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半下石 美佐子 院長の独自取材記事

伝通院前漢方・内科クリニック

(文京区/後楽園駅)

最終更新日:2026/06/04

半下石美佐子院長 伝通院前漢方・内科クリニック main

後楽園駅から徒歩11分、傳通院(でんづういん)のほど近く。春日通りから一歩入った静かな住宅街に「伝通院前漢方・内科クリニック」はある。花屋が1階に入るビルの2階に位置し、完全予約制の落ち着いた院内が患者を迎える。院長の半下石美佐子(はんがいし・みさこ)先生は日本東洋医学会漢方専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医の資格を持つ内科医。約20年にわたり幅広い症状と向き合ってきたが、自身が更年期に苦しんだことを機に漢方の道へ進み、2026年に開業した。「困っている方を助けたい」と語る先生の穏やかな話しぶりには優しさがにじみ、躊躇なく何でも相談できると感じさせる雰囲気が印象的だ。漢方医療を志した経緯や一人ひとりに寄り添う診療について詳しく聞いた。

(取材日2026年5月15日)

自身の更年期体験が、漢方医療を志す原点に

漢方内科のクリニックを開かれた経緯をお聞かせください。

半下石美佐子院長 伝通院前漢方・内科クリニック1

約20年間、一般内科全般を担当する中で、さまざまな症状のご相談を受けてきました。その中で、ときには対応が難しいお悩みを伺うこともあり、内科医としてもう少し手段があったのではないかとずっと感じていたんです。そんなとき、自分自身が更年期を迎えました。あまりにつらくて、昌平クリニックの故・鍋谷欣市先生を受診し、煎じ薬に出合ったんですね。これは絶対に学ばなければと思い、鍋谷先生に弟子入りし、北里大学薬学部附属東洋医学総合研究所でも学び、漢方専門医の資格を取得しました。友人の開業医にも背中を押され、4人の子どもたちも全員成人したので、自分のペースで患者さんにじっくり向き合いたいと思い、開業を決めました。困っている方を助けたいという気持ちが、一番の原動力です。

先生が医師を志されたきっかけや、これまでの歩みについてお聞かせください。

母は専業主婦、父は会社員という家庭で育ったのですが、高校時代に教育テレビで、ネパールの僻地医療に取り組む故岩村昇医師の話に深く感銘を受け、医師になろうと決めたんです。幼い頃に往診に来てくれた先生の姿も心に残っていて、地域の方に寄り添う医師というのが私の原点にある理想像です。そして筑波大学を卒業後は、横須賀米海軍病院や東大病院、国立国際医療センターで経験を積み、35歳から企業で常勤の医師を20年間務めました。その間に、一般内科を幅広く診てきたことが今の土台になっています。現在は漢方専門医、総合内科専門医、循環器専門医の資格を持っています。

クリニックづくりで工夫された点を教えてください。

半下石美佐子院長 伝通院前漢方・内科クリニック2

院内は待合室を広めにつくり、完全予約制にすることで混み合うことがなく、リラックスしてお過ごしいただけるようにしています。診察室はデスクを挟んで患者さんと向かい合う対面のスタイルにこだわりました。以前は横並びで診察していたのですが、なるべく目を見てお話ししたいと思い、この配置にしたんです。診療科目は内科と漢方内科の両方を掲げていて、漢方のご相談に限らず一般的な内科の症状にも幅広く対応できる体制を整えています。当院は1階に花屋さんが入ったビルの2階にあり、傳通院のすぐそばに位置しています。春日通りから少し入った静かな住宅街の中ですので、落ち着いた雰囲気の中で通っていただけるのではないかと思います。

全体を診る漢方医療で、一人ひとりに合わせた提案を

漢方医療ならではの強みはどのようなところにありますか。

半下石美佐子院長 伝通院前漢方・内科クリニック3

漢方医療の一番の魅力は、体全体を診られることだと思っています。最近の医療は専門性が高まる一方で、専門以外には目が向きにくくなっている面もあるように感じます。「うちの科ではありません」と言われたけれど症状は残っている、そんなふうに専門科の狭間をさまよう患者さんは実は少なくありません。そうした方にこそ、全体を診る漢方医療が力を発揮できるのではないかと考えています。更年期についても我慢されている女性がとても多いと聞きますが、漢方が果たせる役割は決して小さくありません。ただ、私は漢方だけにこだわるつもりはなく、西洋薬との併用や婦人科など他科との連携も含め、患者さんに合った対処法を一緒に考えていきたいと思っています。

改めて、こちらではどのような診療を受けられるか伺えますか?

