症状や程度を見極めて行う
切らない痔の日帰り手術
じけい内科外科クリニック
(名古屋市北区/味鋺駅)
最終更新日:2026/10/15
- 保険診療
肛門の痛みや出血、違和感などがあっても、「痔だろうから大したことない」「心配だけど恥ずかしい」と受診をためらう人は少なくない。しかし、痔と似た症状の背景に大腸がんなど別の病気が隠れていることもあり、医師による見極めが重要だ。「じけい内科外科クリニック」では、外科医として多くの手術に携わってきた寺境宏介院長が症状や排便習慣などを聞き取り、直腸診や肛門鏡、症状に応じて大腸内視鏡検査も行い、丁寧に診断している。治療は生活習慣や排便の改善、軟こうや内服薬などの保存療法を基本とし、必要な場合は日帰りで行えるALTA療法を提案。入院を伴う手術が必要な場合は連携する病院へつないでいる。一人ひとりの状態に合った治療を一緒に考える姿勢を大切にしている寺境院長に、痔の日帰り手術について詳しく聞いた。
(取材日2026年9月1日)
目次
肛門の症状は、自己判断せず早めに受診を。がんなど痔以外の疾患との鑑別もしっかり行い、安心につなげる
- Q痔の種類と特徴について教えてください。
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A
▲長年外科を専門として多くの手術を経験してきた寺境院長
一般的な痔核(イボ痔)は、肛門の内側にできる内痔核と、外側にできる外痔核があります。初期の内痔核は痛みが少ない一方、排便時に鮮やかな赤い血が出ることがあり、外痔核は腫れや痛みを伴います。ほかに、硬い便や激しい下痢などで肛門が切れる「裂肛(切れ痔)」があります。排便時の痛みや、拭いたときに血がつくといった症状が見られます。また、直腸とお尻の周囲の皮膚をつなぐトンネル(瘻管)ができ、化膿や排膿を繰り返す病気を「痔瘻(穴痔)」といいます。痔瘻は自然に治ることが難しく、基本的には手術が必要です。麻酔をかけて行う必要があるため、入院となるケースが多いです。
- Qどのような症状があるときに受診すべきでしょうか?
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A
▲痔だけなく他の病気の可能性も、症状が続くときは早めに相談を
肛門の痛み、出血、血便、何か挟まっているような違和感などがあります。悪化すると治療の選択肢が限られ、大がかりな治療が必要になることもあるので、出血や違和感が続く場合には診察を受けていただきたいですね。大切なのは、「痔だろう」と自己判断してほかの病気を見逃さないことです。直腸がんや大腸がんのほか、虚血性腸炎、憩室からの出血などでも血便が出ることがあります。肛門周囲の痛みについても、痔だけでなく膿瘍や粉瘤、毛穴の炎症など、さまざまな原因があります。診察や大腸内視鏡検査をして、がんではないと確認できるだけでも安心につながります。気になる症状が続くときには、早めに相談していただければと思います。
- Qこちらでの治療や日帰り手術には、どのような特徴がありますか?
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A
▲患者一人ひとりの状態に合った方法を選ぶことが大切
当院では、内痔核に対するALTA療法を日帰りで行っています。薬剤を注射して痔核の縮小化を図る治療で、局所麻酔で行うため、その日のうちに帰宅していただけます。ただ、すぐに手術を勧めるわけではありません。まずは食生活や排便習慣を整え、軟こうや内服薬などで様子を見た上で、必要な方にALTA療法や手術をご提案します。一方で、入院や、しっかりした麻酔が必要な手術については、連携している病院へご紹介します。私は週に1回、総合上飯田第一病院で手術のお手伝いをしていますので、曜日は限られますが、私が担当して手術を行うこともできます。大切なのは、その方の状態に合った方法を一緒に選ぶことだと思っています。
- Q受診から日帰り手術までは、どのような流れになりますか?
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A
▲しっかりと診察・説明を行い、患者の負担が少ないよう進める
まず症状や排便の状態を伺い、直腸診や肛門鏡で診察します。カメラつきの肛門鏡もありますので、希望される方には実際の状態をモニターで確認しながら説明します。ALTA療法が適していると判断した場合は、治療日を決めます。ただし、透析中の方や妊娠中、授乳中の方には行うことができません。当日は前処置後に治療を始めます。局所麻酔の注射には少し痛みがありますが、その後の治療ではほとんど痛みを感じません。内痔核に硬化剤を注射し、薬剤が均一に行き渡るようマッサージします。治療時間は30分から1時間ほどで、終了後は院内で休んでいただき、血圧や体調に問題がなければ帰宅できます。来院から帰宅までは2~3時間程度です。
- Q術後の注意点や、痔の予防のために心がけることはありますか?
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A
▲術後の経過も丁寧にサポート、再発予防に向けたアドバイスも
術後は翌日に一度受診していただき、その後も1週間後など、状態を見ながら何回か経過を確認します。基本的には普段どおりの生活で大丈夫ですが、当日は入浴や飲酒を控え、激しい運動は2週間ほど、自転車など肛門を圧迫する乗り物は1週間ほど避けていただきます。薬剤によって意図的に炎症を起こし痔核の縮小化を図っていきますので、治療後は微熱が出ることがあります。多くは2、3日ほどで治まりますが、高い熱や強い痛みが続く場合には、すぐに受診してください。再発予防には、便秘や下痢を防いで肛門に負担をかけないことが大切です。野菜や水分をしっかり取り、適度に体を動かし、必要に応じて薬も使いながら排便を整えていきます。

