川野 弘道 院長、川野 沙織 副院長の独自取材記事
我孫子前 川野歯科・小児歯科
(大阪市住吉区/我孫子前駅)
最終更新日:2026/09/14
南海高野線・我孫子前駅を降りてすぐ、2026年5月にリニューアル開業した「我孫子前 川野歯科・小児歯科」。70年以上にわたり地域の歯の健康を支えてきた川野歯科を、川野弘道院長と沙織副院長夫妻が受け継いだ。院内にはマイクロスコープや口腔内スキャナー、歯科用CTなどを備え、精密な診査診断と治療を実践。「治療技術はもちろん、診査診断の精度が患者さんの20年後を決める」と語る弘道院長は補綴とインプラントを専門とし、傷んだ口腔内を作り直す咬合再構成を得意とする。沙織副院長は歯の保存に精通し、歯をできるだけ削らない治療と口元を美しく整えるための審美歯科に力を注ぐ。異なる専門を持つ2人の歯科医師がいることで、子どもから高齢者まで幅広い困り事に対応可能だ。両院長に同院の診療の特徴や今後の展望について聞いた。
(取材日2026年8月6日)
70年以上の歴史を継承して新たにスタート
開業の経緯についてお聞かせください。

【弘道院長】当院のルーツは私の祖母が1953年に開院した「川野歯科」です。その後、叔父が駅前へクリニックを移転し、住吉区遠里小野で70年以上にわたって診療を続けてきました。祖母は私が通っていた小学校の学校歯科医でもあり、歯科検診の日に祖母がやってくるのがとても誇らしかったことを覚えています。大学在学中から祖母が作った川野歯科を引き継ぎたいと考えていました。そして引き継ぐにあたり、身につけてきた技術を提供するためにはさまざまな設備が必要だったため大幅に改装を行い開院しました。
外観も内装も、とてもスタイリッシュですね。
【弘道院長】ありがとうございます。小さなお子さんからご高齢の方までさまざまな年代の方が通いやすいように落ち着いたデザインにしました。当院に通っていることがステータスになる、そんな価値を生み出したいと考えています。待合にはキッズスペースを作り、診療スペースには患者さんとしっかり話せるように専用の部屋を2つ作りました。2階にはお子さんがお口周りの筋肉を正しく使えるようにトレーニングするMFTルームを用意し、クリニック全体が生まれ変わりました。実は祖母が開業時に作った看板を入り口に取りつけました。祖母が見守ってくれているようで心強いですし、クリニックの雰囲気にもマッチして気に入っています。
設備はどのようなものがありますか?

【弘道院長】患者さまにより良い医療を提供するため、設備は開院直前まで細かく選定しました。大型機械では患部を拡大するマイクロスコープ、型採りの負担を軽減する口腔内スキャナー、歯科用CTなどを準備しました。自費診療だけでなく保険診療においても適応が広がり使用できる場合もあります。
【沙織副院長】マイクロスコープは最大で歯を20倍程度まで拡大して観察することができ、裸眼では見えない虫歯やかぶせ物の不適合も発見できます。根管治療の際も真っ暗な歯の中に光が当たって拡大されるので精密な治療が可能です。また、私が得意とする樹脂を詰めるダイレクトボンディングという虫歯治療では歯の表面の細かな形状を再現することで天然の歯のような見た目が望めますし、歯肉の移植手術や歯周病の外科手術などさまざまな治療でマイクロスコープは欠かせません。
それぞれの専門を持つ歯科医師が口腔の健康を守る
院長である弘道先生のご専門や、これまでのご経歴についてお聞かせください。

