服部 圭祐 院長の独自取材記事
はっとり内科外科クリニック
(四日市市/保々駅)
最終更新日:2026/04/21
保々駅から徒歩5分、田畑が広がるのどかな風景の中に2026年2月開業の「はっとり内科外科クリニック」がある。ベージュとグレーを基調としたシックな院内は落ち着いた雰囲気で、桜をモチーフにした明るいロゴマークが温かみを添える。院長の服部圭祐先生は、市立四日市病院で20年以上にわたり血管外科を中心に経験を重ねてきた。勤務医時代の合併症治療を通じて患者のわずかな訴えも見逃さない姿勢を培い、その信念は開業後も変わらない。内科、外科、消化器内科、血管外科と幅広い診療科に対応し、下肢静脈瘤の日帰り手術から漢方の処方まで手がける。「どの科も全力で取り組みたい」と穏やかながら力強く語る服部院長に、地域医療への思いや診療のこだわりを聞いた。
(取材日2026年3月18日)
20年以上の経験を携え、地域のかかりつけ医へ
この2月に開業されたばかりと伺いました。どのような患者さんが来院されていますか?

市立四日市病院で20年以上にわたり、血管外科を中心に研鑽を積んでまいりました。セカンドキャリアとして地域に貢献したいという思いから、クリニックの開業に至りました。場所を選ぶ際は、勤務医時代の患者さんが行き先に困らないよう四日市市内を前提にしました。この辺りはクリニックが少なく高齢者の多い地域で、小中学校や地区市民センターも近く、地域の中心的なエリアです。実際には高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病の方が最も多く、消化器の不調や血管のお悩み、近くの学校からお子さんがけがでいらっしゃることもあります。未就学児から90代の方まで幅広い世代が通ってくださっていて、「歩いて通えるクリニックができて良かった」と声をかけていただくこともあり、ありがたく思っています。
院内の雰囲気も印象的ですが、設計でこだわった点を教えてください。
院内はベージュとグレーを基調にした配色にしています。患者さんが目にするソファーや壁紙は、とにかくリラックスできることを重視しました。「また来てみたいな」と感じていただける空間をめざしたんです。パウダールームやお手洗いも広めに設計し、間接照明を取り入れて落ち着いた雰囲気に仕上げました。ロゴマークは桜をモチーフにしています。2月の開業でしたので、花のある温かいイメージが親しみやすいかなと考え、ピンク系の明るい配色にしました。機能面では、診察室を2部屋設けて片方に超音波検査装置を配置しています。私が行き来しながら診察と検査を進めることで、待ち時間をなるべく短くする工夫です。駐車場は思いやり駐車場2台を含む20台分を広めのスペースで確保しています。
先生が医師を志し、血管外科を専門にされた理由をお聞かせください。

家族に医療関係者がいたこともあり、医療の道に進むこと自体は自然な流れでした。専門を決める際には、なり手の多いメジャーな診療科よりも、自分の専門性を十分に生かせる分野に進みたいと考えました。血管外科は全国的にもまだ認知度の低い領域ですが、すべては人間、血管からという思いがあり、細かい作業が好きな自分にとって向いている診療科だと感じたんです。福井医科大学を卒業後、名古屋大学医学部附属病院や岐阜県立多治見病院での勤務を経て、四日市で長く血管外科の臨床に携わってきました。動脈瘤の手術や末梢動脈疾患といった血管の病気を診る中で、かつて開腹で4〜5時間かかっていた手術がカテーテル治療に移り変わっていく過程も経験しています。医療の進歩に合わせて勉強と臨床を両立させてきた日々でした。
静脈瘤の日帰り手術から漢方まで、どの分野も全力で
ご専門でもある下肢静脈瘤の治療について教えてください。

