太田 一樹 院長の独自取材記事
金沢内科クリニック
(横浜市金沢区/金沢文庫駅)
最終更新日:2026/06/18
京急本線・金沢文庫駅に程近い「金沢内科クリニック」。2026年4月から院長を務める太田一樹先生は日本糖尿病学会糖尿病専門医・日本内分泌学会内分泌代謝科専門医であり、大学臨床教授も務めるなど豊富な経験も持つベテラン医師だ。同院では太田院長を中心に、複数の医師と管理栄養士、臨床検査技師などが連携してチーム医療を展開。多職種がおのおのの強みを生かし、糖尿病などの慢性疾患、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群といった分野の専門診療を提供する。「身近なクリニックで患者さんに寄り添いながら、エビデンスに基づく良質な治療の提供をめざすことを心がけています」と太田院長。今回は院長に同院の診療体制や糖尿病治療など多様なトピックについて聞いた。
(取材日2025年12月25日)
糖尿病や甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群の診療に注力
まず、こちらのクリニックについて教えてください。

当院は、糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった慢性疾患、内分泌・甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群の専門診療に特化したクリニックです。複数の医師と看護師、臨床検査技師、管理栄養士とが連携するチーム医療で、患者さんのライフスタイルや状況に応じた治療法の提案に努めています。患者層としては、糖尿病などの慢性疾患の方を中心に、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺疾患の方も多くおられます。近隣の方々だけでなく、横須賀市からお越しになる患者さんもおられますね。新型コロナウイルス感染拡大時にリモートワークが広まった影響もあり、東京を離れこの辺りに転居された新患の方々も多くおられるようです。当院は駅からも近く、平日は18時まで、土曜診療も行っていますので、お忙しい方々にも便利にご利用いただきたいですね。
睡眠の質という観点から、睡眠時無呼吸症候群の治療に注力しているそうですね。
当院の母体である医療法人みなとみらいの各クリニックは、「睡眠の質の向上」というコンセプトを共有しています。もともと当グループの出発点は、田中俊一理事長が糖尿病などの慢性疾患の治療は大学病院や高度医療機関よりも、地域密着型クリニックで受けるメリットが大きいと考えたことにありました。その後、慢性疾患の背景に「睡眠の質」が関わることに注目し、「睡眠の質の向上」を基本に据えた診療体制を確立されていったのです。そのため当院でも、睡眠時無呼吸症候群の治療には力を入れています。診療では、まず自宅で簡易検査を受けていただき、必要に応じ、基幹クリニックである「みなとみらいクリニック」と連携した精密検査へ。診断後はCPAP(持続陽圧呼吸療法)を中心とした治療を行っています。
甲状腺疾患についても教えてください。

甲状腺疾患には、甲状腺ホルモンの分泌に異常を来す疾患や甲状腺腫瘍などがあります。あまり知られていませんが、比較的身近な病気といわれており、例えば橋本病は成人女性の約10人に1人に見られるとされています。また、そのうちの約10%程度が甲状腺機能低下症を来すとされています。ところが、症状が穏やかで気づかずに過ごしている方や、だるさ、体重増加など症状が多岐にわたる上に、ほかの病気と症状が似ているために適切な医療を受けられていない方もおられます。甲状腺疾患は不妊や流産にも関与することから、産婦人科からの紹介で受診される方も増えていますね。適切な診断と治療を受ければ、体調の改善が図れ、仕事をはじめ社会生活にも良い影響が出ることが期待できます。患者さん自身で判断することは困難ですので、ぜひ当院のような専門クリニックにご相談ください。
エビデンスに基づく、一人ひとりに寄り添う治療を
次に、糖尿病治療について伺えますか?
糖尿病の治療では食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて進行をコントロールすることが重要です。そのため当院では、生活スタイルや家族構成など患者さんの背景、合併症の有無といった点を考慮しながら、日常的な運動のアドバイスや薬物治療、栄養指導を提供しています。知っていただきたいこととして、糖尿病の治療薬は近年種類が増えており、症状に合った薬を選ぶには専門的な知識と経験が欠かせません。腎症や心血管疾患、脂肪肝、肥満症などを合併している場合は推奨される糖尿病薬がありますので、治療を受ける際には、当院のように専門家がいる医療機関への受診をお勧めします。また当院の栄養指導は基本的に初診時か、2回目の受診で管理栄養士が実施する形を取っています。その後も定期的に栄養指導を継続していき、こまやかにサポートしてまいります。
診療で心がけているのはどんなことでしょう。

