宇佐美 智乃 院長の独自取材記事
西小山駅前うさみ内視鏡・消化器内科クリニック
(品川区/西小山駅)
最終更新日:2026/04/13
西小山駅の改札を出て左手を見ると、すぐに「西小山駅前うさみ内視鏡・消化器内科クリニック」が見えた。院内に入ると、患者に対してスタッフが内視鏡検査の説明をする様子が見られ、丁寧に寄り添う姿勢が徹底されていることがわかる。消化器内科と内科の診療を行う同院の院長を務める宇佐美智乃先生は、胃と大腸の内視鏡検査を柱に、鎮静剤を活用するなど患者の負担をなるべく減らす配慮を欠かさない。一般内科にも注力し、風邪や生活習慣病などの幅広い症状に対応しながら、地域のかかりつけ医の役割を果たしている。「取材は初めてで緊張します」とはにかむ一方で、診療の話になると力強い言葉で誠実な医療姿勢を伝えてくれた宇佐美院長に、診療のモットーや内視鏡検査の詳細について聞いた。
(取材日2026年3月12日)
8時30分から内視鏡検査を行いがんの早期発見に貢献
まずは、クリニックをご紹介ください。どのような患者さんが来院されますか?

2025年に開院し、消化器内科と内科を取り扱っています。もともと、ここで父が脳神経外科と整形外科を開業しており、引っ越しをするにあたり、私が引き継ぎました。父の代から通われる患者さんを継続して診ている傍ら、昨年開業してからは20~30代の患者さんも増えています。腹痛、下痢、便秘、おなかの張りといった訴えに加え、不景気や仕事などによるストレスが原因の過敏性腸症候群の方も少なくありません。内科の傾向で言えば、12~1月には年代問わず、風邪や感染症の患者さんが増えますね。当院は西小山駅前という通院が便利な場所にあるので迷うことがありませんし、検査前で下剤を飲み移動に不安がある、体調不良で移動がつらいといった患者さんも安心して来院していただければと思います。
胃と大腸の内視鏡検査が柱と伺いました。
胃内視鏡検査は、食道・胃・十二指腸を直接観察でき、病変の詳細な状態を確認し、食道がんや胃がんなどの早期発見にも有用です。大腸内視鏡検査は、直接大腸全体を詳しく調べることで、大腸ポリープやがん、炎症性疾患などを早期に発見するのに役立ちます。当院では、ご要望があれば、リラックスした状態で検査を受けられるよう、事前に鎮静剤や鎮痛剤を投与します。私がすべて担当しますし、見落としがないように丁寧に時間をかけて挿入し、手技的にも配慮を欠かしません。検査終了後はリカバリールームで休憩いただき、その後、検査結果を説明いたします。当院は忙しい方向けに、8時30分から検査を実施しています。鎮静剤を使っても、リカバリー時間含めて10時前くらいには当院を出られるので、お仕事前でも無理なく受けていただけると思います。
内視鏡検査の重要性を教えてください。

超高齢社会の日本では、寿命の延びとともにがんとの向き合い方が重要になっています。予防や早期発見が難しいがんも存在しますが、胃がん・大腸がん・食道がんの多くは、適切な検査によって未然に防いだり、早期に発見したりできます。例えば、胃がんはピロリ菌の有無でリスクが大きく異なり、除菌だけで発症リスクの軽減が期待できます。大腸がんも、事前のポリープ切除が予防につながります。こうした事実は、特に20〜30代の若い世代には十分に浸透していません。例外的な進行がんもありますが、定期的な検査で守れる命があります。地域のかかりつけ医として、あらゆる世代が将来のがんリスクを未然に防げるよう、正しい知識と精度の高い検査を届けていきたいと考えています。
風邪や生活習慣病などを診る一般内科にも注力
内視鏡だけでなく、CTや超音波検査装置を導入しているのも特徴的です。