当院の診療は大きく3つのコースに分かれています。1つ目は自由診療の「漢方スタンダードコース」で、お一人お一人の症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を、連携する漢方薬局から処方します。煎じ薬や粉薬、丸薬など剤形はさまざまで、煎じ薬は生薬の足し引きが自在にでき、体質に合わせた細かな処方が可能です。2つ目は自由診療の「未病・漢方栄養コース」で、健診で異常がなくても何となく不調を感じるという段階で、亜鉛やフェリチン、ビタミンDなどの値を血液検査で確認し、生活改善のアドバイスを行います。必要に応じて漢方薬の処方もできます。3つ目は保険診療で、エキス製剤や西洋薬を処方します。一般内科にも対応し、より専門的な治療が必要な場合は近隣の医療機関をご紹介しています。

実際の診察はどのような流れで進むのでしょうか。

半下石美佐子院長 伝通院前漢方・内科クリニック4

あらかじめ問診票にご記入いただき、症状の全体像をつかんだ上で診察に入ります。漢方には体系的に確立されてきた独自の診察法があり、顔色や舌、おなかの状態などから所見を取っていきます。問診でおおよその方向性を考えておき、実際の所見と総合して「なぜこの処方にするのか」を判断するという流れです。あわせて大切にしているのが生活習慣の改善指導です。食事・睡眠・運動については必ずお聞きしていて、最終的には薬がなくても過ごせるのが理想ですから、その方の健康の骨組みそのものが整った状態をめざすことを重視しています。さらに血液検査で鉄や亜鉛などの栄養状態も確認し、不足があれば補うためのアドバイスもしています。漢方と栄養の両面から、体の土台づくりをお手伝いしたいと考えています。

つらさを我慢しないで。漢方にできることがきっとある

患者さんと向き合う上で心がけていることはありますか。

半下石美佐子院長 伝通院前漢方・内科クリニック5

お一人につき30分以上かけて、じっくりお話を伺うようにしています。大切にしているのは、患者さんの言葉を遮らないこと。ご本人の言葉で話していただきたいので、「うまく言えないけど、こういう感じ」という表現もそのまま受け止めています。そうした声は、しっかり耳を傾けないと出てこないことが多いんですよね。緊張されないよう、ゆっくりお話しいただける雰囲気づくりも心がけています。私自身が更年期症状に苦しんだ経験があるからこそ、何度受診しても改善しなかった方のお気持ちがわかるんです。「異常なし」と言われたのにつらさが続くもどかしさを知っているからこそ、患者さんの声に真剣に向き合えると思っています。それが私の一番の強みです。

今後、力を入れていきたいことはありますか。

まずはこのクリニックの存在を知っていただき、困っている方のもとに医療を届けていくことが大切だと思っています。更年期の症状を我慢されている方や、過去に何度か受診しても改善しなかったという方に「ここに相談できる場所がある」と思っていただけるよう、情報の発信にも力を入れていきたいですね。現在は私1人でクリニックを回していますが、そうした体制も含め、今後少しずつより良い形に整えていきたいと考えています。まだ開業して間もないですが、地域医療に貢献したいという初志を大切に、この場所で少しずつ皆さんのお力になれるよう取り組んでいきたいと思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

半下石美佐子院長 伝通院前漢方・内科クリニック6

私自身が更年期のつらさを経験していますので、同じように悩んでいる方のお話を親身に伺うことができます。ですから、どうか我慢しないでいただきたいのです。どこの医療機関に行ってもなかなか良くならなかったという方にも、漢方にできることはきっとあると思います。一度相談してみようかなと思っていただけたらうれしいですね。漢方薬の味や飲みにくさに抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、オブラートに包むなどいろいろな飲み方がありますし、連携する薬剤師さんからも丁寧にご案内できます。保険診療のエキス製剤から始めてみるという方法もありますので、漢方を敬遠せずに一度試してみてください。繰り返しになりますが、つらい症状を一人で抱え込まないでほしい、やはり、それが一番お伝えしたいことです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

・漢方スタンダードコース/初診9000円(税込)、再診5000円(税込)
・未病・漢方栄養コース(血液検査費用込)/初診1万5000円(税込)、再診(検査結果説明あり)8000円(税込)、以降の再診5000円(税込)