渡邊 紀晶 院長の独自取材記事
グランハート二葉クリニック
(広島市東区/広島駅)
最終更新日:2026/07/03
2026年5月、広島駅北口エリアに開院した「グランハート二葉クリニック」。院長を務める渡邊紀晶先生は、日本循環器学会認定循環器専門医、日本内科学会認定総合内科専門医として、大学病院や基幹病院で長年にわたり、循環器疾患から一般内科まで幅広く経験を積んできた。クリニックでは先進の検査設備を整え、「今日来て、今日わかる」診療をめざしている。また、病気の治療だけでなく、再発予防や生活習慣の改善まで見据えた医療を重視し、患者一人ひとりに寄り添った診療を実践。特に心臓リハビリテーションに力を注ぎ、その人らしい暮らしを支えるためのサポートにも取り組んでいる。日々の診療に真摯に向き合う渡邊院長に、開業への思いや今後の展望について話を聞いた。
(取材日2026年6月10日)
治療後の人生まで支える循環器診療をめざして開業
先生のご経歴と開業に至った経緯をお聞かせください。

関西医科大学を卒業後、広島大学病院で初期研修を受け、循環器内科の道へ進みました。当時、広島大学病院では循環器内科が新たな診療科としてスタートする時期で、その1期生として学ぶ機会に恵まれたことが大きな転機でした。もともとは小児科にも興味がありましたが、研修で循環器診療にふれ、目の前の患者さんの命に向き合うダイナミックさに大きな魅力を感じたんです。その後は大学病院や基幹病院で診療や研究に携わり、循環器疾患の治療に加えて心臓リハビリテーションにも力を注いできました。そうした経験の中で強く感じたのが、急性期治療後も患者さんの人生は続いていくということです。専門的な循環器診療をより身近な場所で提供し、退院後も継続して患者さんを支えられる環境をつくりたいという思いから、2026年5月にクリニックを開業しました。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。
当院の大きな特徴は、循環器専門医による診療と心臓リハビリテーションを一体的に提供できることです。心臓病は治療を受けて終わりではなく、その後の生活習慣の改善や再発予防も重要になるので、多職種と連携しながら患者さんをサポートしていきます。また、心エコーやホルター心電図、心肺運動負荷試験(CPX)など、循環器診療に必要な検査設備を整えています。特に心エコーは心臓の動きや弁の状態をリアルタイムで評価するための重要な検査で、診断や治療方針の決定に役立ちます。さらに院内迅速血液検査にも対応しており、心不全や急性心筋梗塞に関わる項目を当日に測定できるため、緊急性の判断や治療方針を迅速に決定できます。患者さんが「今日来て、今日わかる」診療の実現をめざしていることも当院の強みです。
現在、どのような患者さんが来院されていますか?

広島駅近くという立地もあり、駅周辺にお住まいの方や近隣のオフィスにお勤めの方を中心に、幅広い年齢層の方にご来院いただいています。症状としては、高血圧や動悸、息切れ、胸痛のご相談が多く、健康診断で心電図異常や脂質異常を指摘されて来院される方もいらっしゃいます。また、大学病院や基幹病院からの紹介で、退院後のフォローアップとして通院される心不全や心房細動の患者さんも増えています。今後は循環器疾患のある方はもちろん、「どの診療科を受診すればいいかわからない」といった方にも気軽に相談していただきたいですね。セカンドオピニオンにも対応していますので、ちょっとした不安や疑問でも遠慮なくお話しいただければと思います。
心臓リハビリテーションで、その人らしい暮らしを支援
先生のご専門分野や、特に力を入れている診療について教えてください。

