児玉 奥博 理事長の独自取材記事
柏こだまクリニック
(柏市/柏駅)
最終更新日:2026/08/13
精神科を主軸としながら内科や皮膚科、リハビリテーション科、泌尿器科と幅広い領域に対応できる訪問診療を行う「柏こだまクリニック」。理想の医療を通じて、1人でも多くの人に幸せを感じてもらいたい。そんな夢をかなえるために、児玉奥博(こだま・おぼ)理事長は2026年4月に、グループ3院目として同院を開院した。「当院には各領域を専門とする訪問診療のスペシャリストたちが在籍しています。精神疾患や認知症のことをはじめ、何でもご相談ください」と真摯な眼差しで語る児玉理事長。取材では同院を開院した経緯や診療内容、訪問診療を利用する際のポイントなどを詳しく聞いた。
(取材日2026年6月18日)
精神科など、各領域の専門家による訪問診療を提供
新座市、ふじみ野市に続き開院した、グループ3つ目のクリニックだそうですね。

ええ。現在、患者さんの具合がどれほど悪くても診療まで何ヵ月も待つ必要があるといったように、精神科医療が十分に行き届いていないエリアがたくさんあります。柏市もその一つだと感じ、2026年4月に開院しました。私は精神科を専門としていて、勤務医時代からたくさんの精神科診療に携わってきました。加えて、新座市とふじみ野市にあるクリニックで積み重ねてきた診療経験は、柏市でも生かせると思っています。当院の標榜科は精神科と内科、皮膚科、リハビリテーション科、泌尿器科。メインである柏市の他、松戸市や流山市、我孫子市、野田市の一部、茨城県の取手市、守谷市などを対象に、訪問診療を提供しています。高齢の方だけではなく、病気や障害などあらゆる理由により通院が難しい方は、年齢を問わず訪問診療の対象となる可能性が高いですのでぜひご連絡ください。
具体的に、どのような診療を提供されているのでしょうか?
当院の訪問診療では、精神疾患や認知症などに対する高度な診療を提供可能です。「家族が認知症かもしれない」と少しでも悩んでいることがあれば、頼っていただけたらと思います。また、当院には循環器や呼吸器をはじめとした内科全般に加え、泌尿器科や皮膚科、救急科、リハビリテーション科など各領域を専門とする医師もいます。さらに、検査・治療の機器もひと通りそろっていることから、精神科に限らず幅広い悩みに対するサポートが可能です。訪問診療の利用者に多い褥瘡や排尿トラブルなど、何でもご相談いただけます。ちなみに、当院の強みの一つとして、医師に限らずスタッフたちも一人ひとりがセンスとやる気を持っており、とても優秀な点が挙げられます。頼りになるメンバーがそろっていますので、患者さんには診療以外のサポート部分でも安心を感じていただけるでしょう。
クリニックの診療方針をお聞かせください。

当院のモットーは「最大多数の最大幸福」です。1人でも多くの方に、より多くの幸せを感じていただきたいという思いを込めています。実現のために大切にしていることが、「患者さんを自分の家族のように思い行動すること」です。自分の家族が今何をしているのか、何を求めるのかを想像するのは比較的簡単でしょう。それは、その家族の性格や考え方などを詳しく知っているからです。同じように、患者さんがより幸せになるためにはどんなサポートが良いか考えるには、まずは患者さんのことをよく知ることが大事だと考えています。より親身で丁寧な対応で、次の訪問までの間につらいと感じる瞬間がないような、心地の良いプランの提案につなげていきたいです。
患者と家族、それぞれに寄り添う親身で丁寧な診療
そもそもなぜ精神科に注力する訪問診療を始めようと思ったのでしょう?

