日比 裕之 院長の独自取材記事
大口駅前みみはなのどクリニック
(横浜市神奈川区/大口駅)
最終更新日:2026/06/09
JR横浜線大口駅東口改札から徒歩約1分のビル1階に、2026年4月「大口駅前みみはなのどクリニック」が開院した。耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科、アレルギー科を診療し、耳・鼻・喉の症状はもちろん、めまいや首の腫れ、甲状腺・リンパ節の病気など、首から上の幅広い不調に対応する。院内は天井の高さを生かした開放的な造りで、木目や植栽を取り入れた自然を感じる空間。フルフラットのバリアフリー設計で、ベビーカーや車いすでも受診しやすい。院長の日比裕之先生は、体が弱かった幼少期、医師の優しい声かけで不安なく受診できたという記憶を原点に、子どもから高齢者まで「困った時にすぐ相談できる」地域のクリニックをめざしている。今回は、日比院長に、同院の特徴や開院までの経緯、診療において大切にしていることについて聞いた。
(取材日2026年5月20日)
首から上の不調を気軽に相談できるクリニックへ
開業に至った経緯をお聞かせください。

医師になった当初から、いずれは地域の方に寄り添うクリニックを開きたいと考えていました。大学病院で専門的な診療や手術に携わるやりがいもありましたが、患者さんに、「元気になったよ、ありがとう」と言っていただけることがあると特にやりがいを感じました。出身は埼玉ですが、研修医時代から横浜市内の病院で勤務し、医師として育ててもらったという思いがあったため、できれば横浜市にお住まいの方たちへ恩返ししたいと考えていました。大口という街は物件探しで初めて訪れたのですが、横浜駅から2駅とアクセスしやすい一方で、駅前も落ち着いた雰囲気があり、地域に根差した診療をゆったり行える街だと感じました。
どのような患者さんが来院されていますか。
近隣にお住まいの方が中心ですが、駅から近いため、通勤・通学の途中や会社帰りに来られる方もいらっしゃいます。年齢層は0歳のお子さんから95歳ぐらいの方までと幅広いですね。症状としては、花粉症や風邪症状、副鼻腔炎の方が多く、鼻炎を長く抱えていた方が受診されることもあります。当院では2週間前からウェブ予約ができるため、「仕事の後に受診したい」「待ち時間をできるだけ少なくしたい」という方にも利用していただきやすいと思います。お子さんの診察では、検査や治療をできるだけ短時間で行い、頑張れた時にはシールを渡したり、しっかり褒めたりして、少しでも怖さを減らせるよう心がけています。
どういった症状を診てもらえるのでしょうか?

耳鼻咽喉科は、耳・鼻・喉だけでなく、首から上の幅広い症状に対応する診療科です。耳の痛みや聞こえにくさ、耳鳴り、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、声がれ、めまいなどに加え、首の腫れやしこり、甲状腺やリンパ節に関わる症状を診ることもあります。風邪のような身近な症状から、慢性的な鼻詰まり、聞こえの変化まで、原因を見極めることが大切です。「これは耳鼻咽喉科で相談していいのかな」と迷う症状でも、まずはご相談ください。診察した上で、必要に応じて専門的な検査や治療が受けられる医療機関へ紹介します。
検査も自院で完結。スマート診療を推進
開院にあたり、院内づくりでこだわった点はありますか。

医療機関としての清潔感はもちろん、患者さんに圧迫感を与えない空間にしたいと考えました。物件自体の天井が高かったため、開放感を生かしながら、木目調の建具や青を基調にした色使い、植栽などを取り入れ、自然を感じられる明るい雰囲気を意識しました。院内はフルフラットのバリアフリー設計で、車いすやベビーカーのまま診察室まで入ることができます。診察室から処置室、検査室、ネブライザーの動線が一本で済むようにレイアウトしています。また、スタッフの無駄な移動を減らすため、受付と診察室をつなぐパスボックスも設けました。ここから受付にいるスタッフと会話したり、書類の受け渡しをしたりしています。コアラのキャラクターは、耳と鼻が大きい動物であることと、私がオーストラリア生まれであることに由来しているんです。
CTスキャンを導入されているんですね。

