三好 毅 院長の独自取材記事
耳鼻咽喉科つよしクリニック
(藤井寺市/藤井寺駅)
最終更新日:2026/10/08
藤井寺駅から北へ徒歩約5分のクリニックビルの2階に、2026年4月「耳鼻咽喉科つよしクリニック」は開院した。院内は白を基調に暖色の照明でぬくもりを添え、グリーンも配された穏やかな空間だ。三好毅院長は、大阪けいさつ病院や堺市立総合医療センターなどで耳の手術からめまい・甲状腺・嚥下まで幅広い分野で研鑽を積んできた耳鼻咽喉科医。豊富な経験を持ちながらも「患者さんと話をして、何に困っているかを考え解決をめざしていくことが好き」と語る姿からは、包み込むような温かな人柄がにじむ。院内にCTや超音波検査機器をそろえ、小手術も可能な充実した体制を整える一方、一番の自慢はスタッフだと笑顔で話す三好院長に、地域医療にかける思いを聞いた。
(取材日2026年9月9日)
幅広い研鑽を経て、患者との対話を求め地域へ
先生が医師を志し、耳鼻咽喉科を選ばれた理由を教えてください。

家族に医師はおらず、医療との直接的な接点もありませんでしたが、人体というものに強い興味を持っていました。人間はなぜものを見て、聞いて、感じることができるのか……そうした仕組みを総合的に知りたいという思いが原点です。その延長で、病気に困っている方に対して自ら治療計画を立て、積極的に関わっていきたいと考えるようになったことが、医師を志したきっかけです。専門を選ぶ際には、もともと神経や感覚神経に興味がありましたので、脳神経外科や神経内科も候補に挙がりました。その中でも、聞く・嗅ぐ・味わうといった感覚器そのものに携わりたいという思いが強く、耳鼻咽喉科を選びました。人が日々の暮らしで当たり前に使っている感覚を守ることにつながるので、大きなやりがいを感じています。
開業前はどのような環境で研鑽を積まれてきたのですか。
大阪けいさつ病院では、耳の手術や側頭骨の手術に1年目から数多く携わることができました。顔面神経の分野を深く学ぶ中で、顔面神経麻痺に伴う味覚の低下を調べる検査にも早い段階から取り組む機会に恵まれました。また、めまいを専門とされている後の滝本耳鼻咽喉科・めまいクリニック院長に直接手取り足取りご指導いただいたことも大きな転機でした。先生の勧めもあってめまい診療の基礎をしっかり身につけることができました。その後、堺市立総合医療センターでは甲状腺や嚥下、首の手術など、それまでまったくふれてこなかった分野を新たに学びました。耳・めまい・味覚・甲状腺・嚥下と、施設ごとに異なる専門性の中で研鑽を積んだことが、今の診療の土台になっています。
こちらで開業された経緯と、クリニックづくりで工夫された点を教えてください。

勤務医としていろいろな病院を回る中で、目の前の患者さんと話をして、何に困っているのかを一緒に考え、解決をめざすことが好きなのだと気づきました。症状が出て最初に足を運ぶのがクリニックですから、その入り口で力になりたいと思い開業を決めました。藤井寺には地元の方や同門の先輩とのご縁があり、この地域で医療に貢献したいという思いも重なりました。院内は、扉を開けた瞬間に気持ちが明るくなるよう白を基調に暖色の照明で温かな雰囲気にしています。待合室には季節の映像を映すモニターを置き、待ち時間の緊張を和らげつつプライバシーにも配慮しました。診察前後の患者さんがすれ違わない動線や、発熱の方専用の入り口も設けています。藤井寺駅から徒歩約5分、エレベーター完備でベビーカーや車いすを利用する患者さんも安心です。ウェブ予約・ウェブ問診にも対応し、自動精算機も備えています。
疾患を早めに食い止めるため、検査と院内手術に対応
耳・鼻・喉の不調がある場合、受診の目安はありますか。

