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加藤 隆 理事長の独自取材記事

スマイルこどもクリニック東戸塚院

(横浜市戸塚区/東戸塚駅)

最終更新日:2019/08/28

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東戸塚駅周辺には高層マンションが立ち並び、大型店舗も多く生活に便利な街が広がっている。その駅から10分ほど歩くと、スマイルこどもクリニック東戸塚院の、黄色いスマイルマークが出迎えてくれる。幹線道路沿いにあり、駐車場も完備されているので車でも行きやすい。中に入ると、天井には青空に雲が描かれ、待合室の床と壁の一部には木が使われている。神奈川県七沢森林公園の間伐材だ。壁には、難民の子どもたちの写真や出版した絵本のお知らせなどが沢山貼られている。加藤隆院長は、妻で小児科医でもあるユカリ医師と共に開業当初からこのクリニックで24時間診療を続けてきた。夫婦で難民キャンプに医師として赴き、医療活動も行ったという。一見、ハードな医師としての活動だが、どんな思いが支えているのか、話を伺った。
(取材日2014年12月10日)

24時間診療、アレルギー診療、予防診療の3つの柱で開業

アレルギー専門医による診療に力を入れているそうですね。

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当院は、24時間診療だけでなく、アレルギー診療、予防診療の3本柱で診療しています。アレルギー、喘息、アトピーなど、理由はわかりませんが、先進国をはじめ世界的にだんだん増えてきています。そのため、当院でも診療に力を入れているところです。当院では、アレルギー専門医の医師が診療にあたってくれていますね。10年上前から手伝ってくれている先生なんですが、もともとHPを見て協力してくれたんですね。その他にも、当院の医師は、現在、非常勤も合わせて30名ほど、交替で勤務しています。大学の関係ではなく、24時間体制の小児科ということで趣旨に賛同して協力を申し出てくれた医師ばかりです。小児の場合、救急では喘息発作や重度の肺炎など、心臓よりもまず呼吸状態が悪化する呼吸救命が多いので、ほかにも救急救命士もいますね。

予防診療ではどのようなことをされていますか?

大人と違い、子どもの病気は悪くなり始めると一気に悪化しやすい傾向にあります。ですから予防できるものは、可能な限り予防することがいちばんです。そのため当院では、予防接種に力を入れたり、地域で病気予防のお話をして教育啓発にも努めています。ただし、重症化を防ぐには早めに受診することが大事です。当院は24時間診療していますので、いつでも対応できる体制を整えています。夜間は現在、平日は夜8時から朝まで1人、土日祝日は夜10時までは2人の医師がおり、その後は1人が診療に当たる、という体制です。あとは私がすぐ近くに住んでいるので、もし何かあったら呼び出してもらい、駆けつけることができます。ですから、子どもの様子がおかしいと思ったら、いつでも安心して来院いただけます。

夜間はどんなケースが多いのですか?

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子どもの場合、昼間の疲れが出て夕方から夜にかけて具合が悪くなることがあります。週末に保育園の疲れが出て熱を出すこともよくありますね。親が体調の異変に気づくのも、お風呂に入れた後や夜だったりします。それから、呼吸疾患や喘息は、深夜や明け方に悪くなることが多いものです。また、子どもの病気は捉えにくいことも多いんですね。例えば、電話で「痙攣起こしたけれど今落ち着いています」と言われたのですが、念のため連れてきてもらったらまだ全身強直の痙攣、意識障害が続いていたりすることも。やはり、実際に診察をしないとわかりませんし、診察しても経過をみないとわからないこともあるのでで、油断できません。夜間や休日は大和市や、海老名市、鎌倉市、横須賀市から来る患者さんもいます。高速道路などを使えば世田谷も20分ちょっとです。夜間でも、異変を感じたら早めに来ていただきたいですね。

精神科から小児科へ、猛勉強して夫婦で大転換

国立の大学病院からあえて移った理由を教えてください。

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鳥取大学の医学部を卒業して、そのまま精神科に入局しました。二十数年前卒業したときは、今と違って、全科を回って勉強する臨床研修が義務付けられていなかったんです。卒業するとすぐに、内科なら内科、と専門の科に入ります。もともと全身疾患を診れるような医師になりたいと考えていたので、精神科の教授に、全部の科を回ってから精神科を専攻したいと言ったのですがだめでした。しかし2番目の子どもが一時呼吸停止になり助かる、という経験をしました。半年ぐらいたって落ち着いた頃、今後どうしたいかとふと考えたんです。精神科を5年ほど経験し年齢も30歳。今なら身体疾患をゼロから学び直せると。妻も同じ病院にいて、2人ともそのまま残ることはできました。しかし夫婦どちらからということもなく言いだし、内科、外科などすべての科で研修を受けて、自分の専門を決めるスーパーローテートという方式を当時からとっていた大阪の徳洲会病院に移ったのです。

なぜ、小児科を選んだのですか?