循環器内科を専門としており、高血圧や心不全、不整脈などの循環器疾患の診療に力を入れています。また、糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病の管理も重視しています。これらの病気は心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾患につながるため、症状が出てから治療するだけでなく、早い段階から適切に管理することが大切です。また、大学病院勤務時代には心臓リハビリテーションに関する研究にも取り組みました。診療を続けていく中で感じているのは、病気の背景には患者さん一人ひとりの生活習慣や環境が大きく関わっているということです。そのため病気だけを見るのではなく、患者さんの生活背景にも目を向けながら、発症予防や再発予防まで含めた総合的なサポートを行うことを大切にしています。
心臓リハビリテーションについて教えてください。
心臓リハビリテーションは、心筋梗塞や心不全、心臓手術後の患者さんなどを対象に行う包括的なプログラムです。一般的には運動療法のイメージが強いかもしれませんが、その役割はそれだけにとどまりません。私は急性期病院で多くの患者さんを診てきましたが、治療によって命が助かったとしても、その後の生活に不安を抱えている方は少なくありません。どの程度運動していいかわからない方もいらっしゃいますし、再発を防ぐためには生活習慣の見直しも必要です。心臓リハビリテーションでは運動療法に加え、生活習慣や服薬状況なども含めて総合的にサポートします。治療して終わりではなく、その後も患者さんが安心して生活できるよう支えることが大切だと考えています。
心臓リハビリテーションは具体的にどのように行うのですか?

当院では心肺運動負荷試験(CPX)を活用し、患者さん一人ひとりの状態に合わせた運動プログラムを作成しています。心臓リハビリテーションは画一的なものではなく、体力や病状、生活環境によって適切な運動量も異なります。そのため、理学療法士や看護師など多職種が連携しながら、安全に運動を行えるようサポートしていきます。また、運動だけでなく、食事や服薬、日常生活で気をつけるポイントについてもアドバイスを行っています。患者さんが少しずつ元気を取り戻し、「以前より歩けるようになった」「安心して日常生活を送れるようになった」と笑顔を見せてくださったらうれしいですね。そうした姿を見ることが、私にとって大きなやりがいにつながっています。
地域と連携しながら、一人ひとりに寄り添う医療を実践
診療の際に心がけていることは何ですか?

診療では、患者さんに十分にご理解・ご納得していただけることを大切にしています。循環器内科は難しい専門用語が多い分野ですし、自覚症状がなくても治療が必要になる病気も少なくありません。そのため、病気や治療について理解を深めていただけるよう、専門用語はできるだけ噛み砕いてお伝えし、自作しているホームページの情報も活用しながらお話しします。また、同じ病気であっても患者さんによって生活環境や価値観は異なりますので、一人ひとりのお話にしっかり耳を傾け、その方に合った治療やサポートを提案することを心がけています。患者さんが不安や疑問を抱えたまま帰ることのないよう、相談しやすい雰囲気づくりも重視しています。些細な不安や疑問でも遠慮なくお話しいただける、そんな関係を築いていきたいですね。
大学病院や地域の基幹病院との連携についてお聞かせください。
大学病院や地域の基幹病院とは密接に連携しています。私は長年広島大学病院で診療や教育に携わってきましたので、現在も多くの医師とのつながりがあります。患者さんの状態に応じて適切な医療機関へ速やかに紹介できることは、当院の大きな強みの一つです。また、この地域では今後も医療体制の充実が進むことが期待されていますので、大学病院や基幹病院と連携しながら、急性期治療から退院後のフォローアップまで切れ目のない医療を提供していきたいと考えています。地域の医療機関との橋渡し役として、患者さんが安心して治療を受けられる環境づくりに貢献したいです。
今後の展望や目標について教えてください。

今後は循環器疾患の診療や心臓リハビリテーションを通じて、地域の皆さんの健康を長く支えられるクリニックをめざしていきたいと考えています。また、これまで退院後のフォローアップに数多く携わってきた経験を生かしながら、病気を治療するだけでなく、「どうしたら病気を発症しないか」という予防医療にも力を入れていきたいと思っています。高血圧症や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病を適切に管理することは、心筋梗塞や脳卒中の予防につながります。一方で、循環器疾患を経験された方に対しては、再発予防や健康維持をサポートすることも重要です。こうした一次予防・二次予防の両面から地域の皆さんの健康を支えられる存在でありたいですね。

