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若栗 直子 院長の独自取材記事

富岡西クリニック

(横浜市金沢区/能見台駅)

最終更新日:2020/04/01

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京浜急行能見台駅より徒歩10分、駅から住宅街に伸びるゆるやかな坂を歩いていくと、やがて見える白いモダンな一軒家が「富岡西クリニック」。金沢文庫で生まれ育った、院長の若栗直子先生が専門である外科を中心に診療する、地域の頼もしいかかりつけ医院だ。金沢区医師会会長のほか、歯科医師・薬剤師とも連携する三師会の理事としても地域の、特に在宅医療に大きく貢献を果たしている。女性らしい心遣いで飾られたクリニックで、患者や医療に対する思いを語ってもらった。
(取材日2016年10月25日)

生まれ育った地域で、女性医師ならではの診療を

ご出身も金沢区なのですね。

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金沢文庫で生まれ育ちました。駅の近くです。両親が自宅で歯科医院を開業していましたので、小さい頃は患者さんにもかわいがっていただきましたね。近所の方がお酒を片手に遊びに来られるような家だったので、当時から大人に混じってわいわいと過ごすのが好きでした。そのおかげなのか、大学でも教授や先輩方にはかわいがっていただき、厳しいながらも愛情持って指導いただけたと思います。今も地域でいろいろな先生方と交流をいただき、2015年6月からは金沢区医師会の会長を務めさせていただいています。それももともとは、医師・歯科医師・薬剤師で構成される三師会の活動が金沢区は活発なのですが、両親が歯科医師だったこともあって、そちらの理事としてお手伝いしていたところからお誘いいただくようになったのです。生まれ持った、地域とのご縁を感じますね。

ご専門は外科ですね。

そうですね。外科は結果がすぐ出るし、はっきりしているのが性分に合っていたと思います。女性であろうと構わず、当直で1週間泊り込むこともしばしばでしたね。大学卒業が1989年ですが、当時は患者さんが運び込まれると、外科的に緊急性があるか否かを鑑別するのは外科の役割でした。その経験は、開業した今でもたいへん役立っていますね。お腹が痛いといった患者さんの場合、投薬などで様子をみられる状態か、すぐに専門の医療機関にかかるべきかは重要ですから。もちろん、地域のかかりつけ医としては内科的な診断・治療も多く診ますし、糖尿病や高血圧、心臓病などで状態の落ち着いておられる方もたくさん診ています。それにやはり外科ですから、しこりの切除や膿みの処置なども行います。

肛門科も診療されているのですか?

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女性の医師なので、患者さんが女性の場合には恥ずかしくないし、男性の患者さんでも、サバサバと診させていただいています(笑)。おかげさまで、遠方からも調べて来院いただけているようです。また、乳腺も診ているのですが、これもデリケートな分野ですので、やはり調べてとかクチコミを参考にお出でいただいていますね。例えば、がんが見つかった場合など、検査でがん細胞が見つかりましたというところまでは当院でお伝えできますが、どのステージかといった進行度合いまでは言えませんので、専門機関をご紹介しています。医療機関やドクターによって得意とされることは異なりますので、こういう場合はあのドクターにと、こまやかに対応いただける先を、責任持ってご紹介しております。

開業で、イメージ通りの診療環境を実現

開業されたきっかけは?

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出産ですね。子育てしながら医師としてやっていくには、勤務医よりも自分で開業したほうが働き方をコントロールしやすいと考えたのです。能見台のこの場所を見つけて、一から建てました。実家をお願いした一級建築士の方に相談しながら、限られたスペースの中でどう動線を確保するかなど、いろいろと考えました。明るい雰囲気にもしたかったし、外科ですから車いすでも診察を受けやすいように、入り口からすべてバリアフリーにもしました。救急車が横付けできるようにと、診察室の前はガラスの引き戸にして、直接患者さんを運び入れられるようにもしてあるんですよ。内視鏡を使うので、洗浄しやすいようシンクも深いものにするなど、設備面にもいろいろとこだわりました。

