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青柳 浩樹 院長の独自取材記事

ヒロキデンタルクリニック

(大田区/武蔵新田駅)

最終更新日:2026/05/21

青柳浩樹院長 ヒロキデンタルクリニック main

東急多摩川線武蔵新田駅近くに、「ヒロキデンタルクリニック」を開院した青柳浩樹院長。蒲田エリアの歯科医院で長年院長を務めてきたが、長らくこの地で診療して来た歯科医院を継承する形で、2026年3月に開業した。青柳院長は以前から訪問診療に取り組み、「自分で噛んで食べて健康を守る」ことの重要性を痛感し、歯科治療だけでなく口腔機能のケアにも注力してきたという。開業を機に一層地域に根差して、口の健康に関する情報発信や啓発にも力を入れたいと語る。人を包み込むような優しい語り口、一人ひとりの患者と真摯に向き合う診療姿勢も印象的だ。そんな青柳院長に、同院の特徴や地域医療への思いを聞いた。

(取材日2026年4月30日)

蒲田エリアでの30年以上の診療経験を生かして、開業

こちらの歯科医院の成り立ちを聞かせていただけますか。

青柳浩樹院長 ヒロキデンタルクリニック1

40年にわたって地元出身の先生が診療されていた歯科医院を継承する形で、2026年3月に開業しました。内装や診療ユニットは新しくしましたが、基本的には元の歯科医院を生かした形です。待合室のベンジャミンも、40年ここにあったものなので大切に受け継ぎたいと考えて、植木屋さんに手入れしてもらいました。診療面では、一般歯科を中心に、オールマイティーに対応しています。前の先生の時からの患者さんも通ってきてくださいますし、近隣の皆さんにも受け入れていただいて、本当に感謝しているところです。

先生のご経歴や開業のきっかけについて教えてください。

親戚に医師が多く、栃木の祖父母の家の隣で、母方の伯父が開業していました。夏休みに遊びに行った時などに、診療する伯父の姿を子ども心に格好いいなと思い、自然に医学の道を志すようになりました。特に手先を使うことが好きだったので歯学部に進みました。大学卒業後は、大学に残って研究するより、実際に患者さんと接する臨床のほうが良いと思い、都内の歯科医院で研鑽を積みました。その後、先輩の立ち上げた医療法人に加わり、蒲田の歯科医院で長らく院長を務めていました。私は歯科医院経営よりも、診療技術を磨くことに関心があったので、開業するつもりはなかったのですが、勤めていた歯科医院の経営方針が変わることになり、急きょ、開業を考えるようになりました。蒲田歯科医師会で活動してきたこともあり、近隣で場所を探していたところ、ここを紹介されたのです。

実際に開業されていかがですか。

青柳浩樹院長 ヒロキデンタルクリニック2

この辺り、特に商店街は、代々住まれている方も多く、昔ながらのというか、温かくて居心地の良い地域です。前職はオフィスビルの中の歯科医院でしたので時間に追われがちでしたが、こちらではじっくりと患者さんに向き合えています。商店街を越えると集合住宅などもたくさんありますから、お子さんや現役世代の方、多忙な方にもぜひ来ていただきたいと思っています。近隣の保育園で園医を務めていますし、前職でも長年園医を経験してきたので、小さいお子さんの対応は慣れているんですよ。

症例として診るのではなく、人を診て治すことをめざす

患者さんと接する上でどのようなことを大切にされていますか。

青柳浩樹院長 ヒロキデンタルクリニック3

歯科が好きな方はいないと思うのでなるべく不安にならないよう、やわらかい雰囲気を心がけています。しかし、やはり来院のハードルは高いと思うんですよ。私自身、他の診療科にかかる時に緊張しますから(笑)。ですから、嫌だと思われている、緊張されているということを前提として接したいと思っています。また、開業して感じるのは、今までは症例を診ていたということです。こういう症状だからこう治療して、うまく治せれば患者さんに喜んでいただけると思っていたのですが、ここで一人ひとりの患者さんとじっくり向き合うと、症例ではなく人を診ているという気がするんです。もちろん、今までも患者さんとコミュニケーションを取り、満足してもらえるように努めていましたが、開業してみると診療だけでなくもっと人と人としてのつながりを育みたいと思うようになってきました。

スタッフに伝えていることなどはありますか。

以前は、スタッフに患者さんへの目配り気配りをしてほしいと伝えていたのですが、少し前から、自分は院長としてスタッフに目配り気配りをできているかなと考えるようになりました。若い頃は、スタッフも自分と同じような気持ちで、医療人として患者さんに接するのが当たり前だと思っていましたが、まず、働きやすい環境や働きがいがあってこそ、スタッフが患者さんに気遣いできるということに、年齢を重ねて気がついたのですね。当院はスタートしたばかりですが、働きやすい環境づくりにも取り組んでいきたいと思っています。

これまでの経験で印象に残っていることはありますか?

