佐久間 浩史 院長の独自取材記事
戸塚ヒロ眼科
(横浜市戸塚区/踊場駅)
最終更新日:2025/04/28

スタッフたちが温かな笑顔で迎えてくれて、友達の家を訪れたような心地になる「戸塚ヒロ眼科」。目の前にある大規模マンションが建った約20年前から、町の成長とともに歩んできた。長年にわたり校医を務めるなど、地域医療に貢献してきた佐久間浩史院長。院内にはさまざまな先進機器が整備されているが、いずれもクリニックでは導入例が少ない頃から取り入れてきた。めざしているのはアットホームな雰囲気の中で大学病院レベルの診療を提供すること。視力検査は必ず視能訓練士が担当し、専門家による眼鏡の作製や調整も院内で行うなどのこだわりも持つ。小児の弱視・斜視から中高年のアイフレイルまで幅広く対応する佐久間院長に、これまでの歩みなどを詳しく聞いた。
(取材日2024年12月10日)
視能訓練士や眼鏡の専門家など多彩なスタッフが常駐
まず、医師になったきっかけから教えていただけますか。

子どもの頃はあまり体が強くなくて、就学前に入院したこともあるんです。先生や看護師さんに優しくしていただき、医療を身近に感じた経験でした。小学生の頃から眼鏡をかけていたこともあり、目にも興味がありましたね。最初は内科を志した時もありましたが、眼科は白内障手術の後などに、すぐに患者さんの喜ぶ顔が見られるのが魅力的でした。それに、目の中というのはいわば小宇宙。とてもきれいなんですよ。もっと知りたいという思いも強くなり、最終的に眼科を選びました。
開業するまでは大学病院などで数多くの白内障手術などを手がけてきました。
開業する際にも手術室を作るか悩みましたが、患者さんのお話を聞くのも好きだったので外来のみのクリニックとしました。実際のところ手術にはメリットもデメリットもありますが、手術を離れたからこそ患者さんにより近い立ち位置からアドバイスができるようになったとも感じています。最近は眼内コンタクトレンズに関する相談も増えていますが、患者さん一人ひとりにどのようなリスクが考えられるのかなど具体的にお話しすることも可能です。
今はどんな患者さんが多いのでしょうか。

複数路線が乗り入れる戸塚駅も徒歩圏内なので、そうした地域性を反映して、お子さんからご高齢の方までさまざまな患者さんがいらっしゃいます。症状も緑内障や白内障のご高齢者から、近視や弱視で来院するお子さんまで幅広いですね。目の健康に対する意識が比較的高いなという印象で、学校の検診で視力低下を指摘されたお子さんや、人間ドックで緑内障の疑いがあると言われた方の精密検査が多く、糖尿病網膜症の検査を受けに来られる糖尿病の患者さんも多いです。開院から20年近くがたち、小さかった患者さんが中学生になってコンタクトレンズを作りに来たり、結婚してお子さんを連れて来たりといったこともあります。
視能訓練士をはじめとしてスタッフ体制も充実していますね。
視力検査は眼科の命です。だからこそ、ルールで定められているわけではないのですが、当院では視力検査を必ず視能訓練士が行うようにしています。また、眼鏡業者さんが常駐しているのも当院の特徴といえるでしょう。弱視用眼鏡は治療用具なので、通院のたびごとにネジがゆるんでいないか、生活の中で眼鏡を正しく使えているかなどのチェックをしています。
子どもの弱視・斜視の検査と治療、近視にも注力
弱視・斜視など子どもの目の検査や治療にも力を入れているそうですね。

