田中 宏明 院長の独自取材記事
にしつが内科
(千葉市若葉区/都賀駅)
最終更新日:2026/08/24
都賀駅西口から徒歩5分、れんが調の温かみのある外観が目を引く「にしつが内科」は、2026年7月に開業した。院長の田中宏明先生は千葉大学医学部を卒業後、血液内科の医師として骨髄移植や抗がん剤治療に長年携わり、その後は高齢者医療や訪問診療でも研鑽を積んできた。開業はまったく考えていなかったという田中院長だが、研修医時代からの同期の誘いをきっかけに、子どもの頃から過ごしてきた千葉市の地で開業に踏み切った。「しゃべるよりも人の話を聞くほうが得意」と穏やかな口調で語る田中院長。患者が何を求めて来院しているのかをくみ取り、一人ひとりにじっくり向き合う診療を信条としている。地域のかかりつけ医をめざす田中院長に、開業の経緯や診療への思いを聞いた。
(取材日2026年8月7日)
何でも気軽に相談できる、地域のかかりつけ医へ
まずは、開業された経緯を教えてください。

もともと血液内科の医師として病院に長く勤務しており、退局後は長期療養の病院や訪問診療、一般内科の外来などに携わっていました。血液内科は輸血や抗がん剤治療が中心で、クリニックでは難しい領域ですから、開業はまったく考えていませんでした。ところが研修医時代からの同期で開業医をしている友人から、「地域の皆さんが相談しやすい身近なかかりつけ医をやってみないか」と声をかけてもらったんです。家族ぐるみで長く付き合ってきた友人の誘いでしたので、思い切ってお受けすることにしました。千葉市は子どもの頃から育った地元ですし、都賀エリアは高齢化が進む一方で人口も多い地域です。これまでの経験を生かせる場所だと感じて、開業を決めました。
先生がこれまで歩んでこられた道のりを教えてください。
千葉大学医学部を卒業し、第2内科に入局しました。大学院を修了した後は血液内科医として市立大網病院と国保旭中央病院にそれぞれ7〜8年ずつ勤務し、骨髄移植や抗がん剤治療など、内科の中でもかなりハードな領域に携わりました。ただ、地方の大きな病院でしたから高齢の患者さんが非常に多く、血液の疾患に限らず高血圧や心不全、脳卒中なども日常的に幅広く診てきました。退局後はそうした経験を土台に、長期療養の病院や訪問診療、一般内科の外来で地域医療にさらに深く携わるようになりました。さまざまな現場を経験する中で感じたのは、自分は人の話を聞くことが得意だということです。患者さんの声にじっくり耳を傾けながら、何に困っているのかを一緒に整理していく、そうした対話を通じた診療が、自分には合っていると感じています。
院内の雰囲気や設備へのこだわりを教えてください。

もともとあった建物の内装を改修して開業したのですが、あえてピカピカにするのではなく、地域になじんだ落ち着いた雰囲気を大切にしました。れんが調の外観にも温かみがあって気に入っています。スタッフの手づくりの掲示物も飾られていて、親しみやすい空間だと思います。設備としてはエックス線・超音波・心電図など、一般内科の診療に必要な機器を一通りそろえています。会計には自動精算機を導入し、現金のほかクレジットカード・電子マネー・二次元コード決済にも対応しています。車いすやベビーカーでも通いやすいスロープを設けており、隣接する都賀レディースクリニックと共用の駐車場が3ヵ所・計38台分ありますので、お車での通院にも便利です。
「何を求めて来ているのか」を考え、向き合う診療
どのような患者さんが来院されていますか?