下肢静脈瘤の治療は、私にとってライフワークともいえる分野です。手術はカテーテルという細い管を静脈の中に通して、血管を内側からふさぐことをめざす方法で行います。所要時間はおよそ30分から1時間ほどで、局所麻酔のみですから鎮静剤は使いません。お一人で来院して、そのまま帰宅していただけますので、日常生活への影響も少なく済むと思います。手術の枠は月曜・火曜・金曜の午後に設けています。静脈瘤は見た目を気にされる方も多いのですが、外見と症状の両面での改善を図る治療です。日帰りで専門的な手術を受けられる手軽さもありますから、患者さんに喜んでいただけているといいですね。
胃の内視鏡検査など、検査体制についても伺えますか?
消化器内科にも対応していますので、経鼻内視鏡を導入しました。鼻から通すカメラは咽頭反射が少なく、鎮静剤を使わなければ検査後そのまま仕事に向かうこともできます。休診日を除く午前中に対応し、予約も取りやすくしています。漢方薬の処方にも力を入れていて、西洋薬では合わなかった方にお勧めしています。便秘や下痢、風邪の初期症状、更年期の不調など幅広い症状に対応できるのが漢方の強みです。生活習慣病に対しては、有酸素運動や食生活の改善といった生活指導を大前提にした上で内服治療を行います。睡眠時無呼吸症候群の簡易検査も受けつけています。ご自宅で一晩装着するだけですので負担も少なく済みますよ。
勤務医時代のご経験は、今の診療にどのように生きていますか?

勤務医時代には予期せぬ合併症に直面する場面がありました。わずかな訴えからさまざまな検査を行い、自分の判断で治療方針を決めなければならない局面も多く経験しています。困難な状況を乗り越えた患者さんやご家族から感謝の言葉をいただくこともあり、患者さんが何を求めているのかを考えるようになりました。この姿勢は今も変わりません。患者さんが苦しんでいる姿や悩んでいる姿を見ると、何かしてあげたい、何かできることはないかと思います。特に高齢の方は症状を我慢される場合も多いので、わずかなサインも見逃さずひもといて、早く見つけてあげたいと思っています。内科、外科、消化器内科、血管外科と診療科も多いので、どの分野のお悩みでも気軽にご相談いただけます。お気軽にまずは当院へ来ていただけたらと思います。
孫や趣味の話にも耳を傾け、地域の健康を見守りたい
患者さんとの接し方で心がけていることを教えてください。

診察ではゆっくり時間をかけてお話を聞くことを大切にしています。お孫さんの話や趣味など、治療とは直接関係のない話題にも耳を傾けるようにしています。そうした会話の中で気を許していただくのが信頼関係への一番の近道だと思っているんです。「何かあったらこの先生に話そう」と思ってもらえる存在でありたいですね。スタッフにも同じ考えを共有していて、関係のない話題からでも話しかけてコミュニケーションを取るよう伝えています。看護師は5人いますが、いずれも経験豊富で率先して動いてくれますし、医療事務の4人も頼もしい存在です。高齢の患者さんの足元が不安定ならすぐ車いすを用意する、手を添えて一緒に歩くといった配慮も徹底し、クリニック全体で一人ひとりに寄り添っています。
今後、特に力を入れていきたいことはありますか?
今は通院できている患者さんも、年齢とともに足腰が弱ってくることがあります。「先生、そろそろ通えなくなってきた」という声が出てきたら、往診や訪問診療に切り替えていく予定です。患者さんの状況に応じて柔軟に対応したいと考えています。もう一つ力を入れたいのは、50代、60代の方への早期受診の呼びかけです。健診で異常を指摘されても受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。放置すると大きな病気につながることもありますから、気になることがあれば早めに相談していただきたいですね。胃の内視鏡検査をはじめ検査体制を整えていますので、早期発見・早期治療にしっかりつなげたいです。お子さんからお年寄りまで、病気の相談に限らず気軽に立ち寄っていただけるクリニックをめざしています。
最後に、地域の方々へメッセージをお願いいたします。

開業してまだ1ヵ月ほどですので、スタッフも私も不慣れなところがあり、お待たせしてしまうこともあるかと思います。まだまだ時間はかかるかもしれませんが、一歩ずつゆっくりと歩みを進めていきたいと思っています。お体のことで気になることがあれば、ちょっとした不調や心配事でも遠慮なく声をかけてください。お一人お一人としっかり向き合いながら、皆さんの健康を長く見守っていけるクリニックでありたいと思っています。この地域に根差して、日々の診療を通じて皆さんのお役に立てるよう、スタッフとともに取り組んでまいります。多くの方と信頼関係を築き、末永くお付き合いしていけたらうれしいですね。