待合室にはピクチャーレールがたくさん設けられています。

絵などをたくさん飾りたかったので、最初から設けました。いろいろと飾っていたので、そのうちに患者さんがご自分の作品などを持ち込まれるようにもなって、受付横の絵画と書は、それぞれ別の方ですが、患者さんが季節ごとに架け替えに来てくださるんですよ。りんごの飾りも多いのは、クリニックのロゴマークがりんごなので、いただいたりもしたからです。ロゴは、設計した建築士の方が考えてくださいました。西洋ではりんごは「医者いらず」と言って、健康の象徴だそうです。一筆書きで描いてくれたのは、1本でつながるといった意味だったかと思います。

仕切りの壁の、天井近くはガラスなんですね。

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上を開けてしまうと、診察室で話していることが周囲にも聞こえてしまいますから、明るさと両立させるためのガラスですね。個人情報ですし、デリケートなご相談もありますから、それはしっかりと配慮いたしました。診察室の奥は、内視鏡の検査をする部屋になっています。他にもピロリ菌の検査など、横になっていただく必要のあることは、こちらでいたします。当院では看護師を置かずに、検査でも採血でも私がやっています。勤務医時代から慣れていますし、自分でサッと行うほうが早いかなと(笑)。大学病院の病棟では、小児も高齢者も数多く診させていただいたので、血管のとりにくい採血の難しいケースというのもたくさん経験したんですよ。

多職種での連携を、地域の在宅医療に生かす

在宅医療にも力を入れられているそうですね。

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私自身は、老人ホーム2軒ほどに訪問診療を行っていて、あとは高齢で通院が難しくなった患者さんのお宅への往診対応などですね。大学時代の教授が、がんなどの術後に、外科としてはもうできる治療がなくなったとしても、最期まで病院で看取るというお考えだったので、緩和ケアだったり、亡くなり方をどうご家族も含めて相談していくかなどは随分と勉強させてもらいました。延命のための処置をどこまでするのか、しないのかといったことですね。印象的だったのは、まだ50代のがん末期の方で、ご家族は痛くないようにというご要望だったので麻薬の点滴を入れたのですが、ご本人は間際までご家族と話していたいから意識を遠のかせたくはないと、点滴を拒否されたのです。このように、痛みをあえて選ぶ方もいらっしゃるんですね。その方その方の選択がありますから、丁寧に伺っていかねばなりません。

地域でも在宅医療に取り組まれています。

金沢区の三師会で2016年1月に在宅医療相談室を立ち上げました。取り組んでみてますます実感しますが、在宅医療は医師だけでやる世界ではないんです。口腔ケアの必要性から歯科医師の先生方とも、それに高齢者には服薬指導もかかせませんから薬剤師とも連携をとりながらやっていく必要があります。ケアマネジャーさんなど介護職の方とも交流を深めています。最近は、助産師の先生ともお近づきになりました。慣れ親しんだご自宅で、助産師や看護師の方たちがテーブルを囲んで一緒に食事したりして、生まれてくるのを和やかに待つそうです。リスクのない出産であれば、たいへん良いことですよね。私自身は3人の女の子を生みましたが、仕事があるので予定分娩で、出産自体は苦労をしました。3人とも4000グラム近かったですしね。ただ、産後は1週間程度で仕事も復帰していて、患者さんからはいつの間に産んだんですかなどとよく言われましたね(笑)。

お休みはどう過ごされていますか?

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お酒を飲みながらのコミュニケーションが好きなので、休みの日も明るいうちから楽しく飲めればうれしいかもしれませんが(笑)、家族でキャンプや温泉など行ければいいですね。家にいると、家事などいろいろと仕事を見つけてしまうので、外に出かけていってリフレッシュするのが一番かなと思います。今、長女は看護学校に進んでいまして、医療の道を選んでくれたのはうれしいですね。下の子たちはまだまだ考え中のようで、職人さんになりたいなどと言っているので、「お医者さんも職人さんになれるよ」と教えてあげています。実際、最近の医療はとても細分化が進んでしまっていますが、他の先生方ともよく話すのですが、災害時などにどんな状況でも誰でも診られるようでないとと思います。私自身は、目の前の患者さんに「ありがとう」と言っていただけるような医師でありたいですね。

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