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齋藤 友克 院長の独自取材記事

かまりや歯科医院

(横浜市金沢区/金沢文庫駅)

最終更新日:2023/10/12

齋藤友克院長 かまりや歯科医院 main

京急本線・金沢文庫駅から徒歩10分。緑が多い静かな住宅街にある「かまりや歯科医院」は、開業50年以上の歴史ある歯科医院だ。現在、診療に当たるのは2代目院長の齋藤友克先生。先代院長である父の意思を受け継ぎ、地域住民の口腔内の健康を守るために日々奮闘している。長年、大学病院の口腔外科で腕を磨いてきた齋藤先生は、顎関節症や睡眠時無呼吸症候群、口腔がんなど、歯科医療分野に止まらない幅広い領域に対応できる数少ない歯科医師だ。合気道六段、学生時代はアメリカンフットボールの選手という根っからの体育会系だが、やわらかい物腰と、言葉を選びながら慎重に話す様子からは誠実な人柄がうかがえる。そんな齋藤先生に、診療のこと、歯科医師になったきっかけ、仕事のやりがいなどについて語ってもらった。

(取材日2012年3月13日/更新日2023年8月2日)

歯科医療分野を超えた幅広い知識

こちらの歯科医院の特徴を教えてください。

齋藤友克院長 かまりや歯科医院1

一般的な歯科医院に比べて対応範囲が広い点が当院の特徴だと思います。以前は横浜市立大学医学部附属病院(現・横浜市立大学附属病院)の歯科・口腔外科に勤務していたので、通常の歯科医院であったら大学病院に紹介するような外科的処置を伴う親知らずの抜歯にも対応できますし、顎関節症の治療や口腔がん検査なども行っています。また大学病院時代に一時、救急救命センターに所属した経験から、全身の病気についてもある程度、知識がありますので、糖尿病や高血圧といった基礎疾患を持った患者さんの場合は、全身の健康状態にも配慮しながら歯科治療を進めていきます。

口腔がんとはどのようながんなのですか?

舌や歯茎、頬の粘膜など、口の中にできるがん全般を指します。発生率はがん全体の1%程度と決してメジャーながんではありませんが、初期は自覚症状がないため、本人が気づかないうちに進行していることも少なくありません。がんができる部位によっても違ってきますが、初期によく見られるのが口内炎です。普通の口内炎は痛みがありますが、がんの場合、初期段階にはあまり痛みがないことが特徴です。進行すると痛みが出てくるので、その段階になって初めておかしいと気づく人も多いようです。口腔がんの主な原因は、喫煙や飲酒などですが、刺激によって発症することもあるので、辛い物や熱い物が好きな方は気をつけたほうがいいでしょう。

睡眠時無呼吸症候群の対応もしていただけるそうですね。

齋藤友克院長 かまりや歯科医院2

はい。ただ、睡眠時無呼吸症候群の診断は医科の先生が行いますし、基本的に私たち歯科医師が対応するのは、医科の先生からご紹介を受けた患者さんのなかでも、比較的軽症の方が対象になります。歯科では患者さんの口や顎の形、歯並びに合わせて、「スリープスプリント」と呼ばれるマウスピースを作成します。睡眠時の一時的な呼吸停止や低呼吸は、横になった時に舌が喉の奥に落ち、気道がふさがってしまうことによって起こります。スリープスプリントを装着すると、下顎が少し前に出るので、舌が落ちることはなく、気道の確保が図れるのです。肥満の人の病気と思われがちですが、扁桃腺の大きい人や顎の小さい人などにもみられる病気です。放置すると高血圧や心臓病、脳血管障害などの引き金になることもあるので、思いあたる症状がある人は早めの治療をお勧めします。

患者からの感謝の言葉が日々の診療の原動力に

日常の診療で気をつけていらっしゃることはありますか?

齋藤友克院長 かまりや歯科医院3

患者さんが、私たちに何を期待し、何をしてほしいと思っていらっしゃるのか、きちんと把握することに力を注いでいます。患者さんが望まない治療をしたところで、良好な予後は期待できないからです。もちろん歯科医師として、医学的なことに関してはきちんとご説明しますし、できるだけ患者さんのご要望に沿った治療法をご提案できるよう努力していますが、治療法の最終的な決定権は、あくまで患者さんにあります。ですから仮にご納得いただけなかったとしても、無理強いするようなことはありません。

仕事でやりがいを感じるのはどんなときですか?

