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佐々木 宏 院長の独自取材記事

ささき整形外科リハビリクリニック

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2026/07/09

佐々木宏院長 ささき整形外科リハビリクリニック main

南芦屋浜の海辺に広がる複合施設の2階のクリニックモールに、2026年5月「ささき整形外科リハビリクリニック」が開院した。佐々木宏院長は、神戸大学卒業後、神戸海星病院や神戸労災病院などで20年以上にわたり膝を中心とした手術に携わってきた整形外科のエキスパート。経験を重ねるほどに「膝だけ治療しても良くならない、全身を総合的に診たい」という思いが強まり、開業を決意した。白と木質感を基調にした院内は、明るく清潔で温かみがあり、リハビリテーション室の大きな窓からは自然光がたっぷりと降り注ぐ。穏やかな口調で一つ一つ誠実に語る佐々木院長に、開業の経緯や診療で大切にしていることを聞いた。

(取材日2026年6月5日)

膝の問題に全身からアプローチするクリニックが誕生

まずは開業に至った経緯をお聞かせください。

佐々木宏院長 ささき整形外科リハビリクリニック1

神戸大学を卒業してから20年以上、関連病院で研鑽を積んできました。神戸海星病院の医長や神戸労災病院の整形外科部長を務め、整形外科医として現場に立ち、日々多くの手術を手がけていたので、正直なところ開業はまったく考えていませんでした。ですが、膝や股関節の手術を重ねるうちに、膝の問題がある場合、膝だけにアプローチするのでは不十分だという考えへの確信が深まっていきました。人間の体は、肩から体幹まですべてがつながっているので、膝だけ治療しても根本的な解決にはなりません。そうしたことから、その人を総合的に診ていきたいと考えるようになったものの、大きな病院では、体をパーツごとに診る体制が基本です。それならば自分のクリニックで自分が望む医療を提供しようと、信頼する理学療法士にも声をかけて開業を決めました。

そもそも先生が、医師を志した理由、整形外科医として膝を専門にされたのはどんな経緯からなのでしょうか。

高校生の頃、人に感謝されるやりがいのある仕事に就きたいと考え、医師の道を志しました。整形外科を選んだのは、元気に体を動かせることこそが暮らしの土台だと感じたからです。亡くなる直前まで自分の足で歩いていられる、その手助けをしたいと思いました。健康寿命と平均寿命の差をできる限り縮めたいという思いは、今も変わっていませんね。歩行を支える上で最も多くの方が悩みを抱えているのが膝でしたので、大学院の膝グループに入り、広く浅くではなく一つの領域を深く掘り下げて診る姿勢を恩師からたたき込まれました。さらにピッツバーグ大学への留学中、スポーツ医学の指導医から「最新が最高とは限らない、患者さんにとって本当に良いか見極めなさい」と教わりました。その言葉が今の診療の土台で、当院も最新のものは積極的に取り入れるようにしていますが、医師として学習をし続け、最高の形で必要な患者さんに提供できるよう、心がけています。

この場所で開業された理由や、クリニックへのこだわりを教えてください。

佐々木宏院長 ささき整形外科リハビリクリニック2

幼少期からずっと兵庫県で暮らし、神戸大学を出た後も阪神間で働いてきたので、地元で開業したいと考えるのは自然でした。海辺の複合施設のクリニックモール内を選んだのは、私自身が海好きということもあり、患者さんにも気持ちの良い環境で治療を受けていただきたかったからです。周辺にはファミリー層から高齢の方まで幅広い世代がお住まいですね。施設にはスーパーや飲食店もあり、広い無料駐車場も有しているので買い物と合わせて通いやすいかと思います。設計で一番こだわったのはリハビリ室で、大きな窓から光が差し込む明るく広い空間に。診察室は私を中心にスタッフ全体を見渡せる造りにしました。また、クリニックのロゴには膝関節の骨をモチーフに「ささき」のSを組み合わせ、膝を治療することへの思いを込めました。

痛みを取るだけでなく、その先の健康を見据えて

特に力を入れている治療を教えてください。

佐々木宏院長 ささき整形外科リハビリクリニック3

当院では、治療とリハビリを診療の両輪と位置づけています。大きな病院にいた頃は、リハビリは入院患者さんが中心で、外来リハビリはほとんど行えませんでした。注射をじっくり打つ時間も、生活指導に割く時間も限られていました。それが開業したことで、手術に至らないようにすることをめざす外来リハビリにしっかり力を注げるようになり、注射や生活指導など治療の選択肢も大幅に広がりました。院内には多様な運動ができる吊り下げ式運動療法機器も導入しています。理学療法士や作業療法士が患者さんごとに評価・計画・実施を一体的に行い、私と密に連携しながらリハビリを進めています。膝だけでなく脊椎や上肢も含め、全身の状態を踏まえたリハビリを提供できる体制が当院の強みです。