勤務医時代、病院の方針を優先しなければいけなくて、自分がやりたい診療をできないという経験をしてきました。患者さん一人ひとりに時間をかけた丁寧な診療をお届けしたいと思い、開院を決意したのです。訪問診療という体制を採用したのは、患者さんとの距離が外来よりも近くて、ご家族とも一体感を持って診療を進められると思ったからですね。また、日本の未来を考えたとき、精神科のニーズはさらに高まると感じました。実際、精神疾患や認知症の患者さんは、ご本人の病識が乏しく受診につながりにくいこともあり、訪問診療でしか介入する手段がない場合が少なくありません。そうした状況であるにも関わらず、ご家族が何とか支えようと抱え込んだ結果、患者さんとご家族の双方に大きな負担や危険が及ぶこともあるのです。このようにつらい思いをする方を1人でも減らすために、精神科も診られる訪問診療のクリニックを立ち上げました。
児玉理事長が医師を志した経緯もお聞かせください。
私はわからないことがあればすぐに調べるような好奇心旺盛な子どもでした。ですから、解明されていない部分が多い医療という分野は当時から魅力的であり、「医師になって知らないことをもっと学ぶんだ」と子どもの頃から心に決めていましたね。大学に入ってからは、もっとも未解明だと感じた精神科を志しました。同じ病名・症状であっても誰一人としてまったく同じ状態ということはありませんので、無限の探求があることを感じたのです。また、両親を含めた親族に医師や歯科医師、看護師などの医療関係者が多い環境も、医師を志した理由の一つだったかもしれません。
診療時に心がけていることをお聞かせください。

訪問診療が必要な場合、ご家族が疲れていることが多いので、患者さんはもちろんご家族にも寄り添うことを心がけています。介護は肉体的・精神的負担が大きいですから、疲れている状態で行うと患者さんへの接し方や介護内容が荒くなりがちです。すると今度は、荒い介護を受けた患者さんの体の状態や気持ちも荒れてしまうことに。こうした負のループは、ご家族が介護を頑張っているからこそ起こるのであり、どのご家庭でも起こる可能性があります。ですが、誰にとっても良いことではありませんので、私たちが介護の負担を極限まで軽減できるよう尽力しているのです。また、訪問診療は外来よりも長期にわたっての対応であり、患者さんの家に入る必要があることから、信頼が築けていないと不安や不快感につながってしまいます。ですから、絶えず話し合いを行い丁寧に治療の方向性を擦り合わせて、患者さんやご家族との信頼を構築することを意識していますね。
関わる人全員が幸せを感じる医療の提供をめざして
訪問診療を利用する際に知っておくべきことはありますか?

訪問診療は外来に比べて費用が割高だと思い、利用を躊躇う方が少なくありません。ですが、多くの場合において保険が適用されますし、近年は負担軽減に関する制度もそろっています。ある程度患者さんご本人やご家族が労力をかけないと通院できない状況にあるならば、訪問診療を試してみても良いと思います。費用の面で心配なことがある場合は、自治体やクリニックへ電話で問い合わせてみてください。訪問診療以外の適切な支援につないでもらえることもありますよ。
訪問診療のクリニック選びのポイントも教えてください。
訪問診療は知識・技術・経験が豊富でないと提供が難しい領域です。ですから、医師がどのような研鑽を積んできたかを、ホームページなどで確認できるクリニックを候補にするのがお勧めですよ。また、訪問診療は医師が患者さんの家に入る必要がありますので、信頼を築けそうかという点も重要です。まずは実際に会ってみて医師やスタッフについて知り、一緒に長い時間を過ごせそうかを判断してから契約を考えると良いと思います。さらに、良い医療を受けるためには、契約を決めた後はクリニック側に任せきりにするのではなく、患者さんやご家族はどうしたいのかを念頭に置きましょう。当院では、患者さんやご家族の意向が固まっていない場合、無理に話を進めることはせず一緒に話し合うようにしていますのでご安心ください。
最後に今後の展望・目標をお願いします。

私が追い求めてきた医療を通じて幸せを感じてほしい人の中には、患者さんやご家族だけではなく、一緒に働いているスタッフや連携先の人たちなど、当院に関わるすべての人が含まれています。患者さんの周りの人たちが幸せであると、結果として患者さんご本人の幸せにもつながると考えているからです。スタッフもワークライフバランスも大事にしながら、やる気がある人も成長できて、思い切り仕事に打ち込めて幸せを実感できるような場所をつくっていきたいですね。そのためにも、今後さらに仲間を増やしながら「本当の幸せ」を追求していきます。そして、自分の人生を患者さんに捧げる覚悟のもとで一生懸命に向き合っていきます。