地域のクリニックにおいて、「緊急性の判断」は重要です。腹痛でも、一時的なものか、一刻を争う腹膜炎のような重症疾患か、その見極めが患者さんの命に直結します。通常、採血検査だけでは結果判明が翌日になることが多く、判断に迷う場面も少なくありません。しかし、当院ではおなかのCT検査を活用し超音波検査と組み合わせることで、その場で迅速かつ精密な診断が可能です。例えば、激痛の原因が胆石症であると即座に特定することも可能ですし、隠れたがんの発見にも大きな役割を果たします。「今すぐ大きな病院へ搬送すべきか」を即断できる体制を整えることで手遅れになるリスクを防ぎ、適切な高度医療への橋渡しを行っています。
一般内科にも力を入れていると伺いました。
消化器内科という枠にとらわれず、内科疾患全般も幅広く診療し、「身近な相談窓口」でありたいと思っています。ですから、風邪や生活習慣病などといった一般的な内科診療も対応しています。また、父の影響で脳神経外科や整形外科の視点も大切にしていますので、今でも父の代からの患者さんがいらっしゃいますし、膝や腰の痛みなどで来院される方も多いです。私の診療領域を越える場合に備え、ほかの地域のクリニックや総合病院とも連携体制を整えています。特に、病院へ行くべきか迷うような些細な不安や、おならの臭い・排便の悩みといった「人には相談しづらいこと」こそ、お気軽にご相談ください。
診療のモットーをお聞かせください。

患者さん一人ひとりの不安に寄り添い、心から安心できる診療を大切にしています。特に重要視しているのは、専門的な医療用語をかみ砕き、画像なども活用しながら「今、何が起きているのか」をわかりやすく伝える丁寧な対話です。また、検査結果を待つ時間の不安を最小限にするため、当日判明する事項はその場ですぐに共有することを徹底しています。病気への答えを示すだけでなく、過程における「傾聴」と「寄り添い」を重視し、この場所を選んで良かったと感じていただけるような、信頼される医療の実践をめざしています。
診療科にとらわれず日常の些細な悩みを解決する
先生は、なぜ医師になろうと思ったのですか?

父が医師で、その姿を身近に見て育ったことが大きく影響しています。大きなきっかけになったのは、高校生の時に祖父が闘病の末に亡くなった経験でした。当時はまだ高校生で、祖父の病気がどんな病気なのかもよくわからず、何もできない自分をもどかしく感じて……。祖父の闘病生活を見て「治してあげたい」と思ったこと、そして病気はなぜ起こるのか、その仕組みを知りたい気持ちが強くなり、医学への興味が膨らんでいったのです。2015年に愛知医科大学を卒業後、昭和大学大学院で学びをさらに深めました。消化器内科を選んだのは、扱う臓器が多く学問的にとても面白いと感じたからです。口から肛門までの消化管に加え、肝臓・胆嚢・膵臓など多くの臓器を診られる点に魅力があります。近年、腸内細菌と病気の関係が明らかになり、おなかは生活に密着している分、悩む人も多い領域。だからこそ、多くの人を良くしてあげたいという思いが強いです。
医師になってから、学びを深めたエピソードはありますか?
研修医として最初に配属されたのが昭和医科大学病院の消化器内科で、当時の医局長だった野本朋宏先生との出会いは大きいです。胆嚢がんや膵がんなどを多く診てきた先生で、インフォームドコンセントにも一緒に入らせてもらいながら、患者さんへの接し方や寄り添い方を学びました。学問的にも多くの実績がある先生ですが、とても気さくで優しく、患者さんと自然に会話される姿が印象的でした。先生は現在、川崎協同病院で副院長を務めていらっしゃいます。私は当院が休みの水・日曜に川崎協同病院に勤務し、野本先生やほかの医師と関わりながら連携を深め、技術や新しい知識を蓄積しています。当院だけにいると、勉強会などに参加していても考え方が固まったり、古い治療に偏ってしまったりすることがあります。前線で働く先生方から新しい治療や技術の情報を直接聞けることは、とても大きな刺激になっています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

患者さん一人ひとりの不安を解消し、心から安心して任せてもらえる診療を追求していきます。診療科の枠にとらわれず、日常の些細な悩みや「何科に行けばいいかわからない」といった不安も、まずは気軽にご相談ください。丁寧な傾聴をベースに、専門的な診察が必要な場合には適切な医療機関をご紹介するなど、患者さんの健やかな毎日のための「最初の窓口」でありたいと考えています。この1年、試行錯誤を重ねながら、一人ひとりに最適な答えを出す診療をめざしてまいりました。今後も、地域のかかりつけ医としての役割を十分に果たしていきたいと考えています。

