乾 多久夫 院長の独自取材記事
いりそ内科
(狭山市/入曽駅)
最終更新日:2026/08/31
入曽駅から徒歩3分、メディカルビルの3階にある「いりそ内科」。糖尿病を専門に診療を行っていたクリニックを、乾多久夫(いぬい・たくお)院長が受け継いでリニューアル、引き続き糖尿病をはじめとした生活習慣病、睡眠障害などの診療で地域医療に貢献する。乾院長は、防衛医科大学校から自衛隊の医官となり、さまざまな診療に携わってきた経験も糧にして、一人ひとりそれぞれにふさわしい医療の提供に努める。「糖尿病治療で大切なのは、持続可能性があること。患者さんそれぞれがどう生きたいかを大切にして治療方針を考えていきます」と話す、柔和で穏やかな語り口が印象的な乾院長に、クリニックの特徴や診療方針などについて話を聞いた。
(取材日2026年8月6日)
患者のめざす生活に寄り添った糖尿病治療
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

この場所で診療を行っていた「ひなた内科」をリニューアルし、2026年に「いりそ内科」として新たにスタートいたしました。もともと、糖尿病の診療を専門にしていたクリニックですので、その特徴は変わらず、糖尿病の患者さんお一人お一人としっかり向き合ってお話を伺い、適切な治療や生活管理の重要性をお伝えしながら診察させていただいています。同じく生活習慣病である高血圧症や脂質異常症、また睡眠時無呼吸症候群や不眠症といった睡眠障害、各種予防接種などにも対応し、地域の皆さんに安心していただける医療を提供したいと考えています。
患者さんとコミュニケーションする際に、どのようなことを大切にされていますか?
診察で患者さんと接する際には、患者さんのさまざまなお話にしっかりと耳を傾ける姿勢を大切にしています。お話を伺うことで、その患者さんにとって有用な治療を行うための、次の一手につながる何かが見つかることもあり得ます。また、医師が伝えたいことを一方的にしゃべっていては、患者さんが聞こうという気持ちになれないこともあると思います。患者さんが前向きに治療に向き合える環境をつくっていくためにも、まずは患者さんご自身のことをお話ししていただくことを重視して、日々コミュニケーションを図っています。
治療方針はどのようにして決めていくのでしょうか?

診察をしていますと、生活の管理がなかなかうまくできない方が多くいらっしゃいます。患者さんには、まずはこれから先、糖尿病と付き合いながらどういった人生を送っていきたいか、何を重視して生活したいかを尋ねて、そのためにはどんな治療をしていけばいいのかを一緒に考えて方針を決めていきます。その過程では、どのような治療がなぜ大切なのかといったことを、少し時間をかけてご説明することもありますが、治療の重要性をご理解いただくために大事なことだと考えています。例えば、糖尿病の進行は腎障害を招きますが、腎臓を守ることがなぜ重要なのか、腎臓が悪くなるとどんなことが起きるのかなど、知っていただくことが治療方針への理解・納得につながります。そうしたこともあり、特に初期の診察ではなるべく時間をかけてお話をしています。
持続可能な治療を提案して、生活に好循環を
糖尿病の治療では何が大切なのでしょうか?