主に副鼻腔炎の診断に役立てるために導入しました。一般に副鼻腔炎は、鼻の中を診るだけでは炎症の有無や広がり、原因を判断しにくいことがあります。例えば、花粉症が背景にあるのか、歯のトラブルから副鼻腔炎が起きているのかなど、CTで確認することで見えてくる情報があります。クリニックにCTがない場合は、他院で撮影して別日に再度説明を受ける必要があり、患者さんの時間的・経済的負担も増えてしまいます。当院ではその場で撮影し、画像を見ながら説明できるため、診断から治療方針の共有までスムーズです。実際にCT検査を希望して来院される方もおり、導入して良かったと感じています。
スタッフ体制や接遇で大切にしていることはありますか?
看護師1人、事務5人の計6人のスタッフが在籍しています。患者さんは不安やつらさを抱えて来院される方が多いので、まずは安心して受診していただける対応を大切にしています。時に待ち時間などで不安や不満が生じることもあるかもしれませんが、できるだけ未然に防ぐことが大事だと考えています。そのため、患者さんの言葉に耳を傾け、丁寧に対応するようスタッフにも伝えています。一方で、器具洗浄の自動化やウェブ予約・ウェブ問診の活用など、スタッフの負担を減らし、本来力を注ぐべき業務に集中できる環境づくりも進めています。
幼少期に出会った医師が原点に
ところで、先生が医師を志したきっかけはなんでしょうか。

私は幼い頃体が弱く、風邪をひいたり熱を出したりして、頻繁に小児科や耳鼻咽喉科に通っていました。その時にお世話になった小児科の先生がとても優しく、診察の前に「今から熱を測るよ」「お口の中を診るよ」と声をかけてくれる方でした。怖がらずに通院できていたのは、その先生の存在が大きかったと思います。その経験から大学時代は小児科を志望していたのですが、実習で耳鼻咽喉科の奥深さを知り、進路に選びました。耳鼻咽喉科は内科と外科を合わせたような側面があり、外科的な手術も薬による治療もできる点に魅力を感じたからです。子どもから高齢の方まで幅広く診られることも、自分に合っていると感じました。
先生のご専門はアレルギーだそうですね。
はい。近年アレルギー疾患の低年齢化が進んでおり、早期に適切な治療を受けることが重要だと考えています。当院でも、花粉症やダニアレルギーに対する舌下免疫療法に力を入れています。アレルギー性鼻炎は、鼻水や鼻詰まり、くしゃみといった症状がつらいだけでなく、睡眠や集中力にも影響します。特にお子さんの場合、授業や受験勉強に集中しづらくなり学業や生活の質にも関わるため、早い段階から適切に対策することが大切です。舌下免疫療法は、症状を一時的に抑えることを図るだけでなく、アレルギー体質そのものの改善をめざす治療です。人によっては薬なしでも過ごせるようになることも見込めます。検査によってスギ花粉症やダニアレルギーが確認され、5歳以上であれば保険適用で始められます。治療期間や注意点も含め、患者さんに合わせて丁寧に説明しています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

来院された方に「相談して良かった」「来て良かった」と思って帰っていただけるよう、診療内容だけでなく、説明のわかりやすさや接遇にも気を配っています。検査を受けるべきか迷っている場合も、相談だけでも構いません。必要性やメリット、デメリットをお伝えした上で、一緒に考えていきます。お子さんの診療では、保護者の方が不安を抱え込みすぎないよう、必ずやるべきことと、無理にしなくてもよいことを分けてお伝えしています。耳・鼻・喉・首のことで困ったときには、ぜひ気軽にお立ち寄りください。