妻も私以上に行きたい気持ちが強く、夫婦そろって大阪の徳洲会に入り、小児科医に転身しました。最終的に小児科を選んだのは、やはり自分の子どものことがあったからでしょう。全科を回っていろんな知識を吸収し、医師としての間口を広げて身体疾患に対応できるようになりたいと3年間、猛勉強をしました。もちろん2人で支えあって。妻はひらめきもあり、すぐに行動に移してやり遂げるタイプで、私はむしろ慎重派です。ただ大阪を出るときは、このタイミングを逃したらいけないという気持ちがありました。もっと小児科の勉強を進めるため、大阪から優秀な小児科の先生がたくさんいる系列の湘南鎌倉病院に行き、頑張りました。

24時間診療を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

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全部の科を回ってみたら、小児科がいちばん夜間救急が足りないことに気がついたのです。大阪の病院なのに、夜は奈良県とか遠方から救急車で患者がやってくる。これは大変なことだな、と。昼間は診療しているところがあるのに、休みの日や夜間の救急診療が足りません。夜間救急が大事だということが社会的に認知されてきたのは、やっと13、14年前からです。その必要性や現実から逃げてはいけないと感じ、開業して自分たちで24時間診療を始めました。東戸塚を選んだ理由は偶然です。2番目の子どもが、こども医療センターを受診しており、東戸塚駅で降りて、妻が何人かのお母さんたちに聞いてみたところ、このあたりは夜間診てくれる小児科がない、というのでここにしよう、と決めました。

謙虚に耳を傾け、慎重に診察

24時間診療は大変ではありませんか?

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当初は2人で12時間交代でしたね。私は夜が弱く、妻は反対に夜型なので、最初は単純に、昼夜で半分ずつ分担していました。2人3脚で何年もやっていましたが、そのうち協力してくれる先生が現れて、何日か入ってくれるようになり、今の体制になりました。体力に関しては普通ですが、倒れたりすることはないですね。自宅が近いので、子どもをクリニックに連れてきて、ここから幼稚園に送ったりしていましたし、妻が家のことも本当に頑張ってくれており、家族との時間も過ごせています。自分の子どもを育てて行くうえで、周りの子どもが幸せでないと自分の子どもも幸せではないと思っています。子どもはいつ病気になるかわかりません。子どもは症状をうまく伝えることはできませんし、実際に診察してみないとわかりません。ですから24時間診療の小児科が必要とされるのです。困っていたら人を助ける。たまたまそういう役になっただけです。患者さんがくれば診させていただくし、診てくれるところがないならここで診ましょう、という姿勢です。自分としては、与えられた仕事に感謝しています。

難民キャンプで医療活動をされていたそうですが。

イラク人の女医さんと出会い、難民キャンプで困っている、と最初は妻に協力要請がありました。積極的にやりたいと始めたわけではなかったんですが、引き受けた理由は、日本だけがよくても、世界がよくならなかったら日本の子どもたちの未来にとって何にもならないと考えたからです。クリニックは応援してくれる先生がいるので、なんとか大丈夫でした。妻が中心になりスマイル医師団を作って、任された幾つかの難民キャンプの方々の受け入れ国が無事決まるまで15回くらい行って頑張っていました。難民キャンプでできることをやっていれば、何らかの形で日本の子どもたちにもめぐりめぐって、よい循環をもたらすのではないかとも思いました。テロがテロを生んでいる中、難民を見捨てずに活動すれば、逆の立場になったとき、自分たちも人を助けようと思ってくれるのではないかと。実際、自分もお医者さんになりたいといってきた子どもがいたんです。国連に掛け合って、難民キャンプからオーストラリアの政府と大学が引き受けて、重い心臓病から命が助かった女の子です。他にも、やっとの思いで受け入れてもらったアメリカで看護師の学校に通って学んでいる子や、病院の救急部で働き始めた子もいます。その子達は、辛い難民キャンプから出られない時も、日本のみんなが自分たちを見捨てずに応援してくれていたことを覚えており、今度は自分が人助けをしたいと言っているのです。

診療するときにどんなことを心がけていますか?

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症状の説明を丁寧にしたり、患者さんの症状に関する訴えに謙虚に耳を傾けて対応するように意識しています。慎重に診て、油断しないことが重要だと思います。今は大丈夫と言っても、ちょっと横になってみようか、と診察したらここにも痛みがある、検査してみよう、となることもあります。熱だけで来院した方が、川崎病だったりすることも。ちょっとしたことにも耳を傾けて、慎重に診察することが自分の役割だと思っています。軽いかな、と思っても重症だったり、反対に軽いこともあります。とくに初めてのお子さんだと、親御さんでもわからないのは当たり前です。これぐらい大丈夫、と言われても気にしないで、勉強だと思ってまず来てください。10人中9人は軽くても、1人は重症あるいは重症前段階の患者さんもいるので、それを漏らしたくありません。あとは、症状と経過をメモしてきていただくと、親御さんもある程度頭の中もまとまって落ち着きますし、診断と治療に早くつながりますね。

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