしたい」という思いから分院の構想を立てられました。私は中部ろうさい病院で10年間、膠原病内科の医師として重症化してから紹介されてくる患者さんを数多く診てきましたが、「もう少し早い段階で拾い上げられていたら悪化を防げたのではないか」という課題感を抱えていました。また同時に、リウマチ自体は落ち着いているのに整形外科的な原因による痛みを抱えた患者さんへの対応にも悩んでいました。斉藤先生とは超音波の勉強会を通じて出会ったのですが、信頼関係を築く中で分院長のお話をいただきました。この地域にはリウマチ専門医が少ないという背景もあり、抱えていた課題感と重なって内科医から整形外科の世界へ飛び込む決意をしました。本院で7ヵ月間トレーニングを積んだ後、開院に至りました。
先生が医師をめざされたきっかけや、歩まれてきた道のりを教えてください。
きっかけは二つあります。一つは兄が医学部に進学したことです。親戚に医師はいませんでしたので、それまで意識したことがない職業でしたが、兄の姿を見て「そういう道もあるのだな」と思いました。もう一つは、国連難民高等弁務事務所で働いていた叔父の存在です。難民の厳しい現状を聞くうちに、難民問題という大きなスケールを解決することはできなくても、目の前の人に貢献できる仕事に就きたいという気持ちが芽生えました。ある実話を基にした医療に関する映画を観たことも大きく、目の前の一人ひとりを良くすることが自分に合っていると感じて医師を志しました。卒業後は総合内科の医師として働く中でリウマチ膠原病を専門とする医師の不足を痛感し、亀田総合病院で研鑽を積んだ後、中部ろうさい病院でも10年間勤務しました。現在はリウマチ専門医、総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医の資格を持っています。
分院としての特徴や、めざしている医療について教えてください。

本院と同じ「出会った人の楽しい明日のために」という理念を掲げています。痛みを取ることは大前提ですが、ここに来ると気持ちが少しでも明るくなる、そんな場所にしたいですね。院内には音楽が流れていて、観葉植物や絵画を配し、スタッフ全員が同じ思いで患者さんをお迎えしています。建物全体でいうと、1階に整形外科・リウマチ膠原病科の診察室と広いリハビリテーション室を設け、2階には鍼灸院と接骨院を併設しています。それぞれが紹介し合い、リスペクトし合う関係を築いていて、一つの建物の中で患者さんを丸ごと診られる体制は全国的にも少ないと思います。この地域のリウマチ膠原病の拠点となる場所をめざしています。
痛みを「因数分解」して原因をとことん突き止める
なかなか改善しない痛みで来院される患者さんへの対応について教えてください。

「痛みを因数分解する」という考え方を大切にしています。例えば肩が痛いとおっしゃる方でも、原因が関節なのか、周囲の滑液包なのか、帯状疱疹などの皮膚の問題なのかで治療はまったく異なります。まず丁寧に問診と触診を行えば痛みの原因は9割以上絞り込めると考えていて、そこから超音波エコーで確認し、エコーガイド下でのトリガーポイント注射でピンポイントに治療していきます。画像を撮って異常がなくても終わりにはしません。痛みは一つの原因だけでなく足し算で構築されることが多いんです。帯状疱疹後の神経痛と診断されている方でも、実は周囲の筋膜や筋肉から来る痛みが合併していて、リハビリテーションや注射で介入すると軽減が期待できるケースもあります。
リウマチや膠原病の患者さんに対しては、どのような診療をされていますか?
関節リウマチは発症からおよそ6ヵ月で関節の破壊が始まるため、できれば3ヵ月以内に治療を開始することが大切です。朝のこわばりが30分以上続く、関節が腫れている感じがするといった症状があれば、早めにご相談ください。血液検査で典型的な所見が出ないタイプのリウマチや、鑑別の難しい脊椎関節炎なども、これまでの経験を生かして診断しています。若い女性の患者さんには初診時から妊娠・出産のご希望を伺い、逆算してお薬を調整するようにしています。骨粗しょう症の検査・治療にも対応しており、内科の経験を生かして副作用の管理もきめ細かく行っています。
患者さんと向き合う上で心がけていることはありますか?

大切にしているのは、「とことん原因を突き詰める」「原因がわからなくても患者さんを良くする」、この2つを同時に考えることです。分類基準を満たさなくても、関節が痛くて腫れているのであれば、今後の可能性を見据えつつ今ある痛みの治療に踏み込みます。お薬の選択についても、なぜその薬をお勧めするのか、副作用にはどう対処するのかを丁寧にご説明した上で、最後は患者さんご自身に納得して選んでいただくことを大事にしています。暗い表情で来られた方に「しっかりここで診続けますからね」とお伝えすると、ほっとした顔を見せてくださることがあるんです。「先生に会えてよかった」と言っていただけたときには、医師を志してよかったなと心から思いますね。
本院と補い合い、地域のリウマチ膠原病の拠点へ
本院との連携やスタッフの体制について教えてください。

毎週木曜の午前中に斉藤先生がこちらに来て、私が本院へ行く形で医師を交換しています。私の治療でなかなか改善しない痛みは斉藤先生にも診てもらえますし、本院の膠原病の患者さんは私が木曜に診ることもできます。互いの専門性で補い合える仕組みだと感じています。また水曜と土曜の朝は本院とオンラインで理学療法士の勉強会を行い、火曜の朝にはリハビリテーションのカンファレンスで症例の相談をし合っています。総合病院の総合内科・膠原病内科の先生との勉強会も定期的に続けていて、新しい知見を常にアップデートするよう心がけています。スタッフは全員が本院で数ヵ月の講習を経てこちらに赴任しており、マネジャーが両院を行き来しながら運営を見てくれています。全員が同じ方向を向いて、リスペクトし合う明るいチームです。
今後、このクリニックをどのような場所にしていきたいですか?
まずはクリニック、そして建物全体を、日進地区とその周辺における難治性の痛み・しびれ、リウマチ膠原病の拠点にしていきたいですね。もう一つ考えているのは、私のように総合内科や膠原病内科の背景を持ちながら整形外科的な治療もできる医師が増えると、救える患者さんがもっと増えるだろうということです。将来的には見学の方を受け入れ、ここでの診療スタイルを持ち帰ってもらえたらと思っています。理学療法士の教育にも力を入れたいと考えていて、発表の機会も設けながら、勉強ができて成長もできる場所に育てていくことが目標です。
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

痛みやしびれがなかなか改善しない方、他の医療機関で「はっきりしない」「よくわからない」と言われた方がいらっしゃったら、まず一度ご相談ください。何か解決のきっかけになるかもしれないという気持ちで、日々の診療にあたっています。初診の方は電話でのご予約のほか、予約なしでも受診いただけます。広い駐車場がありますのでお車でも通いやすく、赤池駅からは徒歩15分ほど、バスも通っています。リウマチや膠原病を専門的に診てほしいという方にもしっかりお応えしていきます。この建物で連携するさまざまな専門家とともに、患者さんの楽しい明日のために一つ一つできることを積み重ねてまいります。

