瀬戸 貴之 院長の独自取材記事
瀬戸整形外科スポーツ・リハビリクリニック
(大田区/洗足池駅)
最終更新日:2026/09/10
洗足池駅から徒歩5分の「瀬戸整形外科スポーツ・リハビリクリニック」は、大学病院や地域の基幹病院などで経験を積んだ瀬戸貴之院長が開設。手術後の身体機能の回復、慢性疾患の予防や悪化防止のため、整形外科の診療に加え、運動療法にも注力している。また病院に勤務していた頃の専門である肩関節の診療も得意分野の一つ。一般的な整形外科疾患から変形性関節症、骨粗しょう症、肩などのスポーツ障害、出産後の腰痛や肩・肘痛と、多様な症状に対応する同院の診療について聞いた。
(取材日2026年8月7日)
健康の回復・維持に役立つ運動療法に力を入れる
クリニックを開業された経緯をお聞かせください。

整形外科医として大学病院や地域の基幹病院などで長く診療する中で、手術をした患者さんに対する退院後のリハビリテーションの大切さを痛感するようになりました。特に私の専門だった肩関節分野では、スポーツを楽しんでいた患者さんが目標とするレベルまでパフォーマンスを回復させるためには、術後のリハビリが非常に重要です。そのため、整形外科の診療に加え、リハビリにも力を入れたクリニックを作りたいと思い、開業をめざしました。加えて、公立の三次救急病院に勤めていた頃に、休日の緊急手術への対応や緊急呼び出しに備えた電話待機などがあり、家族との予定を立てるのが難しいこともありました。子どもから休日になると「今日は仕事じゃないの? 病院に呼ばれないの?」と聞かれるようになったんです。もう少し家族と一緒にいられるようにしたいと考えたのも開業した理由の一つです。
運動療法に力を入れるのはそうした理由からなんですね。
体の痛みや変形などの症状を飲み薬や湿布だけで治療するより、体の使い方の改善や筋力の増強のために運動療法が有用なことは多いですし、ご自宅でも継続していただけると思います。加齢や生活習慣などで関節に痛み・変形が起きる変形性関節症や変形性腰椎症、骨がもろくなる骨粗しょう症といった慢性疾患でも、適切な運動療法は症状の改善や病気の進行抑制に役立ちます。ただ、薬や食事による治療は始めやすい一方で、もともと運動の習慣がない患者さんにとって、ご自分で考えて生活に運動習慣を取り入れるのは難しいでしょう。そこで当院では私の診断のもと、理学療法士が患者さんに適した運動療法のやり方をお伝えし、院内でしっかりとトレーニングし、ご自宅で取り組めるような運動もご紹介しています。
ご専門の肩関節分野の診療について教えてください。

膝関節や股関節などは体重を支えるのが主な役割で、エックス線画像で骨や関節の状態を診るとある程度は診断できるケースが多いのですが、肩関節は大きく動かすことが求められる関節です。そのため関節を構成する筋肉や腱など軟部組織の動きまで診る必要があり、一般的なエックス線検査のみでの診断はできません。当院では身体所見に加え、エックス線検査、超音波検査やMRIなどの結果も総合して診断し、適切な治療をご提案します。このような診断には幅広い経験と知識が求められます。そのため、身近なクリニックでありながら対応できることは、当院の強みの一つだと考えています。またエコーの検査機器は診察室の他、リハビリ室に理学療法士専用の機器を置いて、リハビリ中にエコーで筋肉の動きを確認し、患者さんにその都度フィードバックできるようにしています。MRIは近くの医療機関や検査施設にお願いしています。
リハビリの結果や課題の可視化で効果的な治療をめざす
どのような患者さんが受診されていますか?

