波戸本 亮 院長の独自取材記事
三宮はともとデンタルクリニック
(神戸市中央区/三ノ宮駅)
最終更新日:2026/05/15
神戸三宮駅から地下街やアーケードを通って徒歩約4分。通院に便利な立地に、2026年4月に「三宮はともとデンタルクリニック」が開業した。ビルの2階にある院内は清潔感と落ち着きがあり、キッズスペースも備える。波戸本亮院長はこれまでの診療経験から「日常的な歯科診療でも、世界的に標準とされる治療を患者さんに受けてほしい」と願い開業を決心。患者の利便性を考えて幅広い診療に対応し、歯列矯正と補綴治療を組み合わせて提供している点が特徴。わかりやすい説明も、歯科医師に必要な技術の一つであると考え、患者と意見をすり合わせながら治療計画を立てていくと話す。「その人にとって本当に正しい治療、納得できる治療を提供していきたいのです」と誠実な口調で語る波戸本院長に、診療への想いを詳しく聞いた。
(取材日2026年4月27日)
世界的にスタンダードな治療の提供をめざす歯科医院
最初に、ご開業までの経緯をお聞かせください。

もともと開業をめざしていたので、大阪大学歯学部を卒業してからは、千葉や大阪にある中規模の歯科医院や実家の歯科医院で働きつつ、セミナーや講習にも積極的に参加してきました。そうやって経験を積むうちに、今の歯科医療に疑問を感じることが出てきたのです。例えば、同じ症状であっても治療の技術にばらつきがあること。あるいは、もっと適した治療法があるのに、その存在さえ知らなかったという患者さんがいること。それぞれの患者さんに対して、より正しい治療、適切な治療を自分の手で提供していきたいと考えるようになり、立地やスペースが好ましいこの場所で、開業を決めました。
こちらでは、どのような診療が受けられますか?
虫歯や歯周病、入れ歯といった一般的な歯科診療をはじめ、歯列矯正、子どもの治療や予防歯科、インプラントやかぶせ物といった補綴、親知らずの抜歯や歯の神経の精密な治療、審美面に配慮した治療も含め、幅広い診療を行っています。歯科でも専門化が進んでいますが、「できれば同じ先生、同じ歯科医院で診てもらいたい」と思う患者さんはおそらく多いでしょう。もちろん重症例や特殊例は他院へのご紹介が必要になることもありますが、当院では大半の患者さんについて、初診から検査、治療計画のご提案、治療の完結まで、なるべく私が一貫して診ていきます。また保険診療に限定せず、自由診療にも広く対応しています。MTAセメントを用いた神経の保存療法や、セラミックによる補綴治療、歯列矯正などが代表的なところになります。
自由診療にもフラットに取り組まれるのはなぜですか?

日本の保険診療は、患者さんの費用負担が軽く、誰もが医療にアクセスしやすい素晴らしい制度だと思います。ただ、認められた治療しかできない制度でもあり、今、世界的に標準と位置づけられている治療内容とは、ややずれもあるように感じています。ですので、患者さんに適した治療法があり、その方が患者さんのメリットが大きいと考えられる場合には、それが自由診療であってもお伝えして、患者さんに選んでもらえることが大事だと思うのです。私は「保険診療か自由診療か」という枠組み以前に、患者さんによりメリットがある治療か、適切な治療かどうかを重視しています。
わかりやすい説明も歯科医師に欠かせない技術
「適切な治療」の根拠は、どういうところにあるのでしょう。