心がけていることの一つは、各学会の診療ガイドラインに基づく標準的な治療を行うことです。学会の診療ガイドラインは、数年ごとに新たなエビデンスをもとに改訂されるのが通例です。従って、診療ガイドラインに沿うことは、その時点での望ましい治療を患者さんに提供できるということでもあるのです。それと同時に当院では、患者さんのご事情や生活背景に応じた柔軟な対応を行うことも大切にしております。私自身、当院の院長となり、長く患者さんとお付き合いできる地域密着の診療にたいへんやりがいを感じています。お一人お一人に寄り添い、信頼していただける関係を築いていければ、うれしい限りですね。
改めて、こちらの院長に就任されるまでの経緯について教えてください。

福島県立医科大学を卒業した後、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)の第2内科に入局し、内分泌疾患、糖尿病の基礎研究と臨床に従事していました。その後は、横浜南共済病院内分泌代謝内科部長、横浜市立みなと赤十字病院糖尿病内分泌内科部長、東京医科歯科大学臨床教授といった立場をいただき、若手医師の指導にも携わってまいりました。糖尿病・内分泌疾患の救急対応や甲状腺の腫瘍を診てきた経験も豊富と自負しています。当院の院長には2026年の4月に就任したばかりですが、これまでの実績と知識を生かし、地域の皆さんの健康に貢献することができればと考えています。
高度なチーム医療で慢性疾患などを長期フォローする
専門性の高いスタッフさんたちが診療に貢献されているとのことでした。

糖尿病や甲状腺疾患などを適切に診療するためには、専門性の高いスタッフたちの存在は欠かせません。先ほどお話ししたように、糖尿病などの患者さんの栄養指導では、管理栄養士が活躍してくれています。検査の専門家である臨床検査技師も在籍しており、がんに発展する可能性のある小さな腫瘍も見逃さないよう、精度の高い検査に努めています。当院では、甲状腺頸動脈や心臓、腹部などを調べられる超音波検査、動脈硬化の進行度を測るABI検査・PWV検査などの各種検査に対応していますが、それらを安心して任せております。どのスタッフたちも、私にとって頼れる存在です。
専門的な立場から気になることがありますか?
肥満症の方が多いことです。肥満は糖尿病、高血圧、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群などの、より上流に位置する大きな原因の一つです。例えば肥満のある糖尿病の治療は薬剤数が多くなり、血糖コントロールも難しくなるケースが多いです。近年体重減少が期待できる薬剤や減量手術もありますが、薬剤費、医療費は安くはありません。肥満は現役世代の方に多く、仕事に忙しくて健康に気を配れないのかもしれませんが、日頃から食事、運動、体重管理などの生活習慣に留意してほしいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

糖尿病や高血圧、脂質異常症などの慢性疾患は生活習慣を改めなければ自然軽快することはまずなく、治療介入が必要なことが多いです。健康診断などで再検査が必要と指摘を受けたのであれば、合併症を発症しないうちに早めに診断・治療を受けることが非常に重要になってきます。当院は地域密着のクリニックでありながら、複数の医師と多職種のスタッフによるチーム体制を整えています。そのため、糖尿病をはじめとする慢性疾患、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群といった治療期間が長期にわたる病気もフォローすることができます。地域の基幹病院とも連携体制を築いていますので、ご安心ください。心配事は放置せず、早めにご相談いただけますと幸いです。