耳が詰まる、聞こえにくい、鼻が詰まる、喉がイガイガするといった症状は、つい様子を見てしまいがちです。ですが、そうした身近な不調の裏に、実は治療が必要な病気が隠れていることがあります。耳であれば真珠腫性中耳炎のように放置すると進行する病気、鼻であれば単なるアレルギーではなく副鼻腔炎、喉であれば窒息の危険を伴う疾患が見つかることもあるのです。「もう少し様子を見ようかな」と思ったときこそ、一度受診していただきたいというのが私の強い思いです。勤務医時代、病態がかなり進んだ状態で来られる方を多く診てきました。早めに受診していれば、そこまでつらい思いをしなくて済んだのではないかと感じる場面は多かったです。
院内ではどのような検査が受けられるのでしょうか。
院内でCTが撮れることが当院の大きな特徴です。副鼻腔炎や中耳炎の状態を確認できる他、近隣に学校が多いこともあり、スポーツ中の鼻骨骨折の診断にも活用しています。首の腫れについての詳細は超音波検査でおおよそ判断でき、小さなお子さんの鼻骨骨折確認にも使用できます。アレルギー検査では、採血が苦手なお子さんのために血液1〜2滴で41項目を調べられる検査機器を導入しました。めまいの診療では、眼振と呼ばれる目の動きを観察するフレンツェル赤外線検査に対応しています。さらに、睡眠時無呼吸が疑われる方にはモニターをお貸しし、ご自宅で検査していただくことも可能です。気になる症状をその日のうちに調べられる体制を整えています。
検査に加えて手術まで院内で行う体制を整えられたのはなぜでしょうか。

当院では内視鏡を用いて、鼓膜を切開したり小さなチューブを入れたりする処置や、鼻のレーザー手術に対応しています。内視鏡を使うと従来の顕微鏡に比べてはるかに手術時間が短く、安全面にも配慮できます。診察の予約枠内で対応することができます。こうした体制を整えた背景には、勤務医時代に感じた課題があります。クリニックでは対応しにくい処置が病院に集中し、勤務医の先生方の大きな負担になっていました。その中間にある処置を当院で引き受けることで、病院の先生方には全身麻酔が必要な手術など専門性の高い治療に力を注いでいただきたいと考えています。地域全体でそれぞれの役割を果たし、患者さんがより良い医療を受けられる体制づくりに貢献できればと思います。
「一番の自慢はスタッフ」地域の暮らしを支えたい
日々の診療で大切にされていることを教えてください。

病気の治療方法はガイドラインに載っていますし、どの耳鼻咽喉科医でも治療に取り組むことはできると考えています。ですが、患者さんが来院されるのは、不安やつらさを取り除きたいからです。何が一番その方を苦しめているのか、不安に思わせているのかを「一緒に感じる」ことを大切にしています。もし、お話をしていく中で不安が和らげば、患者さんの表情や返事が自然と変わってくるでしょう。逆に、説明をしてもふに落ちないような表情をされていたり、険しいお顔が続いていたりするのを目にすることもあるかもしれません。そうした場合には、ご自分からはおっしゃらない心配事がないかを想像しながら、「こんなことでお困りではないですか」と私のほうからお尋ねするようにしています。
先生にとって、御院の一番の強みは何でしょうか。
一番の自慢はスタッフです。笑顔がすてきな方ばかりですし、自分で考えて問題を解決する力がとても高いんです。朝礼で改善したい点を投げかけると、昼にはもう改善案を持ってきてくれます。受付業務をこなしながらずっと考えてくれていたのだと知り、頭が下がりました。おかげで当院の仕組みが日々更新され、どんどん良くなっていくのを肌で感じています。患者さん一人ひとりのお名前やお顔はもちろん、前回どんなことで困っていらしたかまで把握してくれていますので、ひょっとしたら私以上に患者さんから頼りにしていただいているかもしれません。経験者も未経験の方もいますが、全員が主体的に動いてくれる、かけがえのない存在です。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

私はクリニックというものを、道路の信号や上下水道と同じ、地域のインフラの一つだと考えています。医師会の先生方とも協力しながら、藤井寺で安心して生活し、子どもを育て、年を重ねても穏やかに暮らせる……そんな地域づくりの一端を担いたいと思っています。現在、待ち時間や予約の取りにくさでご不便をおかけしている面があり、院内の動線やスタッフ体制の見直しを進めています。耳鼻咽喉科の症状かどうかわからなくても構いませんので、ちょっとでも心配なことがあれば気軽に相談に来ていただけたら、なんらかの形でお答えし、助言をさせていただきます。困ったときに来てもらったら、「来て良かった」と思っていただける時間の提供をめざします。