やはり治療が終わって患者さんに喜んでいただけたらうれしいですね。今まで出会った患者さんのなかで印象に残っているのは、大学病院にいる時に診た小学生の男の子ですね。転んだか何かで顔をぶつけた拍子に歯が折れてしまった患者さんだったんですが、「将来、先生みたいな歯科医師になりたいと思います」と書いた手紙をくれて、とてもうれしかったことを今でも覚えています。ほかは、親子でずっと私のところに通ってくれている患者さんがいらしたんですが、来ないなと思っていたら、どうやらお父さまは持病の内科系の疾患が悪化して亡くなられたようなんです。久しぶりに息子さんがいらして、「父が常々、歯科では本当にいい先生に巡り合えてよかったと言っていたんですよ」と明かしてくださいました。そう言っていただけると、本当に歯科医師冥利に尽きるというか、うれしさで胸がいっぱいになりました。

歯科医師になろうと思ったのは先代院長であるお父さまの影響ですか?

齋藤友克院長 かまりや歯科医院4

父だけでなく、母も歯科医師だったのですが、私自身はもともと歯科医師でなく、医師をめざしていたんです。そのため大学受験の際には、医学部を数校と、歯学部は両親の母校1校だけを受験しましたが、残念ながら合格したのは歯学部だけだったので、結果として歯科医師の道を歩むことになりました。両親は、跡継ぎができたと歯学部進学を喜んでいましたけれどもね。ただ、子どもの時は学校から帰って来ると、両親が仕事している姿を見ながら1人で遊んでいましたから、歯科医師ではなかったにせよ、同じ医療関係の仕事に就きたいと考えるようになったのは、両親の影響かもしれませんね。

話をよく聞いてくれる歯科医師を見つけることが大切

もともと医科志望だったことが大学病院の口腔外科に勤務する動機になったのでしょうか?

齋藤友克院長 かまりや歯科医院5

確かに、歯科医療だけでなく、もっと広い領域の知識を身につけたいという思いは歯学部に進んでからもあったと思います。そんな私の思いを察したのか、たまたま横浜市立大学附属病院の歯科・口腔外科の先生と知り合った母が「すごくいい先生だから行ってみたらどうか」と勧めてくれたんです。それで大学卒業と同時にそこでの勤務を開始しました。実は横浜市大には歯学部がなく、大学で歯科医師の養成をしていないのに、付属の病院には歯科・口腔外科があるという少し特殊な環境でした。通常、歯学部がある大学病院の口腔外科では、口腔外科の診療のみを行いますが、横浜市立大学附属病院はほかに歯科関係の診療科がないので、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整なども口腔外科が行う必要がありました。今振り返ると、自分の専門に捉われない幅広い知識と技術を身につけることができた経験が、地域のかかりつけ歯科医としての素地づくりに役立ったと思っています。

ところで診察室の合気道六段の免状が気になったのですが、武道がご趣味なのですか?

休日は子どもの面倒を見なければならないので、自分の趣味を楽しむ余裕はありません。合気道は中学の時に始めました。二段を取るくらいまでは一生懸命稽古していましたけれど、高校・大学時代はアメリカンフットボールに夢中になって、合気道の練習はあまりしなくなりましたね。私が合気道を始めた時は、師匠も道場を開いたばかりで、練習生は私と、私の友人2人の全部で3人しかいませんでしたが、今は道場も大きくなって練習生もいっぱいいますよ。私自身は、今でも審査のために顔を出すことはあっても、試合をすることはありませんね。師匠がお酒好きなので、宴会をする時には、声がかかりますけれど(笑)。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

齋藤友克院長 かまりや歯科医院6

話をよく聞いてくれる歯科医師を見つけてほしいと思います。先生がよく話を聞いてくれないとか、きちんとした説明もないまま治療をされたといった話を聞くことは多いですし、患者さんのなかには、治療内容の説明がよくわからなくても、そのことを言い出せずに、疑問を抱えたまま治療を受けてしまう人も見受けられます。歯科医師と患者も人と人で、相性もあるでしょうから、自分が疑問に思ったことを気軽に聞ける先生、あるいは歯科衛生士でも構いませんが、そういうスタッフがいる歯科医院を探してください。また、患者さん自身の意識改革も必要です。ほかでもない自分の体のことなのですから、「こんなことを聞いたら先生に嫌われるかもしれない」といった考えは捨て、自分の要望をしっかりと歯科医師に伝えて、主体的に治療に関わる意思を持ってください。

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