青柳浩樹院長 ヒロキデンタルクリニック4

もともと開業前から訪問診療に取り組んでいて、始めたきっかけがあるんです。ずっと通院してくださっていたダンディーなご年配の患者さんがしばらく来られなくなって、奥さんからの依頼でご自宅に伺うと寝たきりで受け答えも難しいような状態になられていて、とてもショックを受けました。その時は入れ歯のご相談だったのですが、「ちゃんと噛める」ということは心身にものすごく影響を与えるのかもしれないと痛感しました。それから訪問診療にも取り組むようになったのです。また、以前勤めていた歯科医院で顎が痛くて食事ができないという方を診察した時は、顎ではなく舌の裏側に大きながんがあり、見つけた時には末期の状態だったこともあります。患者さんが顎に問題があると思っていても、実際は顎の症状ではないこともあるのだと、診療の難しさを改めて実感しましたね。

一生自分で噛んで食べて健康を守れるよう地域貢献を

咀嚼や嚥下など、口腔ケアにも取り組まれていると聞きました。

青柳浩樹院長 ヒロキデンタルクリニック5

そうですね。お口は栄養の入り口ですから、入り口に問題が生じると体の他の部分も悪くなってしまいますし、反対に、お口が健康になれば、いろいろなところの回復が望めるのだと実感して、摂食・嚥下という口腔機能にも注目するようになりました。噛んで飲み込めて栄養になるわけですからね。歯科医師が関わることのできる部分も大きいのですが、ヘルパーさんなどほかの職種の方から学ぶこともたくさんあります。それぞれの視点や経験が異なりますからね。ですから、摂食・嚥下に関して、もっとさまざまな専門職が協力して患者さんをサポートしていける仕組みがつくれたらと思っています。また、ご高齢の方の場合、もう少し早く積極的に取り組んでいただければ、もっと良く噛めるようになるのにと思うことが少なくありません。意外と情報不足というか、情報があってもうまく生かせていないことが課題だと感じています。

今後に向けての展望を聞かせてください。

この地域でも高齢化が進み、老老介護が多かったり、お子さんと住まわれていても昼間は一人という方もいらっしゃいます。地域に根差して、お口の健康や摂食・嚥下について情報発信するなど、もっとつながりを広められたらと思っています。一生、自分で噛んで食べて、最後まで食事を楽しんで、人生をまっとうできるような環境づくり、健康寿命を延ばすためのお手伝いをしたいですね。悪くなってからでは難しいので、若いうち、健康なうちから、自分のことと考えて口腔機能を維持していただけるように、広く地域の皆さんに情報をお伝えしていきたいです。訪問診療の経験から、生活に関わっていくことの難しさも感じているのですが、ご縁があって、とても良い地域で開業することができたので、何か恩返しができればと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

青柳浩樹院長 ヒロキデンタルクリニック6

小さいお子さんからご高齢の方までも、歯や口腔のことでお困りの方や予防をしたいという方に、気軽に来ていただきたいと思っています。特に「歯科が苦手」という方や、「長らく歯科を受診していなかったので行きにくい」というような方のお役に立ちたいと願っています。そして、30代から50代の働き世代や子育て世代の方、多忙な方にこそ、歯や口腔の機能を大切にしていただきたいと思っています。今のうちから、定期的にメンテナンスを受け、悪いところが見つかれば早く治療して、歯やお口の健康を守ることが、将来的な健康につながります。正しい予防や習慣を身につけておくと、年齢を重ねても健康を守ることができると思うので、ぜひかかりつけ歯科を持っていただければと思います。また、当院では、訪問診療にも対応しています。ご自分のこと、ご家族のことで、歯や口腔のことでお困りのことがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。