【弘道院長】大阪歯科大学を卒業後、宇治徳洲会病院の歯科口腔外科に入職し、救急科外来やICUでの処置や有病高齢患者さんの治療などを担当しました。すべてが貴重な時間でしたが、奄美大島への離島応援業務は特に印象に残っています。歯科医師1年目から病院歯科に勤務したことが今も役立っています。3年間の病院勤務後に広島大学大学院へ進学し、摂食嚥下リハビリテーションを研究しつつ、義歯、インプラント、咬合について学びました。大学院卒業後は徳島大学病院のインプラントセンターへ教員として赴任しました。特にお口全体を再建する全顎治療や咬合再構成を得意としています。長く勤めた大学病院では地域のクリニックから紹介いただいた患者さんを担当することがほとんどで、複雑な治療を多く経験できました。
副院長である沙織先生はいかがでしょうか?
【沙織副院長】私は岐阜県出身で両親も歯科医師でした。両親と同じ広島大学歯学部を卒業し、碧南市民病院の口腔外科で初期研修を終えました。歯科だけでなく、産婦人科、麻酔科といった医科研修もあり貴重な経験ができました。研修後は複数の一般歯科クリニックで経験を積みました。徳島での勤務医時代には休診日に徳島大学歯科保存学分野へ毎週通い技術を身につけました。子育てとの両立もあり大変なこともありましたが、歯科医師としてのターニングポイントだったと感じています。得意とする治療は、拡大鏡やマイクロスコープを用いて行う精密な虫歯治療です。ここ数年は徳島大学で指導医だった先生が考案された「コンポジットレジンを用いるほとんど歯を削らない低侵襲治療」に力を入れています。自由診療ですが、部位によっては歯を失ってしまったところにも適用できるため新たな選択肢として喜んでいただけると思います。
お互いに補い合うような専門性をお持ちなのですね。

【弘道院長】そうです。それぞれがさまざまな治療オプションを持っているので、2人の知識と技術を合わせればクリニックとして多くの問題を解決できると考えます。複雑な治療では、診療の合間や自宅でも自然と話し合っています。クリニックとしては小児矯正に力を入れています。近年は生活習慣の影響もあり、顎が小さく歯並びにガタツキが出るお子さまが多い印象です。成長期であれば、成長を使って顎の拡大をめざすアプローチが可能です。小児矯正によって歯並びや噛み合わせの問題の早期解決が期待できるので、見た目はもちろん将来の虫歯や歯周病のリスクも減らせる可能性が見込めます。
未来を見据えた診療の理念と地域へのまなざし
治療についての考え方や、患者さんと接する際に大切にされていることは何ですか?

【弘道院長】治療で大切にしていることは、正しく診査診断を行うことです。状態の良くない歯を無理に残すことで、大がかりな再治療が必要になることもあります。逆にきちんと診査診断できれば、難しそうに見える歯でも救える歯はたくさんあります。治療の精度は大切ですが、治療前の診査診断が患者さんの20年後を決めると思います。また、「患者さんの想いに耳を傾けること」も心がけています。「なぜ患者さんは今ここにいるのか。本当に解決してほしいことは何か」を常に考えています。
【沙織副院長】治療では「急がないこと」も大切です。特にお子さんは、一度怖い思いをすると、ずっと歯科が嫌いになってしまうことがあります。私たちも子育て中なのでよくわかります。急いで治療を進めるより、一人ひとりのペースに合わせ、長く通っていただける関係をつくるほうが、結果的に良い状態を保てます。
今後の展望についてお聞かせください。
【弘道院長】歯は治療すればするほど寿命が短くなるといわれています。ですから、当院では治療を終えた後に再治療が必要にならないことをめざしています。そのために大切なのは、患者さんご自身で管理できる状態にお口を整えること。そして定期検診で状態を確認し、ブラッシングなどご自宅でのケアをお伝えすることです。患者さんが自分のお口の状態を理解し、ご自身で管理できるようになる。そこまでを目標にしたいと考えています。また、障がいのある方や児童養護施設の子どもたちへの支援にも関心があります。長年お世話になっている地域に、診療以外の形でも貢献していきたいですね。
最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

【弘道院長】当院が70年以上にわたり住吉区遠里小野で診療を続けてこられたのは、地域の皆さまの支えがあってこそです。まず、そのお礼を申し上げたいです。当院では小さなお子さまからご高齢の方まで、1本の虫歯からお口全体の治療まで、さまざまなお困り事に対応させていただきます。他院で難しいと言われた症状に関しましても、これまでの経験を生かして真摯に向き合ってまいります。スタッフ一同、安心して治療を受けていただけるように準備してお待ちしていますので「これは治らない」「これはこんなものだ」と判断する前に一度ご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/49万5000円~、コンポジットレジンを用いた低侵襲治療/5万5000円~、ダイレクトボンディング/5万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