いわゆるエビデンス、つまり科学的な根拠があるかどうか、またエビデンスを背景に世界的に標準とされている治療かどうか、だと考えています。例えば補綴治療の詰め物やかぶせ物ですが、保険診療で使えるのはメタルや、最近ではCAD/CAMで成形できるハイブリットレジンになります。しかし、世界的にはセラミックや金が使われます。費用の面から保険診療を選ぶのならわかりますが、経済的余裕はあるのに保険診療しか受けていない患者さんは、本来なら適切な治療の選択肢があるのに機会を失っている、とも言えるでしょう。もちろん、先進の医療ではエビデンスが十分でないこともあり、判断基準がエビデンスのみとはいえませんが、少なくとも保険診療より良い経過が期待でき、有用性が高いことが見込める治療がある場合は、そちらもお知らせしたいのです。
治療に関して詳しい情報は知りたいと思いますが、難しそうな内容を理解できるか不安もあります。
先進の医療や自由診療、海外で標準とされている治療と聞くと、専門的で情報量も多く、難しく感じるかもしれません。ただ私は、患者さんにわかりやすく説明することも、歯科医師にとって治療と同じ大事な技術だと考えています。必要な情報をお伝えして理解を深めていただき、私が適切だと考える治療を選んでもらう努力をすることも、歯科医師の役割だと思うのですね。適切な治療法があっても「患者さんが関心を持たないから」などと、説明すら行わないことに対し違和感を覚えるのです。逆に、保険診療で十分な効果が見込める場合もありますし、自由診療だけを勧める必要もないと思います。私自身、説明が特別うまいわけではありませんが、人との接し方や患者さんに伝える技術は治療技術と同じように磨き続け、高めたいと意識しています。
こちらでは、歯列矯正と補綴治療を組み合わせて提供しているそうですね。

当院ではマウスピース型装置を用いた歯列矯正を行っています。従来は、まず歯並びを整えるために矯正を行い、必要な場合には歯列矯正後にかぶせ物やインプラントなどの補綴治療を行うという流れでした。しかし数年前に登場した新しいシステムによって、歯並びや顔の骨格、顔の表面のデジタルデータを組み合わせて、歯列矯正と補綴治療の両方を終えた後のシミュレーション画像が見られるようになりました。歯並びの変化の予測だけでなく、お顔全体のシミュレーション画像が見られますので、「歯列矯正と補綴治療を終えた後にに自分の顔が周囲からどう見えるか」をイメージしやすくなりました。また、このシステムでは、歯列矯正と補綴治療を同時に進められる場合もあり、期間の短縮が期待できます。私はこのシステムを用いた治療に以前から携わってきましたので、当院でも力を入れていきたいと考えています。
患者と丁寧に向き合える規模で質の高い治療をめざす
幅広い診療技術や新しい治療法は、どのように習得されているのですか?

子どもの頃から手先が器用でしたので、細かい治療や技工物の作製は好きなんですね。また、開業前に勤務していた歯科医院は、若手にも患者さんを診る機会を積極的に与えてくれました。技術的には未熟だからこそ、院内外で開催されるセミナーに足しげく通い、書籍からも知識を貪欲に得ようと必死で努力しました。その学びが、今の私を支えてくれています。進化が早い領域ですから、今後も知識をブラッシュアップし、技術を高めていきます。
院内の診断・治療機器は性能にこだわって選ばれたそうですね。
歯科用CT、顎や頭部全体が撮影できるエックス線装置、広い範囲が撮影できるコンパクトなデジタル3D口腔内スキャナ、治療時に視野を大きく拡大するマイクロスコープなど、先進の治療を行うために必要な機器は一通り導入しています。一方で、診察室は個室または半個室の4室のみです。来てくださる患者さんの治療を一貫して行うために、プライバシーに配慮したレイアウトながら、あえて私の目と手が届く規模にしています。コンパクトながら診療環境の整った院内で、患者さんお一人お一人に品質を追求した医療を提供していきたいと考えています。
最後に、今後の展望や、患者さんへのメッセージをお願いします。

当院では保険診療、自由診療のどちらにも対応しながら、患者さんにとって考えられる中で最適な治療の提供をめざします。ですので、基本的には予約制で、検査、説明、そして治療という過程を大事にしています。もちろん、最終的に治療内容を決めるのは患者さんです。さまざまな事情をお聞きして、「ここは自由診療で」「ここは保険診療で大丈夫」などと細かく選んでいくこともあります。私が考える「適切な治療」と患者さんのニーズを丁寧にすり合わせ、少しでも満足度の高い治療をめざせればと考えています。また、地域の歯科医院ですから、急な痛みなどの急性症状には対応させていただきます。長く使い続ける歯の治療だからこそ、世界的に標準とされる治療を、日常的な診療の中から届けていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/44万円~、インプラント/48万4000円~、MTAセメントを用いた神経の保存療法/5万5000円~、セラミックによる補綴治療/6万6000円~

