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山崎 扶佐江 院長の独自取材記事

内田医院Yこどもクリニック

(横浜市戸塚区/戸塚駅)

最終更新日:2023/12/22

山崎扶佐江院長 内田医院Yこどもクリニック main

戸塚駅から直結した駅ビル内にある「内田医院Yこどもクリニック」。小児科とアレルギー科、内科を標榜している。2023年7月に隣地に移転オープンし、新しくなったクリニックで患者を迎える山崎扶佐江院長は、小児科医として40年近いキャリアがあり、中でもアレルギー疾患や喘息に悩む多くの子どもたちを支えてきた。自らも4人の子どもを育て、その経験を生かし子育て中の父親・母親のさまざまな悩みに寄り添う。コロナ禍で学校が休校中、家でゲームやビデオで楽しく過ごすことに慣れ、不登校になった子どもが増えたという。病気のほか不登校、発達の悩みを抱える子どもとその親を、温かく迎え入れる山崎院長。アレルギーとの付き合い方や診察で大事にしていることなどを聞いた。

(取材日2022年6月17日/情報更新日2023年11月8日)

小児科医として地域の子どもの問題に向き合う

小児のアレルギーの分野を中心に、40年近いキャリアをお持ちだと伺いました。

山崎扶佐江院長 内田医院Yこどもクリニック1

大学を卒業してから、横浜市立大学小児科を皮切りに、神奈川県立こども医療センター、横浜市立横浜市小児アレルギーセンターなどで経験を積みました。中でも横浜市立横浜市小児アレルギーセンターはアトピー性皮膚炎と喘息の専門病院でしたから、アレルギーに苦しむたくさんの子どもたちを診てきました。横浜市中部地域療育センターの所長を務めていた時期もあり、そこでは発達が気になる幼児から小学生のお子さんの療育支援を行っていました。開業してからも同センターの外来を担当し、今でも月に1度勤務しながら、新しいことを学んでいます。

開業は2005年なのですね。

2005年に開院した最初のクリニックは、戸塚駅近くの別の場所にありました。現在のクリニックはもともと、内科医師だった父が「内田医院」という院名で開院したもので、父は母と一緒に診療していました。その母が亡くなり、私が当院で小児科、アレルギー科の診療を始め、2010年9月に私の姓の頭文字を加えた「内田医院Yこどもクリニック」と改名しました。父は2010年に亡くなったのですが、亡くなる半年前まで、長年通ってくださっていた高齢の患者さんとここで話をしていましたね。生涯現役の医師でした。

クリニックを開業された戸塚は、どういう土地柄ですか。

山崎扶佐江院長 内田医院Yこどもクリニック2

私は戸塚で生まれ、ずっとこの地に住んでいまして。小学校からの友達も近所に何人か住んでいたりと、古くからの地元の住人もいますが、戸塚駅にはいろんな路線が入っていて利便性がいいので、転入されてきた方も多いですね。分譲のマンションもけっこうできているので、お子さんが小学校に入るタイミングでマンションを買われて、転入して来られるご家族が多いようです。ほかには、ご夫婦ともお仕事をされている若い家族も多く、この周辺には保育園がたくさんあります。

アレルギーとの付き合い方をアドバイス

どういう症状の患者さんが多いですか。

山崎扶佐江院長 内田医院Yこどもクリニック3

アトピー性皮膚炎や喘息の方は多いですね。食物アレルギーについては、最近クルミのアレルギーの患者さんが増えています。クルミの栄養価が注目され、小腹が空いたときに食べる人が増えました。もともと日本になかった食べ物やそれまであまり食べていなかったものを食べるようになったり、同じものばかりを食べたりすることで、アレルギーが出る方がいます。そもそも、先天的に食物アレルギーの人はいないんですよ。生まれてからアレルギーになるので、やはり、食生活は関係してきます。当院では、年齢の低いお子さんに関しては、除去食はお勧めしていません。大きくなれば、本人が嫌だというものを無理に食べさせる必要はないと思いますが、卵や牛乳などいろいろな食品に入っているポピュラーなものが食べられないと、食生活の幅が狭くなってしまいます。食べられる量を確認しながら、できる範囲で食べてもらいたいと考えています。

