小松 達司 院長の独自取材記事
わかば医院
(横浜市戸塚区/戸塚駅)
最終更新日:2024/12/13

横浜医療センター前停留所から徒歩約5分。「わかば医院」の前院長からクリニックを引き継ぎ、2023年4月から診療を行うのは小松達司院長だ。小松院長は、長年横浜医療センターで消化器疾患の診療と研究に取り組んでおり、同院でも一般内科と消化器疾患の診療に注力。さらに小松院長は消化器疾患の中でも肝疾患の診療を多く行っていたとのことで、同院は専門性の高い診療を提供することが可能になった。また同院では生活習慣病の診療にも力を注ぎ、独自のパンフレットも作成。生活習慣の予防・改善には、適切な生活習慣を身につけることと、定期的な健診が大切であると、発信を続ける。休日は愛犬との外出が楽しみであると語る小松院長。われわれのインタビューに、気さくに飾らず答えてくださった小松院長からは、穏やかで優しい印象を受けた。
(取材日2024年11月7日)
消化器疾患と生活習慣病の診療が強み
2023年に院長就任されたとのことですが、就任までの経緯について教えていただけますか?

私は、この近くにある横浜医療センターの消化器内科に長年勤務し、診療と研究を並行して行っていました。わかば医院は、もともと病診連携で患者さんのご紹介、逆紹介を行っており関係の深いクリニックでしたが、2022年にわかば医院の院長が急逝され、その後は非常勤の先生が週2~3日短時間、交代で診療してきました。通院する患者さんも不便に感じていらっしゃったことと思います。ご緑がありまして、2023年4月から私が引き継ぐことなりましたので、横浜医療センターで診ていた患者さんが当院に来ることもありますし、私が地域のお役に立てるならうれしいことです。診療内容は前院長の時と大きく変わりましたが、専門性の高い医療の提供に尽力していきます。
勤務医から開業医への変化は、どう感じていらっしゃいますか?
患者さんとの距離が近いことに驚きました。病院では、患者さんというより病気に注目することが多くありましたから。ここでは病気のことだけでなく、患者さんのご家族や病気以外の悩みを相談してくれる方も多いです。患者さんの人柄がわかるというのはうれしいですね。患者さん一人ひとりに時間を取れるようになったので、患者さんから細かく話を聞いたり、こちらからも詳しい説明や注意事項などをお話しできるようになりました。
先生の専門分野について教えてください。

私は、これまでは肝疾患を中心に消化器疾患を主に診療してきました。肝臓は、「沈黙の臓器」とも呼ばれていますが、自覚症状が出にくく、血液検査などの検査で初めて病気がわかる場合が多いです。私が横浜医療センターに勤務し始めた頃は、B型、C型の肝炎ウイルス由来の肝疾患が大半でした。現在、ウイルス性肝炎は治療薬の進歩により、治癒あるいはウイルスを抑えることがめざせるようになり、減少傾向にあります。一方、生活習慣病を基盤とした脂肪肝やアルコール性肝疾患が増加してきています。ウイルス性肝炎のような、期待できる効果が高い治療薬がまだありませんので、生活習慣をコントロールすることが重要ですね。
適切な生活習慣と、定期的な健診が生活習慣病の予防に
改めて、クリニックの特徴を教えてください。

前院長は、内科疾患だけでなく、小児科や婦人科、泌尿器科に皮膚科など、幅広い診療を行っていました。しかし現在は、一般内科と生活習慣病、消化器疾患などを中心に診療を行っています。診療できる内容は減りましたが、専門性の高い診療を提供できると思います。当院の設備は限られているため、必要な検査や治療については、速やかに各専門機関と連携を取り、ご紹介を行っていきます。もちろん、私が勤めていた横浜医療センターとの連携も可能です。病診連携を意識して、患者さんの早期治療に尽力します。
生活習慣病に対して悩んでいる人や、罹患しないためのアドバイスがあればお聞きしたいです。
生活習慣病は、名前のとおり生活習慣に起因する病気です。生活習慣病の方はもちろん、生活習慣病にかかりたくない方も、生活習慣を見直すことで改善がめざせます。具体的には、バランスの良い食事と運動、禁煙。運動は毎日30分ぐらいが理想ですが、連続した運動が難しい場合は回数を分けても構いません。激しい運動ではなく、室内でできる体操などで大丈夫ですよ。高齢の方は、ご自分のできる範囲で無理せず。それから禁酒、と言いたいところですが、適度なお酒であれば健康を害することもほとんどないので、節酒ですね。大切なのはそれらを習慣にすることです。体重を一気に減らしたとしても、リバウンドしてしまったら意味がありません。焦らなくて大丈夫なので、少しずつやっていくといいですね。当院では独自で高血圧や脂質異常症などのパンフレットを作成しているので、該当の患者さんにお渡しするようにしています。気になる方はお声がけください。
定期健診も、生活習慣病の予防に有用ですか?

そうですね。定期健診は生活習慣病の予防や早期発見だけでなく、がん疾患の早期発見にもつながります。がん検診も、ある程度の年齢になったら定期的に受けるといいですね。健診の結果を持ってきていただければ、当院でもアドバイスや治療を始めることができます。当院では診察・血液検査・尿検査・腹部エコー・心電図はできますが、それ以外の検査や治療が難しいため、当院でできない項目を健診で受けるという形でも構いませんよ。
これからも信頼されるクリニックへ
患者さんと接する上で、気をつけていることはありますか?

患者さんに合わせた診療をすることです。何度もお会いしている患者さんであれば、その人に合わせた診療も可能になってきますが、初めての患者さんだと、まずどんな人なのかを考えながら診療を始めます。開業医になって患者さんと話す時間が増えたといっても、診察の時間は限られていますからね。病状を診ながら患者さんの人となりを見る。そのために、患者さんが話しやすい雰囲気づくりにも気をつけています。クリニックというだけで緊張してしまう方もいらっしゃるので、そういうときは無理に話を聞き出すことはしません。「看護師さんになら話せるけど」という方であれば、それで大丈夫です。私よりもスタッフのほうが話しやすいという場合は、話しやすいスタッフに遠慮なく声をかけてください。そのために情報共有を行っていますからね。医師としての経験が長いとはいえ、患者さんとの関係構築はまだまだ難しいところです。
今後、クリニックがめざしていきたい理想像はありますか?
患者さんが困ったときに「あそこに相談しよう」と思ってもらえるようなクリニックが理想です。信頼してもらえる医師になりたいですね。私が医師をめざしたきっかけの一つが、幼少期に通っていた小児科の先生なんです。その先生が夜間でも親切に診察してくれたというのがずっと心にあって、あの先生のような患者に寄り添える医師になりたいと思いました。患者さん本人はもちろん、患者さんが家族も診てもらいたいと思ってもらえるような、信頼と安心のクリニックにしていきたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

気になることがあれば、お気軽にご相談ください。病気というのは、自覚症状がなくても重い病気である場合もあるので、自己判断はせず、定期的な健診や体のチェックをしてください。体のことでわからないことや心配なことがあれば、まずは当院に来ていただいて構いません。当院で難しいことは、適切な医療機関をご紹介しますので、医療の窓口として使ってもらえるとうれしいです。それから発熱の外来にも対応していますので、発熱された患者さんは、一度当院にご連絡ください。地域医療に貢献し、少しでも患者さんの力になれればと思います。