発熱や風邪、胃腸炎といった急性の症状から、高血圧・糖尿病・高コレステロール血症などの慢性疾患まで、内科全般を幅広く診ています。開業してみると想定以上にお子さんの来院も多く、風邪などの診察・処方にも対応しています。また内科の領域にとどまらず、泌尿器科や皮膚科のほか、骨粗しょう症など一部の整形外科の分野でもご相談いただけます。総合病院で長く勤務する中で他科の治療も間近に見てきましたので、診られるものは私が対応し、専門的な治療が必要な場合は適切な医療機関をご紹介します。物忘れや不眠、慢性的な痛み、がん治療や緩和治療に関するご相談にも応じていますので、何科を受診すべきか迷ったときにも、まず気軽に相談していただければと思っています。
幅広い患者さんを診る中で、診療で心がけていることはありますか?
一番大切にしているのは、「患者さんが何を求めて来ているのか」を考えて診療することです。例えば同じ「おなかが痛い」でも、がんの可能性を心配している方にはできる限りの検査をご提案しますし、痛みを和らげたい方には適切な処方で応えます。痛みを取ってほしいのに「悪い病気じゃないから大丈夫」とだけ伝えても、患者さんは納得できませんよね。お話をよく聞くことはもちろん、表情や様子からも気持ちを読み取るように意識しています。また話しやすい雰囲気をつくることを心がけるとともに、むやみに検査を重ねるのではなく、本当に必要な医療を見極めることも大事にしています。患者さんとじっくり向き合う時間は、今後も変わらず大切にしていきたいですね。
力を入れている取り組みがあれば教えてください。

千葉県栄養士会の栄養ケア・ステーションと連携して、保険診療としての栄養指導を行っています。糖尿病・高血圧・高脂血症・肥満症など主に生活習慣病の患者さんが対象で、食事の見直しは治療の土台ですから、専門の栄養士と一緒に取り組める体制は心強いと感じています。また隣の都賀レディースクリニックとの連携で、更年期障害からつながる骨粗しょう症にも対応できるよう骨密度測定器を導入しました。睡眠時無呼吸症候群の検査も患者さんのご相談をきっかけに始めており、「できることは積極的に取り入れよう」という姿勢で診療の幅を広げています。ホームページには医療コラムを掲載しており、最近では片頭痛について掲載しました。長年市販薬でしのいでいる方にも気軽にご相談いただきたいと思っています。
経験を積んできたスタッフも話しやすい雰囲気をつくる
一緒に働くスタッフさんについて教えてください。

当クリニックは、全員が医療現場で経験を積んできた方たちですので、患者さんへの対応も安心して任せています。院内の掲示物も実はスタッフが自主的につくってくれたもので、こちらからお願いしたわけではないんです。そうした工夫のおかげで、私が考えていた以上に居心地のよい空間に仕上がりました。そのおかげか、患者さんからも「このクリニックは話しやすいですね」と言っていただけていて、そうした言葉が出てきたことは非常にうれしいですね。患者さん一人ひとりに丁寧に目が届くスタッフがいること、それが当院の良さだと思っています。
休日はどのようにお過ごしですか?
趣味はテニスとバドミントンです。子どもたちが部活で始めたのをきっかけに、一緒にバドミントンを始めたのですが、あっという間に追い抜かれてしまいました。成長がうれしい気持ちと、勝てなくて悔しい気持ち半々くらいです(笑)。まだ開業したてでなかなか余裕がありませんが、落ち着いたらまたラケットを握って体を動かしたいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

地域のかかりつけ医として、目の前の患者さんを一人ひとり丁寧に診て、「また相談しよう」と思っていただける関係を地道に積み重ねていくこと。それが何より大切だと考えています。体のことで気になることがあれば、何でもご相談ください。「この症状は何科に行けばいいのだろう」と迷うこともあると思いますが、そんなときこそ当院を最初の窓口にしていただけたらうれしいです。体の不調をうまく言葉にできなくても構いません。お話をじっくり伺いながら、何にお困りなのかを一緒に整理していきます。急な発熱や風邪のほか、健康診断で気になる数値を指摘された方、長年の片頭痛や慢性的な不調を抱えている方にも、お力になれることがあると思います。以前は訪問診療にも携わっていましたので、ゆくゆくは往診にも取り組めたらいいなと思っています。地域のかかりつけ医として、この都賀の地に根づいていくことが一番の目標です。