治療を支える検査設備についても教えてください。

高精度の全身型骨密度測定器を導入しています。骨密度は部位によって変化の仕方が異なり、特に腰椎と大腿骨は加齢に伴い骨折しやすくなる場所です。これらを骨折すると日常生活への影響が非常に大きいため、正確に測定して予防につなげることが大切です。手首や足首で簡易的に骨密度を測る方法もありますが、それだけでは全身の骨の状態を十分に把握できません。腰椎や大腿骨をしっかり測定できる全身型だからこそ、その方に合ったより良い対策が立てられるのです。さらに骨密度の低下に対しては、運動や食事の見直し、お薬や注射など、状態やライフスタイルに応じた方法をご提案しています。特に女性は年齢とともに骨密度が下がりやすく、何もしなければ低下が進んでしまいますので、早めの把握と対策が重要です。

患者さんとはどのように治療方針を決めていますか?

佐々木宏院長 ささき整形外科リハビリクリニック4

治療方針は、私が一人で決めるものではないと考えています。そのため当院では、患者さんが何に困り、どうなりたいのかを丁寧に伺います。選択肢が複数あれば、それぞれのメリット・デメリットをお伝えし、ご自身で選んでいただくようにしています。大切にしているのは、単に今の痛みを取ることではなく、1年後、5年後にも症状が進まない、あるいは問題の根本改善をめざせるような治療です。痛み止めだけに頼るのではなく、ヒアルロン酸の定期的な注射や体重管理、筋力をつけるためのリハビリなど、ご自身の力で体を整えるお手伝いを重視しています。慢性的な症状は元どおりにはできなくても、上手に付き合う方法は必ずあります。加齢だから仕方ないと諦めないでいただきたいです。

来て良かったと笑顔で帰れるクリニックをめざして

院内の雰囲気づくりで心がけていることはありますか?

佐々木宏院長 ささき整形外科リハビリクリニック5

スタッフ全員が、お互いに感謝の気持ちを持つことを大切にしてほしいと思っています。中でも最も大事なのがあいさつです。あいさつというのは、相手より先にするものだと私は考えています。こちらから「おはようございます!」と声をかけて、返してもらう。相手に言われてから返すのは返事であって、あいさつではないのです。目が合った瞬間にこちらから声をかける、それをスタッフ全員で心がけています。リハビリ室に患者さんが入られた時も、スタッフからまずお声がけする。そうした小さな積み重ねが、院内の居心地の良さにつながると信じています。当たり前のことかもしれませんが、この当たり前を丁寧に続けていきたいですね。

今後、クリニックをどのように発展させていきたいですか?

まずはリハビリ体制をさらに充実させていきたいですね。現在は慢性的な痛みを抱えた方の来院が多いですが、今後はスポーツを楽しむ方にも広くお役に立てるようにしたいです。趣味のスポーツを続けたいけれど、痛くて……という方のお力になれればうれしいです。また、再生医療にも興味を持っており、選択肢の幅を少しでも広げていきたいと思っています。どんな治療であっても、私が一番うれしいのは患者さんからの「ありがとう」という言葉。そう言ってもらえた時は、この仕事をしていて良かったと心から思います。皆さんが来て笑顔になれる、そんなクリニックをつくっていきたいです。

最後に地域の方へのメッセージをお願いします。

佐々木宏院長 ささき整形外科リハビリクリニック6

元気に歩ける毎日を守ることが、整形外科医としての私の原点です。膝や腰の痛み、骨や体のことで気になることがあれば、どうぞ気軽に声をかけてください。膝の専門家として「体を大事にしましょう」とお伝えする立場なので、自分自身の膝も大切にしています。休日には膝への負担が少ないダブルスのテニスを楽しんでいます。受診していただければ、そうしたアドバイスもお伝えできますよ。また、患者さんを笑顔にしたいという思いを共有できる仲間を当院に増やし、医療の技術を高め、患者さんのために尽力できればと考えています。地域の皆さんの健康を支えていけるよう、精進してまいります。