住宅地の中にあるため、骨折や捻挫といった一般的な整形外科疾患の他、ご高齢の患者さんでは骨粗しょう症や変形性関節症などで受診されます。加齢や痛みで体の活動量が低下した方には、ご自宅でも続けやすい運動療法などをご提案し、ご本人が満足できる体の動きを取り戻せるようサポートしています。生活の中でできることを増やし、より快適に過ごしていただくことが目標です。肩関節分野では、肩腱板断裂や変形性肩関節症、転倒による鎖骨・上腕骨骨折、スポーツ障害などが中心です。また近年はランニングでの障害で受診される方も増えており、エックス線で足の形や痛みの原因を確認するだけでなく、走行距離や頻度についてのアドバイスも行っています。私自身もランニングに親しんでいるため、初心者の方や趣味として楽しみたい方の相談にも対応しています。
こちらのリハビリの特色を教えてください。
理学療法士のサポートで体を動かす他に、バランスボール・バランスボードを使ったバランス強化、筋力トレーニングも行い、ご自宅でもできる簡単なスクワットなどもご紹介しています。また患者さんの歩き方をセンサーで捉えて歩行を解析する機器を備え、院内の歩行レーンを歩いていただくことで、歩く速度・歩幅・リズム、左右のバランスなどを数値やグラフで表示可能です。過去の計測結果と比較して、リハビリの効果や治療上の課題が可視化できるため、適切なリハビリが行えますし、患者さんのモチベーションアップにもつながると考えています。さらに理学療法士が肩のスポーツ障害の勉強会に参加して専門的な知識を学び、ひも付きのボールで模擬投球の練習を行うなど、肩関節分野でのリハビリも得意としています。この他、出産後の腰痛や肩・肘痛などでお悩みの方も安心して来ていただけるように、リハビリ室にキッズスペースも設けています。
その他の治療ではどんな特色がありますか?

干渉波や電磁波、熱、超音波などの一般的な物理療法で血行の改善や痛みの軽減を図る他、集束型の体外衝撃波治療器も備えています。この機器は衝撃波のエネルギーで治療を行う機器で、難治性足底腱膜炎の治療に用います。また、定期的に義肢装具士が来院し、必要な患者さんには指などの関節のサポーター、胸・腰に装着するコルセット、扁平足や成長痛の改善を図る靴のインソールといった装具の型取りを行っています。装具ができたら私も確認し、調整が必要なら義肢装具士に直接お願いできるのもメリットでしょう。地域連携の面では、地域の基幹病院である東京都立荏原病院には骨折など急な入院・治療が必要な患者さんをご紹介する他、MRIは当院から検査予約ができるようにするなど連携を深めています。もちろん昭和医科大学病院や慶應義塾大学病院などの大学病院などへのご紹介も可能です。
地域の健康寿命延伸を支える拠点もめざす
患者さんの診療時に大切にされていることは?

医師と患者さんという一方的になりがちな関係より、社会人として礼節のある態度で臨むように心がけています。また診断の際には、膝や腰、肩などの痛みでご本人はどんな点がお困りなのか、痛みを抑えて日常生活ができればよいのか、それともスポーツができるまでに回復したいのか、などを詳しく伺うことを大切にしています。そうした一人ひとりの思いを把握するため、患者さんが現在の症状に至った背景や、仕事、趣味、スポーツなどをしっかりと把握し、診察室での様子以外に日常の暮らしもイメージしながら診療にあたっています。
医師になられたきっかけなどをお聞かせください。
生物や化学が好きで、高校までは陸上部で活動して、体が動く仕組みや痛くなる理由などに興味があったことから、整形外科医療に携わりたいと医学部に入学しました。卒業後は大学病院や関連病院、地域の基幹病院などで十数年診療し、2026年に当院を開業しましたが、変形性関節症やスポーツ障害の患者さんを治療するという点では差は感じません。ただ、患者さんの生活に近い場所で治療するようになって、症状の始まりから、手術でどの程度良くなったか、手術後のリハビリはどうするかなど、一貫して患者さんを診られるのは病院勤務との大きな違いです。私自身も勉強になることが多く、さらに成長できると感じています。
最後に、地域の方にメッセージをお願いします。

体の痛みや慢性的な不調を感じている方はどなたでもお気軽にご相談ください。特に整形外科的に治療が必要で、運動療法や物理療法を活用して健康を回復・維持したい患者さんに、当院は適していると思います。今後は治療が終わった後でも運動習慣を続けて、ご自分の足でずっと歩けることをめざすなど、健康寿命をなるべく延ばせるようにサポートする施設を設けることも検討したいと考えています。地域の皆さんが長く健康でいられるように尽力しますので、どうぞよろしくお願いします。

