大溝 啓揮 院長の独自取材記事
十条駅前ひろ内科クリニック
(北区/十条駅)
最終更新日:2026/05/25
JR埼京線十条駅北口から徒歩1分、ショッピングモールの2階に2026年4月開業した「十条駅前ひろ内科クリニック」。ホワイトを基調に木目調のアクセントを効かせた院内は、やわらかな照明も相まって落ち着いた雰囲気だ。院長の大溝啓揮先生は帝京大学医学部を卒業後に腎臓内科の道へ進み、日本腎臓学会腎臓専門医や日本内科学会総合内科専門医の資格を取得した。糖尿病や高血圧が進行した先に行き着くのが腎臓病。だからこそ、予防から治療まで幅広い疾患を診る力が養えると考え、この分野を専門に選んだのだという。穏やかな語り口が印象的な大溝先生に、「健康の窓口」をめざす同院の診療方針や地域医療にかける思い、今後の展望を聞いた。
(取材日2026年4月20日)
生活習慣病の「その先」を診てきた腎臓専門医
腎臓内科を専門に選ばれた経緯を教えてください。

糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病が進行した先に行き着くのが腎臓病であり、その手前で心臓や脳に影響が出ることもあります。つまり腎臓内科はさまざまな疾患を幅広く診る必要がある科です。予防から治療まで全般的に対応できる力が身につくと考え、この道を選びました。併せて総合内科専門医も取得し、頭痛やだるさといった日常の不調から生活習慣病を早い段階で拾い上げられるよう備えています。
この十条の地で開業された理由をお聞かせください。
帝京大学の出身なので、学生時代から十条という街にはなじみがあります。下町の雰囲気が残っていて、人と人のつながりを感じる温かい場所です。まずはこの土地で地域の方々の健康に貢献できたらという思いがありました。加えて、帝京大学医学部附属病院や東京北医療センターで勤務した経験がありますので、専門的な医療が必要になった際にも、どの病院のどの先生に紹介すれば良いか適切に判断ができます。これは、患者さんにとっても安心していただける点だと思います。当院は「健康の窓口」のような場所をめざしています。体の不調を気軽に相談できる入り口となって、ここで対応できることは対応し、必要に応じて適切な医療機関におつなぎする。そんな相談所のような存在でありたいですね。
クリニックの内装や設備でこだわった点を教えてください。

院内はホワイトを基調に木目調のアクセントを加え、患者さんが落ち着ける空間を意識しました。バリアフリー仕様でエレベーターも備えていますし、予約なしでも受診できますので、幅広い方に通いやすい環境だと思います。検査機器では、糖尿病の指標であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を約90〜100秒で測定できる機器を導入しています。短時間で結果をお伝えできるため、結果を聞くためだけに再診していただく必要はありません。ほかにも心電図やエックス線、心臓の超音波検査に対応し、生活習慣病と関連の深い心臓の状態も確認できます。発熱のある方には別の診察室で対応するなど、慢性疾患で通われている方が安心できるよう動線にも配慮しています。
一人ひとりに寄り添い、チームで支える慢性疾患管理
腎臓専門医として、やりがいを感じるのはどのような時ですか。

私が腎臓内科に入った当初は、今よりも腎臓病に対してできる治療は限られていて、残念ながら、病気が進んでいく様子を見守るしかない場面もありました。しかし、この10年ほどで治療法が大きく進歩し、できることが格段に増えています。血圧や血糖値をしっかりコントロールして悪化を食い止めることをめざす予防の面と、すでに病気が進行した方に先進の治療を届けられる面と、その両方に取り組めることにやりがいを感じています。当院では糖尿病や高血圧症、腎臓病に加え、心不全の予防にも力を入れていきたいですね。まだ専門の外来にかかるほどではないけれど、何となく気になるという段階の方に早く気づき、重症化を防いでいくことが、このクリニックの大きな役割だと思っています。
慢性疾患の患者さんと長く付き合う上で、大切にされていることはありますか。
一番大切にしているのは、何でも相談しやすい環境を最初の段階から整えておくことです。初回の受診時から日常のちょっとした症状でも伝えていただける関係をつくっておくと、慢性疾患の経過を診ていく中で患者さんが困ったときにも気軽に話してくださるようになると思います。その積み重ねが、結果的に良い医療や病気の早期発見につながると考えています。生活習慣病は自覚症状がほとんどないために、どうしても後回しにされがちです。だからこそ、お一人お一人の生活背景に合わせた伝え方を意識しています。画一的な説明ではなく、その方が「自分事」として受け止められるような言葉を選ぶことで、なるべく早い段階で治療につなげていきたいと思っています。
栄養面でのサポート体制についてお聞かせください。

現在、月に2回ほど管理栄養士の在院日を設け、食事や運動習慣について一人ひとりの生活に合わせたアドバイスを行っています。栄養指導は外来の限られた時間だけでは十分にお伝えしきれない部分がありまして、専門家の力を借りることで食事面からも支えられるクリニックにしたいと考えました。栄養指導は当院の特色の一つにしていきたいですね。管理栄養士も看護師も、糖尿病や腎臓病に精通している方に来ていただいていますので、私以外のスタッフにも安心してご相談いただけると思います。私には話しづらいことがあれば看護師や管理栄養士に伝えていただいて構いません。チーム全体で患者さんを支えることが、通院を長く続けていく上で大切だと考えています。
地域の「健康の窓口」として、気軽に相談できる場所に
先生ご自身の健康管理やリフレッシュ法はいかがですか。

実は私自身、遺伝的に糖尿病になりやすい体質でして、食事の際にまず野菜から食べるようにするなど自分なりの予防を心がけています。同様のリスクを抱える患者さんにはこうした日常の工夫もお伝えするのですが、同じ目線でお話しできる分、共感していただきやすいように感じます。リフレッシュは、休日に子どもと公園でサッカーや野球をしたり、家でブロックを一緒に作ったりすることでしょうか。あとは友人たちとフットサルを楽しんでいまして、東京北医療センターに勤めていた頃にスタッフ同士で始めたのがきっかけで今も続いています。もともと人と接することが好きな性格で、誰かと過ごす時間が気持ちの切り替えになっていますし、外来で患者さんとお話しする原動力にもなっていると思います。
クリニックの今後の展望をお聞かせください。
当院には診察室が複数ありますので、今後は患者さんのニーズに応じて体制を広げていきたいと考えています。例えば女性の医師を迎えることで、女性の患者さんがより相談しやすい環境をつくりたいですし、甲状腺など別の専門を持つ医師と一緒に診療できる体制も視野に入れています。帝京大学にはさまざまな分野の先生がいらっしゃいますので、そうした連携が実現すれば地域の方にとっても心強いはずです。診療日についても現在は水曜を休診にしていますが、地域の需要を見ながら拡大も検討中です。まだ開業して間もないクリニックですが、通ってくださる方の声に耳を傾けながら、一歩ずつ柔軟に体制を整えていきたいと思います。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

体の不調を感じたときに、気軽に相談していただけたらそれだけで十分です。頭が痛い、なんとなくだるいといった日常のちょっとした変化が、実は生活習慣病の入り口になっていることもあります。「こんなことで受診していいのかな」と迷われる方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろそうした段階で相談していただけるとありがたいです。当院は糖尿病や高血圧症、腎臓病の専門的な診療にも対応していますし、必要があれば近隣の大きな病院へスムーズにおつなぎすることもできます。ショッピングモールの中にありますので、お買い物の合間にふらっと立ち寄る感覚で構いません。十条の皆さんにとっての「健康の窓口」のような場所になれたらうれしく思います。