診療で大切にしていることは何ですか。

医療において適切な表現じゃないかもしれませんが、常に「顧客満足度の高い診療」をめざしています。お子さんの病気の改善には、お子さんと接する時間の長いお母さんに納得していただく必要がありますから、お母さんが満足できる診療を心がけています。例えば、1歳ぐらいのお子さんで鼻水が出ているとします。鼻の下もきれいで時々鼻水が出るくらいだとか、鼻水がひどくて咳も出るとか、くしゃみも出るとか、症状はさまざまです。また、くしゃみはとても大事で、くしゃみが出る勢いで鼻水もちゃんと出て、鼻のとおりがすごく良くなるんですね。そもそも、1歳児くらいのお子さんは、鼻水が出ていない子のほうが少ないくらいなんです。受診が必要かどうかは、お子さんの状態をよく見ることが大切です。鼻水の性状によっては放っておくと中耳炎になるような場合もあるので、その点について注意がいります。そういう話で長くなってしまうんですけど(笑)。

親御さんのほうも、病気についてある程度知識がいるということですね。

山崎扶佐江院長 内田医院Yこどもクリニック4

そうですね。親御さんに、きちんと病気の知識を持っていただくことも必要だと考えています。最近はだいたい皆さん、インターネットで調べてから受診されます。インターネットの情報の全部が全部間違っているわけではないのですが、お子さんの状況に当てはまらないようなこともあるので、インターネットの情報をそのまま信じないようにとお伝えしています。そのあたりを丁寧にお伝えしたいと思っているためお待たせすることもあり申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いいたします。

不登校生徒や発達が気になる子どもにも対応

コロナ禍になり、目立つ症状はありますか。

山崎扶佐江院長 内田医院Yこどもクリニック5

小学校の低学年ぐらいの子に不登校が増えました。頭が痛い、おなかが痛いなど不定愁訴の子どもがすごく多いです。コロナ禍で学校が休みになる期間が長くあり、また、親御さんもリモートワークだったりすると、家にいてもお子さんを見てあげられず、ゲームをさせたり、テレビや動画などを見せておいたりするわけです。それで、いざ学校が始まっても、家にいるほうが楽しいので、学校に行きたがらないという。朝起きないでごろごろしていて、起きるとくらっとして頭が痛くなったりする起立性調整障害という病気の子も見られます。学校に行かないけど週に1回ぐらいは行く子などもいて、どういう段階からが不登校と捉えるか難しいところなのですが、フリースクールや教育委員会のつくる施設へ行くという選択もあると思います。そういった相談は、1週間に2人ぐらい来られます。

発達が気になるお子さんの患者さんも受診されますか。

発達が気になるお子さんの患者さんは増えています。最近、発達障害という言葉をよく耳にするようになりましたが、障害という名前がついているのがあまり良くないなと思うんです。普通とつながっているものだと考えています。薬などでの治療が必要なケースはごくわずかで、そうじゃない子のほうがずっと多いんです。例えば、幼稚園生になったらここまで、小学校1年生になったらこれができないといけないというように、ある一定の年齢になったら「自分でやりなさい」となってしまう。それがクリアできない子には、できないことをさせようとするのではなく、できることをやらせて自信をつけていくことが大事だと思います。発達が気になる子の診療に、専門の医療機関にかかるには予約が半年も後になることもあります。早く診てあげたいと思いますし、専門の医師に診てもらう前にワンクッション置く意味もあって当院で診ています。

読者にメッセージをお願いします。

山崎扶佐江院長 内田医院Yこどもクリニック6

親御さんに、時間的にも気持ち的にも余裕を持って、子育てを楽しんでほしいですね。昔私が子育て中、仕事が終わってばたばたとお迎えに行ったりして余裕をなくしていた頃、「今日はお月さまがきれいだね」と話しかけているお母さんに出会いました。その時、子育てにはある程度の余裕が必要なんだと思いました。「きれいだな」「ありがとう」など、子どもにポジティブな言葉をたくさんかけてあげてほしいと思います。そして、子どもと一緒にこんなことをしたら楽しいかなということを見つけて。子どものためにと思っているとそれがストレスになることもあるので、親が楽しめることが大事なのかなと思います。

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