尾川 拓郎 院長の独自取材記事
セイウチ歯科 越谷
(越谷市/越谷駅)
最終更新日:2026/09/25
越谷駅から徒歩10分、街道沿いにたたずむ「セイウチ歯科 越谷」。この場所で15年診療を続けてきた歯科医院を、空白期間ゼロで継承し、2026年5月にスタートを切った。親しみのある院名は、前の歯科医院の看板に描かれていたセイウチのイラストに由来する。「かわいかったので、そのまま使わせていただきたいと思った」と穏やかに話す尾川拓郎院長は、口数こそ多くないが、患者の声に実直に耳を傾ける誠実さが印象的だ。院内の設備だけでなくスタッフも受け継ぎ、以前から通う患者が安心して足を運べる環境を大切にしている。勤務医時代には高齢者施設への訪問診療を通じて入れ歯治療の経験を重ね、それが今の得意分野に。保険診療を中心に幅広い世代が気軽に通える歯科医院をめざす尾川院長に、継承の経緯や診療への思いを聞いた。
(取材日2026年8月19日)
「セイウチ」を受け継ぎ、地域に根づく歯科医院へ
まずは開院の経緯について教えてください。

2026年5月1日に開院しました。もともとこの場所で15年ほど診療を続けていた歯科医院を継承した形です。開業するにあたって、特定の地域にこだわっていたわけではなく、関東近辺で患者さんが通いやすく、質の高い診療を提供できる環境を重視していたんです。こちらはその条件のほか、CTが備わっていたことは大きな決め手になりました。使う場面が多い設備ですので、とてもありがたかったですね。前院長が医院の承継を検討されていたタイミングとご縁があり、当院を引き継ぐことになりました。閉院後すぐに開院できましたので空白期間はゼロ日で、地域の患者さんの診療が途切れることなくスタートできました。
受け継ぐ上で、こだわったことはありますか。
前の歯科医院の院名の横に、セイウチのイラストが描かれていたんです。初めて見たとき、そのイラストがかわいくて、ぜひそのまま使わせていただきたいとお話ししました。院名もそこから取って「セイウチ歯科」としています。なるべく手を加えずにクリニックを引き継ぎたいという思いがありましたので、院内のリフォームもまったくしていません。15年使われてきた院内ですが、前の院長とスタッフの皆さんがとても丁寧にメンテナンスされていたのでしょう、驚くほどきれいな状態が保たれていました。それをありがたく、そのまま使わせてもらっています。クリニックの目の前に駐車場がありますので、車でも通いやすい環境です。キッズスペースも引き続き備え、お子さん連れの方にもご利用いただけます。
先生が歯科医師を志したきっかけを教えてください。

小学校のとき、図画工作の授業が一番好きでした。手先を使った作業や、物を作ることがとにかく好きで、将来は細かいことをする仕事に就きたいと考えていました。歯科医師という道であれば、自分の好きな細かい作業が生かせるのではないかと思い、この仕事を志しました。大学を卒業後は多摩地区の歯科医院などで勤務医として経験を積んできました。最初に勤めたクリニックは高齢者施設への訪問診療が多いところで、入れ歯の制作や調整を数多く手がける機会に恵まれました。その経験を通じて入れ歯の治療にやりがいを感じるようになり、今の診療にも大きく生きています。
入れ歯で届ける「食べる喜び」と、寄り添う診療
特に得意分野とされている治療について教えてください。