一番大切なのは、持続可能性だと考えています。長く継続できないことを無理に取り組もうとしても、うまくいかずに失敗してしまいます。病気といかに上手に付き合い続けていくか。そのための治療を提案することを心がけています。ですから、患者さんがどんな生活を大切にしているのかを伺い、その生活をめざすにはどの薬を選択すれば良いのかといったことを一つ一つ落とし込んでいきます。その際、こちらからは薬の特徴などをお伝えしてご提案し、患者さんからのご希望をお聞きし、ご意思を尊重しながら治療の方向性についてご納得いただく。このプロセスがその後の治療継続にとって非常に重要です。
生活習慣病では、日々の生活改善も重要ですね。
例えば、朝にウォーキングをすることは、継続的な運動という意味でも大きな意味がありますが、同時に早起きをすることでもありますよね。それが習慣になれば、朝日を浴びて体内時計をリセットし、一日を早い時間からスタートする毎日を送ることができます。そうすることによって、夜には良い睡眠を取ることにもつながるといったように、生活全体に好循環が生まれます。これは血圧をコントロールする上でも有用ですし、規則正しい生活習慣を身につけることは睡眠障害の予防・改善にとっても良い効果が見込めます。このように、生活習慣の改善は、多くの物事の改善につながっていくのです。当院では睡眠障害の診療も行っていますが、睡眠習慣の改善は生活習慣病の治療にも影響すると考えています。
先生ご自身は、日々の生活の中で意識されていることはありますか?

多くの患者さんを引き継いでいることもあり、朝9時に始まる診療のために、朝7時に出勤して患者さんのカルテの整理をしています。診察中に、患者さんのほうではなくパソコンの画面をずっと見ているようではいけませんから、患者さんの表情を見ながらスムーズにお話しできるようにカルテを読み込み、内容を頭に入れるなど、その日の患者さんを迎え入れるための準備をしています。たくさんの患者さんをお迎えしていますので、限られた診療時間で内容のあるやりとりをめざすには事前の準備は大切です。診療時間後はなるべく自分の時間もつくって体を休めることを大事にしています。
同じ建物内にある眼科とも連携されているそうですね。
当院の建物1階にある眼科の院長は、私の母校である防衛医科大学校の同期で、この地域で長く診療を続けられています。高齢の患者さんの中には、いくつかの診療科をまたぐような持病のある方も少なくありません。生活習慣病が背景にあって目の疾患を生じることもありますし、目の手術に際して体調が悪くなることもあるかもしれません。そうした方々の相談を受けたり、必要に応じて治療を行うなど連携をしています。内科と眼科がスピーディーに連携しながら医療を行う体制は、患者さんにとってメリットがあると考えております。
自衛隊の中で学んだ医療も糧にして地域に貢献
先生が医師を志した経緯を教えてください。

私が高校生の頃に、家族が大病を患い手術を受けました。想像以上に大きな手術で、この出来事に私自身も衝撃を受けました。ちょうど受験期で進路を迷っていた頃でしたから、外科の医師をめざすのも良いのではないかと考え、医学部を志しました。防衛医科大学校を卒業後は、自衛隊の中で医師として活動し、各地の自衛隊病院に配属されたり、地震や津波の被害に遭われた方の診療をさせていただいたりといったことも経験しました。その後、療養型病院の院長職なども経て、今日に至ります。
これまでのご経歴で培ったことは、現在の診療にもつながっていますか?
精強な自衛官であっても、生活習慣病に罹患する方もいらっしゃいます。ですから、生活習慣病治療に関する知識が求められます。また、特殊な環境での任務や訓練により、心身の疲労が蓄積する隊員の方もいらっしゃることから、睡眠障害をはじめとしたメンタルヘルスに関する知識の習得や治療にもとても重きを置いていました。そうした経験は、現在の診療にもつながっています。そして、専門性がまったく異なる多職域の方々と接する機会が多かったことで、医学のみならず、さまざまな領域の知識を習得することができたり、相手に敬意を抱きながら対話を行ってきたことが、患者さんとの人関関係構築と円滑なコミュニケーションに生かすことができていると感じます。
今後の展望をお聞かせください。

地域にお住まいの方々に喜んでいただけて、ずっとこのクリニックに通いたいなと思っていただけるような場所にしていきたいです。ストレスも多い現代社会ですから、規則正しい生活がなかなか難しく、十分な運動時間や睡眠時間を確保できない方も多くいらっしゃると思いますが、生活習慣病の予防や治療、また睡眠習慣の改善などのお手伝いができればうれしいです。ぜひお気軽にご相談ください。