弱視・斜視はさまざまな検査が必要ですが、すんなりとやらせてくれるお子さんばかりではありません。しかし、当院の視能訓練士たちは大学病院での勤務経験があるエキスパートから若手まで子どもとのコミュニケーションを得意としています。斜視の視能訓練なども得意としているのでご安心ください。斜視のプリズム眼鏡、弱視用眼鏡なども院内で製作することができます。斜視は手術が必要となるケースもありますが、大規模病院や小児専門病院などへの紹介も迅速です。その他、視力検査にお越しになったお子さんには簡易的な色覚検査を行うようにするなど総合的に対応しています。長年にわたり地域のいくつかの学校で校医を務めてきましたが、子どもたちがくれた感謝の寄せ書きは宝物ですね。
最近、子どもの目について気になっていることはありますか。
やはり、近視のお子さんが増えているのは見過ごせません。忙しい子育て中は、やむを得ず赤ちゃんがぐずったらスマホで動画を見せていることもあると思います。しかし、デジタルデバイスと接する時間が増えてしまうのは子どもの目の発育のためには好ましくありません。できれば6歳頃までは十分に外遊びをするなどして、近くのものには過度の興味を持たせないようにしたいところです。現在、成長期の子どもの近視進行を抑制するための研究が進んでいますが、当院でも注視しています。また、親御さんが着脱やケアに関われる夜間装着レンズ、オルソケラトロジーも扱っているのでご相談ください。
先進設備を整えて新しい治療にも積極的なのですね。

安全性に配慮してオルソケラトロジーを提供するために、角膜の形や病変を見られる前眼部OCTも新たに導入しました。角膜疾患、白内障、緑内障などの精査や経過観察にも有用な先進機器です。また、広角眼底カメラも早くから導入しています。これにより従来の眼底カメラでは映らなかった部分も網羅できるようになったので、網膜剥離や糖尿病患者の眼底出血の見逃し防止につなげられるようになりました。患者さんご自身の眼の奥の画像をお見せしながら説明できるので、患者さんもよりわかりやすいのではないでしょうか。先端的な取り組みをしている先生のセミナーにも積極的に参加して、アンテナを常に張っているようにしています。海外の研究も含めて、常に最新知識をアップデートするように今後とも努力していきたいです。
アットホームな雰囲気の中、高度な診療を提供したい
これからも守っていきたい診療ポリシーをお聞かせください。

「大学病院レべルの診療を身近なクリニックで提供する」という開業以来のポリシーはこれからも大切にしていきたいです。また、長いお付き合いの患者さんも増えてきたからこそ、慣れ合い過ぎず同時におもてなしの心も忘れずにと気を引き締めています。よく言われる「家族のように」よりも「友達のように」接するくらいの距離感が適切なのではと、この頃思うようになりました。過剰に踏み込まず第三者過ぎるのでもなく、その人の立場になって考えていきたいです。事務長も受付をはじめとしたスタッフたちに「自分の家に友達を呼んだ時のように対応してください」と話してくれています。これからも親しみのあるクリニックとして、患者さんや地域に寄り添っていきたいです。
お忙しい毎日ですがお休みの日はどうお過ごしですか。
休みの日もクリニックの事務処理をしたり勉強会に参加したり、仕事が趣味といった状況が長く続いていましたが、最近は熱帯魚を飼育するという楽しみができました。もともとは子どものリクエストで飼い始めたのですが、いつの間にか私がお世話係に。グッピー、テトラなどの淡水魚たちにとって良い環境を維持するためにはメンテナンスも欠かせません。問題が起きる前に早めに先手を打たなければいけないこともあります。眺めているだけで癒やされますが、難しさもあります。水槽も一種の小宇宙で、興味は尽きませんね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

お子さんの目で気がかりなことがあれば、いつでもお話を聞かせてください。子どもには子どもなりの理論があるので、決して無理強いすることなく、しっかりと信頼を得た後に検査や治療を進めていくようにしています。また、子育てに忙しくてもご自身の目も大切にしてほしいですね。40歳を過ぎたら一度は眼科でチェックを受けてみてはいかがでしょうか。残念ですが、誰しも年齢には逆らえず、50代、60代と年齢を重ねれるにつれいろいろな病気が増えてきますが、目も例外ではありません。加齢に伴う目の衰え「アイフレイル」を感じたら、未病段階で食い止めて病気に進行させないことも大事です。目に関するどんなに小さなお悩み、疑問でも構いませんので、気軽にお立ち寄りください。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー…初期費用:3万8500円、定期検査:3300円/回、レンズ代毎月定額:6600円(両眼)