やはり入れ歯の治療でしょうか。勤務医時代から数多くの経験を積んできましたし、個人的にも好きな治療です。中でも忘れられないのは、入れ歯のことでお悩みだった女性の患者さんのことです。新しく入れ歯を製作すると、「おかげでご飯がおいしくて太っちゃうわ」とニコニコと本当にうれしそうにしてくださって。その笑顔を見たとき、入れ歯の治療もいい治療だなと心から思いましたね。高齢の方にとって、しっかり食べられるかどうかは健康や日々の暮らしにも直結する大切なことです。これまでの経験を生かして、お一人お一人のお口に合った入れ歯を提供していきたいと考えています。
治療の際に、技術面で心がけていることはありますか。
入れ歯の調整では、すごく細かく感覚を働かせて、痛みの原因を見つけることを大切にしています。ほんの少しでも尖っている部分があると、そこは必ず痛みにつながります。そういった箇所を絶対に見落とさないよう、一つ一つ確認しながら調整を進めています。歯周病の治療については、基本に忠実に、丁寧に積み重ねていくことを心がけています。お子さんの場合は、まず歯科という場所に慣れてもらうことから始めます。最初は歯磨きの練習だけで終わることもありますが、無理に進めないことが大切です。また、根っこの治療など歯の内部の状態をしっかりと把握したいときにはCTを活用して、三次元的に形を確認した上で治療方針を組み立てるようにしています。
患者さんと向き合う際に心がけていることを教えてください。

私の意見や方針を押しつけないように気をつけています。患者さんの意向をまず聞いて、いったんその言葉を受け止めてから、こちらの考えをお伝えするようにしています。抜歯が必要な場合にははっきりとご説明しますが、治療の方向性を一方的に決めてしまうことはありません。痛みへの配慮も大切に、麻酔の注射が痛くならないよう、ベテランの先生から教わった打ち方を実践しています。普段の診療では、高齢の患者さんと雑談をしながら入れ歯の調整をしたり、お子さんの治療中に親御さんとお話ししながら進めたりすることもあります。口の中の状態や変化についてはしっかりとした説明を心がけていますので、気になることがあれば遠慮なく聞いていただけたらと思います。
変わらない安心から、地域のかかりつけ医をめざして
現在の診療体制や患者層について教えてください。

受付のスタッフや歯科衛生士は、前のクリニックから引き続き勤務してくれています。日曜日には非常勤の先生にも診療に入ってもらっている体制です。継承前から通い続けてくださっている患者さんも多く、現在は高齢の方が中心ですが、ファミリー層やお子さん連れの方もいらっしゃいます。院内の雰囲気もスタッフの顔ぶれもほとんど変わっていませんので、以前から通われている方にとっては、院長が代わっただけという感覚に近いのではないでしょうか。壁には前のクリニックのときから飾られていた絵や、患者さんからいただいたものもそのまま残してあります。顔なじみのスタッフがいて、見慣れた院内の雰囲気がそのままあることで、安心して通い続けていただけているのかなと感じています。
今後、どのような歯科医院をめざしていきたいですか。
近くの地域にお住まいの方が気軽に通える歯科医院をめざしています。遠くから来ていただくというよりも、この地域のかかりつけ医として、幅広い世代の方を受け入れていきたいですね。かかりつけ医として一番大切にしたいのは、患者さんの口の中の状態をしっかり確認して、変化を見逃さないことです。何か変化があったときには、その状況をきちんとご説明して、一緒に対応を考えていく。その積み重ねが、長く通い続けていただける関係につながると思っています。今後はインプラント治療にも対応できるよう、設備や機材を整えていく予定です。お子さんから高齢の方まで、ご家族皆さんで安心してご相談いただける場所にしていきたいと考えています。
最後に、地域の方々へメッセージをお願いします。

高額な自由治療を推奨するようなことはしていません。保険診療を中心に、患者さんのご希望としっかりすり合わせながら、寄り添った解決方法をご提案するよう心がけています。例えば入れ歯が合わなくて食事がしにくいという悩みをお持ちの方には、何が原因で痛みが出ているのか、どこをどう調整すれば改善できるのかを一つずつ丁寧にご説明しながら、根気良く治療を進めていきます。入れ歯にしたくなくて我慢されている方や、今の入れ歯に不便を感じている方も、お気軽にご相談いただければと思います。この場所で15年間続いてきたクリニックの思いを受け継ぎながら、地域の方々が長く安心して通い続けられる歯科医院でありたいと考えています。

